【特集】ミツバチとハチミツの食文化 特集アドバイザー:眞貝理香(総合地球環境学研究所・外来研究員)「ミツバチやハチミツのことを知ると、人生はもっと楽しくなります!」などというと、何やら怪しい自己啓発の宣伝文句のようですが、これは少なくとも私の実感です。 本特集は、食品としてのハチミツという視点だけでなく、「人とミツバチ・ハチミツの関わり」「それを取り巻く様々な生物、環境」という、複眼的な視点で編集されています。 一匹の小さなミツバチの能力に驚き、さらに群としての社会性に驚き、ミツバチと植生、他の・・・
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【特集】世界の台所
特集アドバイザー/石毛直道(国立民族学博物館名誉教授)
狩猟採集、農業、牧畜など、異なる食料獲得法があるが、食材は環境=自然の産物である。
おなじ食材を使用しても、食文化の違いによって異なる味の料理がつくられる。
料理とは、自然を変形して文化にとりこむ行為である。
旧石器時代に火を使用するようになってから、人類は料理を始め、肉を焼いて食べるようになった。
新石器時代に土器がつくられるようになると、土器に水を入れて煮沸する、煮炊きという技術が成立した。
料理は火と水の利用にはじまるといえよう。
現在の台所でも、火を使うカマドやガスや電気のコンロと、水を使う流し台を中心とした空間となっている。
台所は女性が管理する空間とされてきた。
従来あまり論じられることのなかった、台所から食文化を考えてみようというのが、本特集号の趣旨である。
<特集>
I 生活様式からみる各国・地域の台所
1.火のある場所は台所だ―森の民の調理場/彭宇潔
2.イタリア、ピエモンテ州のキッチン/中山エツコ
[トピックス]フランクフルト・キッチン―近代ドイツにおけるコンパクトキッチンの誕生
/須崎文代
3.中央アジアの農耕民―ウズベキスタンの台所と食文化/今堀恵美
4.モンゴル遊牧民の台所―新家電がもたらす変化/堀田あゆみ
5.ベトナムの人びとの台所と食文化―米を中心とした人びとのくらし/鍋田尚子
6.中国・福建省の台所/砂井紫里
7.アンデス高地の台所と調理/若林大我
[トピックス]キッチハイク! 多様性のど真ん中に出会った世界のキッチン探訪/山本雅也
II 日本の台所
1.近代日本における台所のモデル/須崎文代
2.キッチンの未来像/渋谷篤
III 台所の外部化
1.近代日本の胃袋を支える台所―在来市場と近代市場/湯澤規子
2.江戸時代に華開いた「台所」替りの屋台/土田美登世
3.石窯ピッツァのフードトラック~理想に向かって走る~/久村幸平
特集まとめ 「台所文化考」/石毛直道
<連載>
☆コーヒー・ハウスの文化論(第3回)「コーヒー・ハウスにおける新しい文学の誕生」
/太下義之
☆歌舞伎のレシピ(第2回)「初鰹は庶民の憧れ?」/堀越一寿
☆大食軒酩酊の食文化(第52回)「クジラのベーコン」/石毛直道
☆ミクロネシアの島の暮らしと食(第1回)「生活一般と台所」/山本宗立
☆文献紹介 藤原辰史著 『縁食論―孤食と共食のあいだ』/松村圭一郎
※各種権利等により、デジタル版には写真が非表示または記事そのものが収録されていない場合がございますのでご了承願います。 -
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【特集】ほっとする食べもの―世界のコンフォートフード
特集アドバイザー/石田雅芳(立命館大学食マネジメント学部教授)
今回の特集は「コンフォートフード」である。特にアメリカで使われている言葉で、言葉のピースフルな印象とは少々異なり、かなりジャンクな食品もこのカテゴリーに入るとのこと。不健康なものこそ美味しく感じると言われるが、とかく快適さ、慰め、安らぎ、幸福をもたらす食という、柔らかいテーマで世界各地から発信していただいた。さらには日本の食研究をリードされる方々にも、個人的な体験を元にした魅力的なコンフォートフードについて語っていただいた。
新型コロナによって人々の行動が制限され、あらゆる共食の場を懐かしく思う昨今、ふと立ち返って食の幸せな記憶に想いを馳せてみる。安らぎをもたらす食とは何か、何であったか。ここには子供時代の幸福な記憶、コミュニティの記憶、社会と食、村祭りの食、おばあちゃんの味、きつねうどんなど、実に多様な幸せの形が集結されることになった。
<特集>
I コンフォートフードの源流をたずねる―イタリア
1.アブルッツォの羊飼いと伝統料理「サーニェ・エ・リコッタ」/グレゴリオ・ロートロ
2.季節を感じるフィレンツェ人の豊かな食/ファビオ・ピッキ
3.コラトゥーラ・ディ・アリーチと私の物語/ジュリオ・ジョルダーノ
4.共同パン窯で焼かれた「クルニエーラ」/パン窯運営団体代表
5.ヴァルキアヴェンナの「ヤギのバイオリン」/グイド・スカラメッリーニ
II 海外のコンフォートフード
1.母がつくる朝ごはん/ティーダ・タウング
2.祖国の歴史と食のノスタルジア/オルガ・シュトゥキナ
[トピック]スローフードで注目されるトナカイ遊牧民サーミの食/アネリ・ジョンソン
3.「慰め」とは何か~アメリカの「罪深き」コンフォートフード/加藤裕子
4.食と文化の交流点ドバイのコンフォートフード、ビリヤニ/御供理恵
5.韓国人にとってのコンフォートフード、心癒やされる味―テンヂャンチゲと西海の幸―/守屋亜記子
III 日本のコンフォートフード
1.コンフォートフード―次世代へつなげたいふるさとの味/今田節子
2-1.故郷・北九州のコンフォートフード/江頭宏昌
2-2.きつね、食べたことありますか?関西の定番、おつゆのうどん文化/熊谷真菜
2-3.黒と白の海と草原につながる食品/石井智美
3.クックパッドにみる「懐かしい食」/伊尾木将之
4.「ほっとする食」の科学的アプローチ/山崎英恵
特集まとめ 「おいしさ」の記憶/石田雅芳
<連載>
☆コーヒー・ハウスの文化論(第2回)「「ペニー大学」と呼ばれたコーヒー・ハウス」/太下義之
☆歌舞伎のレシピ(第1回)「義士を悩ます蛸の足」/堀越一寿
☆大食軒酩酊の食文化(第51回)「酩酊の昼食」/石毛直道
☆文献紹介 松島憲一著 『とうがらしの世界』/山本宗立
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【特集】日本の果物
特集アドバイザー/中澤弥子(長野県立大学健康発達学部教授)
カラフルな自然の色彩、ユニークな形、甘い香りや爽やかな香り、甘味や酸味、独特の食感など、果物は食卓に季節を伝え、寛ぎや元気を与え幸せな気分にしてくれる。
本特集では、日本の果物の実情を、「食べる場面」と「作る現場」の双方から捉えることを試みた。日本人と果物の関係や、海外と比べ日本の果物消費の現状はどうなのか、多様なニーズに応えるための研究開発や栽培の工夫など多くのご寄稿をいただいた。
近年、日本の果物は、その高い品質が海外で評価され、輸出が大きく伸びている。
店頭に並ぶ果物の種類や品種は豊富で、個食化や簡便化などに対応した品種改良により、果物はおいしく、食べやすく変化している。しかし、日本の果物消費量は世界に比べて極めて少ない。
本特集が、自然の恵みであり、関係者の努力の賜物である日本の果物の魅力を再発見し、味わうきっかけになればと思う。
<特集>
編集部インタビュー: フルーツでみんなをハッピーに/江森宏之
I 日本人は果物をどのように食べているか・食べてたきたか
1.日本の果物消費の現状/中澤弥子
[海外の果物事情1]毎日カジュアルに果物を楽しむオランダ/倉田直子
[海外の果物事情2]ビーガン流行で新しい可能性が広がるブラジルのフルーツ/藤井香織
2.日本人にとっての果物/塚谷裕一
3.万葉びとの橘―菓子の長上/上野誠
[トピックス]「くだもの学」から見たおいしい果物~カキ(柿)の話を中心に~/平智
[数字で見る日本人と果物]日本列島果物地図/編集部
[数字で見る日本人と果物]日本人はどんなふうに果物を食べているか/編集部
II 果物開発・生産最前線
1.わが国の果樹生産/中村ゆり
2.長野県の果樹新品種育成/笹脇彰徳
III 果物販売最前線・・・果物の海外輸出の今日的展開/濱島敦博
[トピックス]フランスにおける柚子の展開と今/伊藤文
IV 果物にまつわるサイエンス・・・果物の機能性とその利用/庄司俊彦
<連載>
☆コーヒーハウスの文化論(第1回)「「働く場」としてのコーヒー・ハウス」/大下義之
☆食情報の考現学(最終回)「食文化は豊かになっているか」/高田公理
☆大食軒酩酊の食文化(第50回)「トンカツ談義」/石毛直道
☆文献紹介 石毛直道著 『大食軒酩酊の食文化』/江原絢子
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表紙
目次
特集I和食って何?~江戸の物語にみる食・・・明日の味/高田郁
特集II世界の和食の今ー1.「アフリカの日本料理」をつくりだす―ウガンダ、『YAMASEN』の取り組み/宮下芙美子
特集IIー2.フランスにおける和食の浸透/伊藤文
特集IIー3.イタリアの若者たちはなぜ日本食が好きなのか/宇田川妙子
特集IIー4.ドイツ人なこんな和食を食べている!―火付け役は寿司、今は日本のラーメンがブレイク、将来はお弁当に期待?/町田文
特集IIー5.トルコの日本食~イスラムの食習慣とコスモポリタン的好奇心の狭間で~/井藤聖子
特集IIー6.日本好きのロシア人と日本食/小野敦子
特集IIー7.ウズベキスタンで寿司ブーム?/帯谷知可
特集トピック・・・食文化の真正さ―比較対象としての日本の韓国料理/太田心平
特集IIー8.中国での「日料」とはいったい何だろうか?/劉征宇
特集IIー9.タイの日本食文化/大澤由美
特集IIー10.アメリカ南部で日本食?/賀茂美則
特集IIー11.南米の美食王国ペルーで愛されるニッケイ料理/原田慶子
特集IIIプロの料理人に聞く。海外への和食の展開・・・日本料理の発展を通じて未来を考える/村田吉弘
特集IV行政のとりくみ・・・「食文化」を通じた魅力発信/農林水産省 食料産業局 海外市場開拓・食文化課 食文化室
特集まとめ・・・世界を旅する和食の今/高田公理
連載 遠くなった昭和の食卓(最終回)「オーガニック食材の行方」/阿古真理
連載 食情報の考現学(第5回)「『筋活』健康法のための食の工夫」/高田公理
連載 大食軒酩酊の食文化(第49回)「どんぶり考」/石毛直道
文献紹介 江原絢子・平田昌弘・和仁皓明=編著 『近代日本の乳食文化―その経緯と定着』/石毛直道
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【特集】「多文化」化する日本の外食
特集アドバイザー/太田心平(国立民族学博物館准教授)
日本の外食では、世界各地の料理を食べることができるようになった。専門店化した外国料理店が外食産業に占める割合も、年々大きくなっている。
日本にいながらにして各国本来のものが食べられるようになった一方、本場の真正な食べ方とかけ離れているため、現地の人が見たら驚くところもある。日本人の嗜好や、食べる順番などの日本文化に合わせた変化は、日本が外国の食を文化的に受け入れていないところがあることを示すのではないか。
日本ナイズされた食は、現地に跳ね返る力もある。円卓が中国に、日式焼肉が韓国に取り入れられたように、そのうち日本文化に取り入れられる外国の食文化もあるのだろうか。すんなり受け入れられている例、抵抗している例も含め、日本における外食の「多文化」化を見ていきたい。
<特集>
巻頭 どこの国の料理でしょう?
I 「多文化」化の展開
日本人の食生活をさらに多様化したエスニックフード/畑中三応子
エスニック関連本からみる食の「多文化」化/編集部
II 「多文化」化最前線―日本のエスニック料理店レポート
1 「あきんど」の街でペルーを味わう/サウセド・セガミ・ダニエル・ダンテ、丸岡真紀穂
2 インジェラの味はどんな味?<エチオピア>/村橋勲
3 日本におけるロシア料理店/サクマ シャルゲイ
4 日本のトルコ料理店―食文化の多様性を実感できる空間/ウヤル マキバヤシ アイスン
5 味の都の小さな秘宝<オランダ>/アレックス・デ=ヴート(太田心平訳)
6 おおらかな食空間 ネパール料理店/阿部未奈子
7 多角的展開をみせる都心のベトナム料理店/瀬戸 徐 映里奈
8 フィリピン料理は旨い!/熊野 建
9 中華料理は誰の中華料理
―南京町にみる観光客の好み、本場の味、そして経営者の采配/辺 静音
III 他国の状況
1 イギリスの外食シーンにおける「多文化」化をめぐるポリティクス/相島葉月
2 今日は何食べよう? 百花繚乱の中国外食最前線/川口幸大
[Topic]食とエスニシティ/安井大輔
<連載>
☆遠くなった昭和の食卓(第3回)「『きのう何食べた?』から見える食卓」/阿古真理
☆食情報の考現学(第4回)「糖尿病とそれへの対策の食情報」/高田公理
☆大食軒酩酊の食文化 (第48回)「天ざるソバの食べかた」/石毛直道
☆食でひもとく浮世絵の楽しみ(最終回)/林 綾野
☆文献紹介 岩間一弘編著 『中国料理と近現代日本―食と嗜好の文化交流史』/野林厚志
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表紙
目次
特集I日本の「包む」文化-1.「包む」文化があらわす日本の心 (インタビュー)ロバート キャンベル
特集I-2.包まれた食べ物の歴史―古代日本を中心として/小倉慈司
特集I-3.現代の「包む」に挑む (インタビュー)緒方慎一郎
特集II包んでつくる、食べる-1.日本料理を包む/高橋拓児
特集II-2.パテから見たフランス料理の「包む」/山内秀文
特集II-3.中国の餃子/于亜
特集II-4.米を包む/阿良田麻里子
特集II-5.包まれた食べ物の話―グレートジャーニー編/関野吉晴
特集III「包む」と食の進化-1.包装技術の発展と食生活の変容/住本充弘
特集III-2.野菜を包む/石川豊
特集III-3.社会変化に対応するコンビニ食の「包む力」/吉岡秀子
多葉体論―食の重層的媒体(メディア)と「包む」美学
連載 遠くなった昭和の食卓(第2回)「流行のレシピ」/阿古真理
連載 食情報の考現学(第3回)「「気がかりの人類史」から高血圧対策の食情報へ」/高田公理
連載 大食軒酩酊の食文化 (第47回)「もう一皿」/石毛直道
連載 食の時代考証(第3回)「食の明治維新」/青木直己
連載 食でひもとく浮世絵の楽しみ(第7回)/林 綾野
文献紹介 アナ・チン著 赤嶺淳訳『マツタケ―不確定な時代を生きる術』/山田仁史
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【特集】調味料でめぐる各国の食
特集アドバイザー/立石博高(東京外国語大学名誉教授(前学長))
調味料を英語ではシーズニング、フランス語ではアセゾヌマンという。
シーズン、セゾンから派生した言葉だ。料理の主材料ではないが、
素材を引き立たせるために、味や香り、そして風味を加えるものが
調味料だと定義される。自然は世界各地で大きく異なっており、
四季折々の自然の恵みを生かすための調味料も地域によってさまざまだ。
本特集では、日本では比較的に馴染みのうすい国・地域を選んで、
それぞれの地域文化研究の専門家に国・地域の特徴的な調味料の
使われ方を紹介してもらった。グローバル化の進む今日、各地の食材や
調味料も手に入りやすくなった。各地の食文化に触れ、世界の多様性を
知る楽しみを味わってもらいたい。
<特集>
巻頭: 調味料でめぐる各国の食
1.スペインの伝統的調味料ピメントン/立石博高
2.中央ヨーロッパの食卓、チェコの食卓/篠原琢
3.カメルーンの味を訪ねて/坂井真紀子
4.エジプトの香り、クミンの香り/八木久美子
5.トルコ地域のける調味料と食/林佳世子
6.中央アジアの食文化と調味料/島田志津夫
[Column]ロシアの万能ソース/沼野恭子
7.調味料から見るミャンマーの料理―魚醤と油/土佐桂子
8.ベトナム料理の多彩な調味料/野平宗弘
9.インドネシア・バリ島のヒンドゥー教徒の日常と儀礼における食の風景/小池まり子
10.サルサの材料からひもとくメキシコ料理アラカルト/内山直子
11.キューバの調味料/久野量一
[Column]ブラジルの味の多様性/武田千香
[Topic]近代化・グローバル化による食と味の変容/大澤由美
調味料でめぐる各国の食 まとめ/立石博高
<連載>
☆遠くなった昭和の食卓」(第1回)「和菓子/阿古真理
☆食情報の考現学(第2回)「「共食」という習俗の現在」/高田 公理
☆大食軒酩酊の食文化 (第46回)「菊花酒」/石毛直道
☆食の時代考証(第2回)「菓子と時代考証」/青木直己
☆食でひもとく浮世絵の楽しみ(第6回)/林 綾野
☆文献紹介 井坂理穂・山根聡編『食から描くインド―近現代の社会変容とアイデンティティ』
/森枝卓士
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表紙
目次
特集 刺激的な味―日本の辛い食べもの
連載 幻の大衆魚:ニシンは山を越え、海を渡る
連載 大食軒酩酊の食文化
連載 食情報の考現学
特集 食の時代考証
連載 食でひもとく浮世絵の楽しみ
文献紹介※各種権利等により、デジタル版には写真が非表示または記事そのものが収録されていない場合がございますのでご了承願います。 -
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