らくがきさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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ダブル・ジョーカー
柳広司 / 角川文庫
前作を堪能された方は是非!
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ジョーカー・ゲームシリーズ2作目。
本作も前作同様クールで面白いです。
前作が気に入った方は当然読んでると思うので、紹介は不要なのかもしれませんが。
自分としては4話目の「柩」がお奨めです。今わ…の際にあっても、自身のなすべきことすべてを冷静に判断し、しかも笑顔で旅立っていくスパイの孤独と矜持。このシリーズが描こうとするスパイの極致ではないでしょうか? 続きを読む投稿日:2017.08.07
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ジョーカー・ゲーム
柳広司 / 角川文庫
文句なしに面白いです。
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実は、先にアニメの方を観てしまっていました(^^;
ですが、この作品は知っていたし、アニメもクールでかっこよかったので購入しました。
自分の経験上、映像化されたものが面白かった場合、原作はほぼ確実…にさらに面白いので、読まないという選択はありませんでした。
日本陸軍の極秘スパイ組織の文字通り「暗躍」を描く傑作です。
スパイと言えばやはり007のジェームズ・ボンドですが、自分が元々抱いているスパイ像からすると、ジェームズ・ボンドはちょっと派手に立ち回り過ぎると感じていました。
しかし、この作品の根幹をなす、「正体のばれたスパイには存在価値はない」「スパイの本質は目立たないこと」というコンセプトには大いに共感できるところです。
目立たないところでクールに仕事をきっちりこなす、「職人」みたいな主人公の活躍を好まれる方にはかなりお奨めです。 続きを読む投稿日:2017.08.07
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天使は奇跡を希う
七月隆文 / 文春文庫
設定の斬新さに驚かされます
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タイトルが面白そうだったので読んでみました。
最初は、単なるファンタジーがらみの天使と男子高校生の恋愛ライトノベルかなぁ?と思っていましたが、途中で話の設定が明らかになると、「そうだったのか!」って…かなり驚かされました。
友情や大切な人を想う気持ちが作品全体を通して伝わってくる、温かくて泣ける作品です。
一つの願いのために文字通り全てを捧げる勇気の素晴らしさが描かれています。そういった作品をお探しの方にはお奨めです。
今治や瀬戸内の魅力がふんだんにちりばめられているのもお奨めポイントの一つです。 続きを読む投稿日:2017.07.14
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三日間の幸福
三秋縋 / メディアワークス文庫
自分の価値(っていうか値段)?
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三秋先生の作品2つ目。
この原作がWEBで話題だったことを知らずに読みました。
生きる希望を失った主人公が、3か月だけ残してたった30万円で売り払った人生。その顛末を見守る「監視員」ミヤギ。
二…人の交流を通じて、生きている価値という言葉の意味を考えさせられる作品です。ただ生きているだけの人生でいいのか?残り時間が決められてしまった時、どのように生きていくべきなのか…。
三秋先生の構成力がいかんなく発揮されていると思います。読み始めてしばらくあまりにもおチープな展開を想像していた自分のことを、ただただ恥ずかしく感じるばかりです。
そして、原題を改題した「三日間の幸福」というタイトルにぴったりの結末。感動します。この部分だけさえ素晴らしい作品です。文句なしにお勧めです。
気になる点をあえて挙げるなら、「ヒメノ」はあの後どうなったのか?ってところでしょうか? 続きを読む投稿日:2017.07.12
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自殺するには向かない季節
海老名龍人, 椎名優 / 講談社ラノベ文庫
タイムスリップものですが
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読み終わってみて、どこかに消化不良感というか、「なんで?」っていう疑問が残る作品でしたが、よくあるタイムスリップものよりプロットは凝っていて、面白いつくりだと思います。
タイムスリップを決意する理由…、その方法と限界の特殊性など、それらの要因を何とかして乗り越えようとする主人公の姿には好感が持てます。
消化不良感の原因は、いくつかの事象にちゃんとした説明というか理由付けが描かれていないことですが、その部分は枝葉末節だという作者のわりきりかもしれません。
歴史(というほど大それたものではないですが)改変のためにタイムスリップする作品を好まれる方にはお奨めです。 続きを読む投稿日:2017.07.06
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君が電話をかけていた場所
三秋縋 / メディアワークス文庫
人魚伝説と不可思議な賭け。
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タイトルは違いますが、2部作の前半です。
人魚伝説が残る街にいる高校生と、彼が巻き込まれた不可思議な賭けの話です。
主人公は顔に大きな醜い痣があり、コンプレックスからすさんだ少年時代を送ってきまし…た。でも、かつては、その痣を気にしないどころか魅力とさえとらえて親しくしてくれる同級生の少女がいました。今は離れ離れになってしまいましたが。
通りがかった公衆電話にかかってきた電話に出たことにより、主人公は不可思議な賭けに乗ることになり、痣が消滅し、少女と再会します。
第一印象を大きく左右する「見た目」ですが、容姿が整っているからと言って、自身が望むような幸福を得られるわけではないという事実を深く考えされられる作品です。
何気ない日常に、ちょっとした非日常が紛れ込んだ話を好まれる読者にはお奨めです。
2部の方で人魚伝説の謎が明らかとなり、感動的なラストシーンを読みことができます。2冊まとめて読破しましょう。 続きを読む投稿日:2017.06.30