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大正の后
植松三十里 / PHP文芸文庫
久々に一気読み
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いや面白かったわ!
大正天皇のことも、もちろんそのお妃のこともなーんにも知らなかった。
宮妃や華族の自伝評伝が「○○の昭和史」って形で昭和末期に流行ってあれこれ読んだし、明治は明治で面白くて好きだ…けど、正直大正って興味なかった。
大正についての本をもっと色々読んでみたいと思った。
ここに登場するのは、なりたくてなったわけじゃないけれど、その立場になってしまったからには自らの義務に対して最善を尽くす人ばかり。皇室への尊敬が増した。 続きを読む投稿日:2019.11.15
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もっと!「育ちがいい人」だけが知っていること
諏内えみ / ダイヤモンド社
ハンカチ貸すか?借りるか?
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ハンカチは2枚持つ。人に貸すこともあるから湿ったのは具合が悪いでしょう。
30年前に読んだマナー本は3枚で、1枚は手拭き、2枚目は膝に広げたり人に貸す、3枚目は電車などで異臭がした時鼻を覆ったり、目…元をぬぐったり、顔で使う用、とあった。発行年を見ると本書は2021年9月末、既にコロナ禍2年目も終わろうかと言うときに、ハンカチを人に貸す前提の話はどうなんだと思った。
一方で、マスクをしていない人にマスクをしてほしい場合、などというのもあるのだから、わかっていないわけではなさそうだし。
コロナ禍があと1、2年で終わって、あの頃はヒステリックなまでに衛生に気を付けたよねと笑い話になるなら、30年前とほぼ変わっていない、多分いつの世にも通用するマナーの1つかもしれないが、むしろ新しい習慣が根付いて、ハンカチの貸し借りなど、靴下を借りるくらい気持ち悪いことだ、となるんじゃないかと言う気がする。
なんかずれとるなあ、と言う気がして仕方ない。 続きを読む投稿日:2022.04.03
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薔薇十字叢書 縊鬼の囀
愁堂れな, 遠田志帆, 京極夏彦 / 富士見L文庫
あれはあれ、これはこれとして
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ヒロポンが違法どころかこの時代にはふつーに薬局で買える代物だったという結構致命的な時代考証ミス…なくても物語成立するだけに気色悪い。気づけよ、編集。
酒を一滴も飲まない中禅寺の家に、ビールが常備…してあるなんておかしいだろ、この人ほんとにファンか?更に言うと冷蔵庫が普及したのは1960年代(昭和35年)頃、それまではあっても氷の塊を入れた氷室式の箱。千鶴子さんが氷かついで坂道を…ないだろ?生鮮食料品は毎日使う分だけ買いに行くのが当たり前の時代だなんて、この人考えてみたこともないんだろうな。昭和生活史社会史の勉強、って言うと大変だけど、該当の時期のサザエさん読んだらいいかも。
やれやれやっと本題…物語そのものは楽しめました。
中禅寺に恋文、おお青春小説、いや少女漫画、と思いきや死人は出るわあろうことか中善寺行方不明になるわ、…やっぱり事件でした。狂ったように探し回る榎木津先輩、中禅寺とは「友達」なんだよな、と繰り返し自問自答する関口くんが愛しい。なんせ大人になった中禅寺君は断固「知人」と言い張りますからね。
それにしても3人ともまとも過ぎるほどまとも。百鬼夜行シリーズのイメージで見たらもはや「こんなの榎木津/中禅寺じゃない」レベルに違和感があるけど、これは子供の頃の話だし、間に戦争もあって何も変わらないようじゃしょうがない。もしなんなら、あれとこれは切り離して、単なる軽い青春小説と思って読んだ方がいいかも。 続きを読む投稿日:2017.11.17
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最小限主義。 ~「大きい」から「小さい」へ モノを捨て、はじまる“ミニマリズム”の暮らし~
沼畑直樹 / ワニの本
清貧、枯淡、静謐
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これはハウツー物でもなく体験録でもなく、エッセイです。
好きなもの(さえ!)を身の回りに置か「ない」
手放せないものは夕焼け
譲れないのは採光
傑作だったのは「埃のミニマム可」。雑巾がけをして…雑巾が真っ黒になりうんざりするけれど、毎日やっていれば雑巾は白いままじゃないか!、と…(*≧∀≦*)
もちろん著者ははモノを持っていて、それは私には必要なく、捨てる以前に持っていないようなものもあるわけですが、意識の上でここまで削ぎ落とされるとどんなに清々しく穏やかでいられるかということが淡々と綴られています。
キーワードは清貧、枯淡、静謐。
ミニマリズムは生きている限りずっと進行するので、その都度その段階ごとに、身の回りからモノを取り去って、外へ出て美しい世界にひたる幸せを感じたいと思います。
続きを読む投稿日:2017.07.01
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楽老抄 2 あめんぼに夕立
田辺聖子 / 集英社文庫
大阪人には大事なことやしらんけど
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お酒を飲みながら気のおけない友達とお喋り。
日本語、とか漢字がテーマのは理解同意共感できるんだけど、タイガースネタ、タイガースに大阪人がどう熱狂しているかネタには、そもそも野球に興味ないからタイガース…、って見た瞬間に白けてしまう。で、また多いんだそれ… 続きを読む投稿日:2017.03.26
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五木寛之自選文庫〈小説シリーズ〉 雨の日には車をみがいて
五木寛之 / 角川文庫
車に興味はないけれど
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私は車には全く興味がありません。マイナンバーカード入手で身分証としても必要なくなった免許証も先日失効させ、切り刻んで捨てました。
作品の中に、車は道具、という台詞が出てきます。私はそれにとても共感し…ますし、きちんと走りさえすれば車種も色も形も、本当にどうでもよく、区別もつきません。
ですから、各章の一節の大部分がその車がいかなるものかを熱烈に語る、そこのところは読んでも知らない単語だらけで意味をなさないので全部飛ばします。
それでも、面白いのですこの本は。入手のいきさつやその車に絡んだ人との関わりは、ほんとは肝心であろう車の魅力を無視してもわくわくしたり胸が痛んだり、さすが五木寛之。
私が一番好きなのはBMWのお話、先の「車は道具」はこれに出てきます。車に全く興味がなくてもたっぷり楽しめますから、車が好きなら倍楽しいと思います。
続きを読む投稿日:2016.10.04