レビューネーム未設定さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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さきちゃんたちの夜
よしもとばなな / 幻冬舎
あー、これ私だわ
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働いて生活してという地味でまっとうな設定でありながら、実は家賃だ光熱費だ社会保障費だということを本当には心配しなくてもいい身分で、さらに言えばニューエイジっぽくちょっと地面から浮いてるような、輪郭がぼ…やけてるようなぼうっとした登場人物が多いこの人の作品には珍しく、あーこれ私だわ、と共鳴する部分が多く、面白く読めた。 続きを読む
投稿日:2016.07.05
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ハゴロモ
よしもとばなな / 幻冬舎
帰るところ
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生意気盛りの思春期の私は特に嫌な思いをしたわけでもないくせに田舎が嫌で、進学を期に上京、そのまま就職した。地方出身の友人たちが家を恋しがり、めそめそと母親に電話するというメンタリティは、電話なんかしよ…うものなら「何事?」とびっくりされるようなドライな親に育てられた私には理解不能だった。
それでもくたびれ果てた時に「帰って来なよ」、と言ってくれる人がいる。悠久の昔からそこにいた山も川も変わるわけもなくそこいる。帰るところがある、というのはきっと無意識なうちにも支えであったに違いないと思うのだ。
私がどんな人間であっても、故郷の山や川から見れば子供が駄々をこねたりすねたりしてるようなものだろう。そんな暖かい眼差しを感じる作品だった。
続きを読む投稿日:2016.07.03
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手ぶらで生きる。見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法
ミニマリストしぶ / サンクチュアリ出版
ここまでの道は遠けれど
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断捨離、お片付け、ミニマリスト
こういう本、大好き❤
でもさすがに寝具を処分して床に寝るのは…
いや、腰にいいのは知ってるし、戦前からある西式という健康法にもあるけどさ
…寒いよ(((・…・;)
ルンバは要らないな~
私、お掃除好きだしやってて楽しい
遊んでるのと一緒だもん(〃^ー^〃)
洗濯乾燥機も要らないな~
洗濯物「干す」のは苦にならないもの
めんどくさい取り込み畳み、は乾燥機も同じだよね(´・ω`・)?
欲しいもの我慢してもやもやするくらいなら買っちまえ
スマホ捨てようかって悩む人はあんまりいない、それは要るものだから
悩む時点でそれは「要らない」もの
色々共感できるなあ( ゚ー゚)
でね、最近思うんだけど、ミニマリストの本は男の作者の方がキレがよくて爽快(*゚∀゚)=3 続きを読む投稿日:2019.02.12
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薔薇十字叢書 縊鬼の囀
愁堂れな, 遠田志帆, 京極夏彦 / 富士見L文庫
あれはあれ、これはこれとして
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ヒロポンが違法どころかこの時代にはふつーに薬局で買える代物だったという結構致命的な時代考証ミス…なくても物語成立するだけに気色悪い。気づけよ、編集。
酒を一滴も飲まない中禅寺の家に、ビールが常備…してあるなんておかしいだろ、この人ほんとにファンか?更に言うと冷蔵庫が普及したのは1960年代(昭和35年)頃、それまではあっても氷の塊を入れた氷室式の箱。千鶴子さんが氷かついで坂道を…ないだろ?生鮮食料品は毎日使う分だけ買いに行くのが当たり前の時代だなんて、この人考えてみたこともないんだろうな。昭和生活史社会史の勉強、って言うと大変だけど、該当の時期のサザエさん読んだらいいかも。
やれやれやっと本題…物語そのものは楽しめました。
中禅寺に恋文、おお青春小説、いや少女漫画、と思いきや死人は出るわあろうことか中善寺行方不明になるわ、…やっぱり事件でした。狂ったように探し回る榎木津先輩、中禅寺とは「友達」なんだよな、と繰り返し自問自答する関口くんが愛しい。なんせ大人になった中禅寺君は断固「知人」と言い張りますからね。
それにしても3人ともまとも過ぎるほどまとも。百鬼夜行シリーズのイメージで見たらもはや「こんなの榎木津/中禅寺じゃない」レベルに違和感があるけど、これは子供の頃の話だし、間に戦争もあって何も変わらないようじゃしょうがない。もしなんなら、あれとこれは切り離して、単なる軽い青春小説と思って読んだ方がいいかも。 続きを読む投稿日:2017.11.17
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楽老抄 2 あめんぼに夕立
田辺聖子 / 集英社文庫
大阪人には大事なことやしらんけど
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お酒を飲みながら気のおけない友達とお喋り。
日本語、とか漢字がテーマのは理解同意共感できるんだけど、タイガースネタ、タイガースに大阪人がどう熱狂しているかネタには、そもそも野球に興味ないからタイガース…、って見た瞬間に白けてしまう。で、また多いんだそれ… 続きを読む投稿日:2017.03.26
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五木寛之自選文庫〈小説シリーズ〉 雨の日には車をみがいて
五木寛之 / 角川文庫
車に興味はないけれど
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私は車には全く興味がありません。マイナンバーカード入手で身分証としても必要なくなった免許証も先日失効させ、切り刻んで捨てました。
作品の中に、車は道具、という台詞が出てきます。私はそれにとても共感し…ますし、きちんと走りさえすれば車種も色も形も、本当にどうでもよく、区別もつきません。
ですから、各章の一節の大部分がその車がいかなるものかを熱烈に語る、そこのところは読んでも知らない単語だらけで意味をなさないので全部飛ばします。
それでも、面白いのですこの本は。入手のいきさつやその車に絡んだ人との関わりは、ほんとは肝心であろう車の魅力を無視してもわくわくしたり胸が痛んだり、さすが五木寛之。
私が一番好きなのはBMWのお話、先の「車は道具」はこれに出てきます。車に全く興味がなくてもたっぷり楽しめますから、車が好きなら倍楽しいと思います。
続きを読む投稿日:2016.10.04