八六丸さんのレビュー
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54
このユーザーのレビュー
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六畳間の侵略者!?17
健速, ポコ / HJ文庫
二年目の夏休み!全編日常パート巻
2
いやぁ、アニメ終わりましたね。
アニメから入って一気に原作を読み進めた方もいらっしゃると思います。
私はアニメ化のちょっと前ぐらいからの読者ですが、
読んでいる時に頭の中で流れる登場人物の声が完全にア…ニメの声になりました。
この巻は限定版でドラマCD付きの実体本も出ていますが、
ずっとこちらで買っているので電子書籍版で買いました。
moraと組んで限定版の音源とセットの電子書籍とか無理なんでしょうかね?
まぁ無理なんでしょうけども。
さて、ルースさんが表紙ですがルースさん回というわけではなく
全部が日常パートの全員回という感じでした。
ここ何巻かはバトルの分量が増えていて
相対的に日常パートが減っていましたが、
その何巻か分を一気に補充した感があります。
今巻は前述のようにバトルは全く無いのですが、
笑いを主体に狙ってきているシーンも少なめで、
ラブコメ回というよりラブ回という印象でしょうか。
穏やかな日常パートが好きな読者は満足できると思います。
ストーリーも大きくは動きませんが主人公たちが
これまで積み重ねてきた成長の形や人間関係の変化を再確認し
その上で登場人物たちがそれぞれに考えている「自分たちのこれから」と
それに向けてのじわりとした変化を書こうとしているように感じました。
あと、いつものように伏線らしきものもところどころに差し込まれていますね。
バトルパートが好きな人には物足りないかもしれませんが
いつもお馴染みの次巻予告パートは激しいバトルを予感させるものです。
次巻以降に期待しましょう。
というわけで、じんわりと楽しめる巻でした。 続きを読む投稿日:2014.09.30
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六畳間の侵略者!?13
健速, ポコ / HJ文庫
作者の得手不得手の両方がよく出てた巻
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宇宙人組回ですね。
既存キャラの再登場やこれまで会話の中の名前だけだった人物の初登場
いくつかの謎や伏線の回収などなど六畳間らしい展開です。
主人公やヒロイン達とのやりとり内心の描写はいい意味でラノベ…してます。
ココらへんは作者の得手部分といえいつも通りに、あるいはそれ以上に堪能できます。
ですが、不得手な部分も出てしまっているように感じました。
多少批判的になりますし、ネタバレ描写は避けますが展開にも触れるので数行空けて書きます。
今回は集団戦や政争話が出てきます。どうにもこれが…。
大きな絵図を描こうとするほどに、どうにも悪い意味でラノベ的になってしまうようです。
個人対個人の戦闘の殺陣を工夫し書くことは得意な作家さんでシリーズの魅力だと思いますが
戦闘参加人数が増えれば増えるほどにイマイチになってしまうようで、
これまでもそういう傾向がありましたがこの巻の集団戦ではそれがより強く出てしまっています。
タイマンと比べ作者が得意な戦闘中ひとりひとりの内心描写に手が回らないのもあり、
集団戦になるとモブ戦闘員は魅力的に動かしきれないのかもしれません。
また、これまでの中ボスとのバトル展開では理由付けなしに敵を謎能力制限しての
戦闘進行はあまりないのですが集団戦になると少し出てきてしまっているようです。
特に「ついに現れた恐ろしい集団としての敵」や「主人公側の意外な力に蹴散らされるだけの敵」
であるときはまだいいのですが主人公側に押され気味になった敵がさらに反撃に出てからが
主人公側に「犠牲者を出さないギリギリ」で追い詰め主人公側再逆転までの「間をもたせる」ため
敵の振る舞いがとどめの直前で中途半端になり魅力が落ちてしまっている感じがします。
「身内を守り切る主人公」であり「積極的には殺さない主人公」であることが
作劇の難易度をより上げてもいるのでしょうが。
一方で政争がらみが薄く感じるのは魅力的かつ有能な政治家を敵として描写した上で
主人公側を更に上回らせることが困難なのでしょう。
戦闘とは違い政治の話は終わっていませんから後の巻で納得の展開が?とも思いましたが
どうも16巻まで読んでいる現段階の感触としては善玉の主人公側・悪玉の敵側以上に
政治や個別の政策、思想や主義に深く踏み込むつもりは作者には無いように感じます。
伏線っぽいものも有りますからいい意味で更に裏切ってくれることを期待していますがね。
散々書いてきましたが、幾つもの伏線が回収され色々と大きく話が動くこの巻。
主人公やヒロイン達の会話や心の動き、成長、関係の変化…etcがとても魅力的なこのシリーズ。
ここまでついてきた読者なら読まないという選択はありえませんよ! 続きを読む投稿日:2014.08.29
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[映]アムリタ
野崎まど / メディアワークス文庫
野崎まどの原点 まずはこの一冊から 対象年齢をちょい上げたラノベという感じ
4
この後に続く作品と比べると荒削りな感じがしますがそれもまた味でしょう。
メディアワークス文庫での野崎まど作品は元々の刊行順に読まれることをお薦めします。
Reader™ Store発売日ではなく、あく…まで元の実体本での刊行順ね!
内容についてはなにを言ってもネタバレになりそうなので触れませんがとにかくお勧めです! 続きを読む投稿日:2014.08.28
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2
野崎まど / メディアワークス文庫
この作品は大好きだけど…Reader™ Storeなにやってんだ…
5
本の面白さには太鼓判を押します。が、本当にReader™ Storeなにやってんだってレベル。
続きはは微ネタバレかもなので行数開けて書きます。
本の内容がおかしいというわけではありません。…
以前読んだことがあって買い直しとかであれば全く問題ありません。
また、『2』自体は読んでなかったけど以下の作品は全て既読という方も同様です。
が、野崎まど氏が『2』の前にメディアワークス文庫で出した以下の作品が未読という方には
入荷順ではなく元々の出版順に全部読んでから『2』を読まれることを「強く」お薦めします。
[映] アムリタ (2009年12月) [ISBN 978-4048682695]
舞面真面とお面の女 (2010年4月) [ISBN 978-4048685818]
死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~ (2010年10月) [ISBN 978-4048700566]
小説家のつくり方 (2011年3月) [ISBN 978-4048704731]
パーフェクトフレンド (2011年8月) [ISBN 978-4048708685]
Reader™ Storeにはこれらを早く入荷したうえでソートかけた時に刊行順通り、
『2』の入荷順がこれらのあとに来るようになんとかしてほしい。
単に残りの作品を後から入荷するだけでは入荷順で買って読む人とか不幸なことに…。
ホントなんで『2』だけ先に入荷したし…。
2014.8.29追記
残り入荷されましたね…そして案の定の並び順
新着順の逆で読む癖がついてる人は気をつけてくださいね 続きを読む投稿日:2014.08.26
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俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる
裕時悠示, るろお / GA文庫
ラブコメ(ハーレム)系ラノベのラブコメ要素のみを意図的に抽出した作品
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かなりいまさらながらに読みました。
ラノベを読むこと自体かなり久しぶりですが、多く読んでいた時も異能バトル系や伝奇ものが中心で
完全なハーレムものはなんとなく苦手意識があってあまり読んでいませんでした…。
この作品は0から王道ラブコメテンプレを組み合わせていって作ったというよりも、
昔の一般的なラブコメ(ハーレム)系ラノベからファンタジーやSF、ミステリーといった
ラブコメ(ハーレム)部分以外を意図的して丁寧に削ぎ落していって作られたように思えました。
それまで、ラブコメ(ハーレム)系ラノベと言われてもファンタジーやSF、ミステリーの
ギミックを排除しきることには踏み切れていなかったと思います。
ラブコメ(ハーレム)系ラノベの中には巻を重ねるごとにギミックが持て余され空気になり、
結果的に実質ラブコメ(ハーレム)要素のみになってなお成立している作品は割とあります。
(で、最終巻付近で思い出したように取り上げられてgdgd展開とかも…)
ならば、ラブコメ(ハーレム)系ラノベにもはやギミックは不要で
最初からラブコメだけで成り立つのではないか?
という実験的意図を読んでいる時に感じました。
考え過ぎかもしれませんが、あとがきを読むとそれほど的外れでも無いように思えます。
とまぁ、なんだかんだ書きましたが
「いやぁ、ラブコメって本当(ほんっとう)にいいもんですね〜」 続きを読む投稿日:2014.06.28
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実は私は(1)
増田英二 / 週刊少年チャンピオン
「これこれ、こういうのでいいんだよ」という王道のベタさ
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初レビューにて乱文失礼いたします。
安心して読み進むことができるベタ(褒めてます)なラブコメです。クセはあっても嫌味がなくて2828しながら見守り続けられる登場人物ばかりです。
「吸血鬼」「幼なじみ」…などキャラクターの属性だけを取り上げればどこかで見たことがある感じがしますし、キャラクターの多くは比較的テンプレートに沿ったキャラ付けですが、それが逆にいい!安心して読み進めることが出来ます。オチもありきたりとか分かってしまうとかいうわけではなくて、読者に期待をさせて、その期待に沿った範囲に収めてくれる安心感というのでしょうか。これは、各キャラのバックボーンにあるテンプレートがはっきりしていればこその効果であるとも言えるでしょう。テンプレートに沿わせたと見せて裏切ってくるような心をガリガリに引っ掻いてくれる刺激的な作品も好きですが、疲れた時にはこの作品のように安心して楽しめるラブコメは本当によいものです。この作品に関しては連載が進みテンプレート裏切り系では無いと確信できてからの方が個人的には安心できてより楽しめていると思います。
また、ギャグとラブコメの配分も2828見守っていられる絶妙さです。絵もキャラクターの切ない表情と色々なギャグ顔どちらも素敵です。
王道でベタなラブコメ!おすすめです! 続きを読む投稿日:2014.02.04