らくがきさんのレビュー
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親友の彼女を好きになった向井弘凪の、罪と罰。
野村美月, 河下水希 / ダッシュエックス文庫DIGITAL
ラストで明かされる真実に驚愕します
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野村美月先生初のダッシュエックス文庫です。
「文学少女」や「ヒカル」とはだいぶイメージの異なる作品です。筆力のある方なのでレーベルに応じて作風を使い分けてるのかな?って感じるほどです。
すべてを備…えて明らかにモテ要素しかないイケメン親友を持つ、どうもパッとしないけどいわゆる「いい人」である主人公の視点で話が進みます。
二人の間に横たわる、中学生時代のあるトラウマ。そのためにずっと彼女を作らなかった親友に、ついにできた彼女。間違いなく喜ばしいことだったはずなのに、その子が自分が好きになった子だったという事実が主人公を苦しめます。
過去の過ちを繰り返すまいと誓うものの、捨て去ることのできない恋慕の情に苦悩する主人公。
ここまではありがちな青春の悩みのように見えますが、クライマックスで明かされる、過去および現在の親友の複雑な心情の告白に、たとえようもない衝撃を受けました。
野村先生の他の作品とはかなり雰囲気が異なるので好みが分かれるところですが、抑えようと思っても抑えきれない恋心のジリジリ感、みたいなものを好まれる方にはお奨めです。ハッピーエンドで終わるのもポイント高いです。
それと、自分的には途中でいろいろブッコまれるSF小説ネタがツボです(^^) 続きを読む投稿日:2017.08.31
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湯けむり温泉郷まほろばの非日常2 ~おんせん部活動日和~
水樹尋, りいちゅ / 講談社ラノベ文庫
おんせん部に危機迫る!
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「非日常」過ぎる真秀(まほろば)村のおんせん部活動の第2巻です。
新たなヒロイン(?)(ドジっ娘です)が登場しますが、これを契機におんせん部に、っていうか分校そのものが存亡の危機にさらされます。
…その危機を村全体の力で克服していく姿を読むと、お色気満載のライトノベルなのですが、「郷土愛」というものが存分に描かれていて感動します。
1巻を少しでも面白いと思った方は絶対に読むべきです。この2巻の方が間違いなく面白くてお奨めです。 続きを読む投稿日:2017.08.31
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湯けむり温泉郷まほろばの非日常 ~おんせん部活動日和~
水樹尋, りいちゅ / 講談社ラノベ文庫
「おんせん部」、うらやますぃ・・・
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タイトルから何となく想像できましたが、ハーレム要素あり、お色気あり、ラッキースケベ満載など、温泉好き(の健全男性)なら夢のような天国のような状況。「非日常」過ぎて、うらやますぃにもほどがあります(^^…;
ヒロインたちのキャラクターはそれなりに個性があって、それぞれいろいろな絡みが楽しめる作品ですが、オープニングからしばらく読み進めるとその後の展開がある程度予想できてしまうのがちょっと残念です。 続きを読む投稿日:2017.08.31
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ざるそば(かわいい)
つちせ八十八, 憂姫はぐれ / MF文庫J
まちがいなく、ざるそばはかわいい!
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まず、はっきり言って設定がむちゃくちゃです。これまで結構設定に無理があるラノベを読んできましたが、ここまでぶっ飛んだのはなかなかないと思います。
ですが、話は出だしから超面白いです。ざるそば(←リア…ル食品の方です)と高校野球に対する作者の愛情をひしひしと感じます。特に、第一章の高校野球中継をBGMにしたざるそば(←キャラの方です)とのやり取りがツボにはまります。
後半は少々間延びしてしまうのがちょっと残念なところですが、他のキャラクター達も個性的で、ぶっ飛び設定ラノベと割りきって楽しめる方にはお奨めです。 続きを読む投稿日:2017.08.28
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今日から僕は!
鈴木大輔, 中田貴大 / MF文庫J
「リア充」への道は険しい
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「おにあい」や「鳩子さんとラブコメ」、「文句のつけようがないラブコメ」などで知られる鈴木大輔先生の作品です。
これまで勉強一筋だった主人公が、高校(途中)デビューを目論んでイメチェンするも、いろいろ…な問題が発生、それらの苦難を乗り越えて「リア充」へステップアップする話、のはずです。
まぁ、「リア充」といっても、主人公の思い描く「リア充」はただの「モテまくり」「ヤリまくり」でしかないのですが。薄っぺらいですね・・・
勘違いから同居人になってしまったヒロイン(かな?)との関係がこれから気になるところですが、まだ1巻ですし、ラストを読んだらそもそもヒロインなのかどうか分からなくなってきました。
ただ、刊行からもう3年も経ってます。この作品面白くなりそうなので、早く次が出ないかなぁ・・・
どうでもいいことかもしれませんが、麻耶子さんが「河合荘」の麻弓さんとかぶるのは私だけでしょうか?
それと、「GTO」には笑えました(^^; 続きを読む投稿日:2017.08.27
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生徒会の火種 碧陽学園生徒会黙示録3
葵せきな, 狗神煌 / 富士見ファンタジア文庫
本作も笑えます
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「日常」シリーズ3作目。
今回は6話構成ですが、あいかわらずどれもが笑えます。
特に、4話目の修学旅行のパートはかなりのページ数があるにも関わらず、出だしからぶっ飛ばし、中だるみすることなく次々と…ネタがつぎ込まれるよ!と思ったら、後半からは現役アイドルとの爆笑だけどなんかほんわりする内容で締めくくられるという、秀逸な構成展開で感服します。
個人的にはその次の、現行生徒会の仕組みの始まりを描いた「始まる生徒会」がお気に入りです。登場人物たちのトークのテンポの良さが心地よく、でもとっても笑える内容なのが自分的にツボで、作品タイトルの「火種」って言葉が出てくるのも気に入ってます。
3作目まで読んできた印象では、「一存」よりもこの「日常」シリーズのほうが全体的にテンポがいいように感じます。生徒会室という場所の制約を受けていないこともあるかもしれませんが、せきな先生の筆力がいっそうパワーアップしているのが一番の理由じゃないかと思われます。
「一存」シリーズ読者は必読!そうじゃない方は「一存」シリーズとともに「日常」シリーズを大人買いすべきです(^^) 続きを読む投稿日:2017.08.25