hirokiさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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ツカむ!話術
パトリック・ハーラン / 角川oneテーマ21
話術の磨き方が判る良書
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相手とのコモンプレイスを見つけてエトス(人徳)>パトス(感情)>ロゴス(論理)の優先順位で訴えかける。臨場感あるストーリ、自虐と自慢の自己紹介でエトスを向上し、韻や5・7・5調のリズムで主張のメッセー…ジ性を強くする。ディベートにおいては見た目で85%の勝敗が決まるため話し方、聞き方を意識する。必ずしもロゴス=ロジックではないので騙す話術を見ぬく為にクリティカルシンキングを身につける必要がある。どちらかというとハイ・コンテクストの会話が苦手かな。 続きを読む
投稿日:2015.07.07
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博士の愛した数式
小川洋子 / 新潮文庫
数学の神秘性が心地良い
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記憶力のない博士が数学を語るからこそ、数学のもつ普遍性が際立ってており設定は秀逸だと思う。博士のやさしい人柄も相まって数学に関する逸話はどれもとても心地がいい。オイラーの公式自体の神秘性は面白かったが…、その公式が繋げる博士と未亡人の関係をもう少し深く掘り下げてほしかったと思う。 続きを読む
投稿日:2015.05.09
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すべてがFになる THE PERFECT INSIDER
森博嗣 / 講談社文庫
天才とは何か
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理系の自分にはとても面白かった。1996年に描かれたとは思えないほどITの描写がすごい。緻密な計画を考え出し、それをやってのける行動力こそが天才たる所以かな。犯人に感服しました。また設定に垣間見える作…者の哲学が興味深い。エネルギー問題の解決策としてのバーチャルの提唱や、日本が液体社会だという考えは、小説ながら勉強になりました。 続きを読む
投稿日:2015.05.09
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大栗先生の超弦理論入門
大栗博司 / ブルーバックス
超ひも理論より超弦理論
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量子力学も重力も「弦の振動」によって記述できる。物質自体に起源をもとめない発想が面白い。数学的視点から高次元をベースとした理論のため、三次元の現象が統一的に説明できることも当然と納得。次元のコンパクト…化、理論の統一・検証法など一流科学者の論理的思考法は勉強になる。現実とは多次元の事象が「人間原理」により三次元空間へ投影された幻想なのかな。最後に「時間」の仮説も興味深かった。時間に向きがあるのはビックバン以前が今より秩序だった宇宙だったから。その中で地球があるのはやはり人間原理を信じずにはいられない。 続きを読む
投稿日:2015.05.09
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ゴーマニズム宣言SPECIAL 国防論 下巻
小林よしのり / 小学館
戦争論、天皇論に続く国防論
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著者の持論が明確なため、各論の賛否を考えることで自分の立ち位置も整理できる良本。国防の最終防衛線が「国体」であるという考えには強い共感を持った。まさにそこが日本人らしさの起源であると思う。「天皇」と「…自衛隊」に対する著者の畏敬は自分の愛国心を刺激する。自衛隊を軍隊と分けて特別視すること自体が国威を下げてしまっているとは。グローバル化が進む中で危機管理意識の低さが我々の命取りになると再認識。核武装を含めた原発論、対中米論などは勉強して、持論をしっかり持つことが日本人として大事だと改めて思う。 続きを読む
投稿日:2015.05.09
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その女アレックス
ピエール・ルメートル, 橘明美 / 文春文庫
タイトルが秀逸。まさに「その女アレクックス」
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サスペンスとして楽しめた作品。章が進むごとにアレックスの印象が二点、三転し、正に「その女アレクッス」という感じ。邦題がハマっている。ただ後で振り返ると章ごとに情報のミスリードや後出し感がみられ、ミステ…リーとして少しご都合主義かな。映像の方が楽しめそうなので映画に期待。アレックスの不憫な人生も、最後に「真実ではなく正義」を追求するカミーユ達が捜査を進めたことで少しは救われたと思いたい。本線ではないけどアルマンの優しさに胸が熱くなった 続きを読む
投稿日:2015.05.13