hirokiさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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沈黙
遠藤周作 / 新潮社
一神教への信仰
6
ロドリゴの苦悩がひたすら重く辛かったが、宗教に縁遠い自分も一神教の神がどれほど絶対的な存在であるかを垣間見ることができてよかったと思う。井上筑後守やフェレイラが行き着いた「基督教が根付かない」との結論…に至った特異的な日本の民族性には妙に納得。「信仰」の形は人其々であるが、ロドリゴの到達点は自分にとっては共感しやすいものだった。逆に彼が日本的な基督教に感化された部分があるのかなと考えだすと非常に深い。数年に1度は再読したい。 続きを読む
投稿日:2015.05.09
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64(ロクヨン)(下)
横山秀夫 / 文春文庫
組織と個人の在り方とは
3
前半ジリジリした分、後半の急展開にページを捲るスピードも加速して一気読み。三上広報官をはじめ、広報室、記者クラブが成長していく様が清清しくて良かった。蔵前さんの実名報道がメディアの目指すべき姿だと思う…。前半のテーマだった巨大組織や社会の調整は、結局その自浄作用に期待するしかないとの結論かな。その自浄作用は、各々の立場の個人が、他所に介入せずに、まず其々の役割を懸命に果たしていくことで生まれる。間接的で遠回りだが後半の展開を見てると希望は持てるメッセージだと思う。それにしても松岡参事官、かっこよすぎた。 続きを読む
投稿日:2015.05.09
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わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か
平田オリザ / 講談社現代新書
グローバル社会におけるコミュニケーションとは
1
コミュニケーションの多様化について考えさせられた。日本社会と国際社会の対比で話が進むが、言語/国の数だけコミュニケーションはあると認識することが大事だと感じた。海外で働いていると「阿吽の呼吸」的なコミ…ュニケーションは日本の強みだと思うので、この部分も大切にしていきたい。非常に読みやすい反面、実体験をベースにして話が展開するので、著者の言いたいことを系統立てて理解するのが難しかったかな。是非、再読したい。 続きを読む
投稿日:2015.05.09
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ツカむ!話術
パトリック・ハーラン / 角川oneテーマ21
話術の磨き方が判る良書
1
相手とのコモンプレイスを見つけてエトス(人徳)>パトス(感情)>ロゴス(論理)の優先順位で訴えかける。臨場感あるストーリ、自虐と自慢の自己紹介でエトスを向上し、韻や5・7・5調のリズムで主張のメッセー…ジ性を強くする。ディベートにおいては見た目で85%の勝敗が決まるため話し方、聞き方を意識する。必ずしもロゴス=ロジックではないので騙す話術を見ぬく為にクリティカルシンキングを身につける必要がある。どちらかというとハイ・コンテクストの会話が苦手かな。 続きを読む
投稿日:2015.07.07
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運を支配する
桜井章一, 藤田晋 / 幻冬舎新書
2人の掛け合いが面白い
1
「運を支配する」ための論法を雀鬼・桜井さんが哲学的に語り、サイバーエージェント藤田社長がビジネスの実例を示していく構成が面白かった。成功者も人生において圧倒的多数のチャンスが廻ってくるわけではない。人…生の大半は巡ってくるチャンスを確実にモノにするための準備期間と考え生きていく。またチャンスの際に自分を過大評価せず客観的に俯瞰して状況判断できることが重要ということかな。章が多いこともあり章間で相反する論法を説く部分もあるが、これは自分の置かれた状況次第で正解が異なるというように解釈した。 続きを読む
投稿日:2015.07.07
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新装版企業参謀 戦略的思考とはなにか
大前研一 / プレジデント社
名著は色褪せないですね。
1
名著は色褪せないですね。事例は古いですが、本筋は違和感なく読むことができました。この当時に低成長を予見して話が展開されている点、大前先生の先見の明には頭が下がります。中期経営計画の作成、製品ポートフォ…リオ管理の基礎を学べる良本。物事を考えるときに、「抽象化」のプロセスを通すことで、問題の本質に解決策を打つという思考は目から鱗でした。当時の勝ち組企業のいくつかが現在苦戦している点、どんな理由だったのか気になるところです。定期的に再読したいと思います。 続きを読む
投稿日:2015.04.16