金さんさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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愛を乞うひと
下田治美 / 角川文庫
昭和
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映画やドラマになった本。「各界から絶賛を浴びた」らしい。。。
平成に刊行された本とわかってびっくりするくらい、昭和臭のする本。
一言で言えば駄目な女から生まれた、運良くちゃんと育った娘と素敵なくらい…真っ直ぐに育った孫娘の話。亡くなった父のお骨を巡り出生の秘密が紐解かれていく。
心温まるより、その母親 ダメ女のクズっぷりが気に掛かる。
また、中国が舞台になったりもするので、しかも割りと現実離れしている感、ご都合主義感ありありで出てくるため、どうも入り込みにくい。
結末も後味が良いわけでもなく、自分にはどう絶賛だったのか、さっぱり分からなかった。
映画もドラマもまだなので、見れば評価が変るのかもしれないが。 続きを読む投稿日:2017.03.07
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イン・ザ・プール
奥田英朗 / 文春文庫
コント
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壮大なコントである。
ハチャメチャな精神科医とハチャメチャな病気、そしてハチャメチャな治療と治癒。
あまりに馬鹿馬鹿しい、余りに内容がないよう。w
ただ、読み終えると、悩むことやストレスというものが…馬鹿馬鹿しくなってしまう、そんな効能はあります。
力抜いて生きましょう。 続きを読む投稿日:2017.03.07
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うさぎパン
瀧羽麻子 / 幻冬舎文庫
ジャンルはまぁ、幽霊もの
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読み始めるまで知りませんでしたが、ジャンルは幽霊ものになります。
三歳の時に病死した母 聡子、後添えのミドリ。
このミドリさんがとても素敵な人です。この人の魅力がこの本の全てかも知れませんね。
全体に…柔らかい印象を与える、ふんわり、ぼんやりした感じの話。
オチも悪くないが、まぁ、その為の幽霊まで出てくる舞台設定だったわけで。
本来なら幽霊を使わないで感動的な話に仕上げて欲しかったとも思う。
スピンオフもの「はちみつ」もいい話。
続きを読む投稿日:2017.03.07
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ぼくたちの家族
早見和真 / 幻冬舎文庫
「家族が機能している」
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「家があって、人が居る。」だけでは家族ではないんだ。家族の役割を演じていれば、家族というわけではないんだ。家族だからわかり合ってる訳ではないんだ、何も知らないんだ。
家族が家族として機能しているか?…幸せの尺度。
各章毎に家族4人の一人が主人公として物語が進みます。と言っても、ラノベ風に一人称で「ぼく」「わたし」が変わるだけってチャチなものではありません。三人称ですが物語の主軸が、家族の「その一人」に移るのです。
ですが、物語の時間軸空間軸があっちコッチに散乱して、分からなくなると言うことはありません。1つの物語がそれぞれの立場、気持ちを通して進むため、家族それぞれの生活や隠れた思いがスムースに語られていきます。それぞれの思いの擦れ違いも、読者には見えてきます。
前半は兎に角、読むのが苦しい。辛い。でも、これはこの物語の家族が直面している気持ち、そのままです。共感してしまうため、苦しく、辛くどうしようもないと焦ります。
あるところで希望の光が見え、その光と共に読んでいるこちらの気持ちも、とても楽になります。ここからは読み進めるのは困難ではなく、楽しくなってきます。早く先へと読み進めたくなります。
でも4人家族なのに5章構成なんですよ。なんででしょうね。まぁ読んで下さい。
物語の結末の方向性ですら知りたくない方は以下は読まないでね。(ネタバレってほどではないけど)
世界がひっくり返るような大きな奇跡は起きません。
でも、この位なら普通にあるよねって小奇跡は期待して良いかもしれません。
それ位は起きて欲しいと期待しながらじゃないと、前半辛いですもん。
※追記
表紙はアイコンだけです。
電子書籍本体にこの絵柄の表紙は付きません。
寂しい文字だけの表紙です。
折角買ったのに表紙が無いって哀しいですよね。カバーが外れ、表紙も破れて丸裸になった古本を読んでる気分になります。 続きを読む投稿日:2017.12.02
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百万円と苦虫女
タナダユキ / 幻冬舎文庫
ドラマなのにドラマじゃない結末?!
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人とうまく行かないなら、人の中の誰かではない只の人になろう、百万円を元手に放浪の人生を送ろう。
本人は不器用だと思い込んでいるものの、不器用というよりはどちらかというと人並み以上に器用な、それで…いて臆病で偏屈な女性の物語。
歪んでいるから周りと上手く行かない、そこにはなかなか気付かない。
下向きに歪んでいじけてるのに、変な行動力やバイタリティがありすぎる、ちょっとご都合主義なスーパーマンな設定が気に掛かる。
敵性な登場人物にイライラさせられるのも、読みにくさの原因。
前半辛い。
中盤持ち上げつつ、叩き落とす。
後半に向けて少し希望が持ててくる。
そうだ、人生この位のドラマはあってイイよね。
。。。
。。。
「人生、そんなにドラマチックには成らないよ。」
え゛っ!
フィクションで現実味を出されても困るね。
最後はベタでもいいじゃん。
わりとレビューでも好評だったのに、大外れでした。
読む価値があるかと言われたら、、、まぁ、フェア対象とかお得なときに。
映画もあるらしいですが、未視聴です。 続きを読む投稿日:2017.12.08
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最果てアーケード
小川洋子 / 講談社文庫
もう一度読みます。
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ほんの一歩、本通りを入ればある寂しげな、人のあまり寄りつかない様なアーケード。
並ぶお店も、「そんな商売ないでしょ」と思えるほどの奇妙なものばかり。
それなのにお客さんはちゃんと来る。
そしてド…ラマがある。
所々ににおわせるキーワード。
あぁ、ソッチ系の話なのかなぁ、、と思いつつ読む。
なかなかハッキリと明かさない、違うかも。。
そして最後は。。。
これ、もう一回読みます。
散りばめられた、見逃したヒントが沢山ありそうです。
この少しノスタルジックな世界感が好きなら、楽しめるんじゃないでしょうか。
ノスタルジック系でも、少し好みの世界感とずれてたので、星1つ減。 続きを読む投稿日:2017.12.08