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電気サーカス
唐辺葉介 / アスキー書籍
デジタル黎明期の薄暗い青春
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唐辺葉介は『死体泥棒』『ドッペルゲンガーの恋人』などで、マニアから高い評価を得ているライトノベル作家。
唐辺葉介初の一般文芸進出作である本作は、インターネット黎明期を舞台に、一家離散を経験した青年…の暗く甘い青春を描き出す大作です。
紙だと500P超となる分厚い小説ですが、その分読みごたえはあり。
まだブログもtwitterもなかった時代、インターネットに希望を見出した者達の物語をごゆっくりとお楽しみください。 続きを読む投稿日:2013.12.22
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クレイとフィンと夢見た手紙
友野詳, スオウ / MF文庫J
女性向けのようにみえて意外と本格的なSF
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昨年からちらほらと登場するようになったMF文庫Jの異色な作風のライトノベルシリーズ。
これもその一つにあたります。
女っ気のない表紙から分かるように男性向けの萌え要素はあまりないのですが、かとい…って「女性向け」といって敬遠していてはもったいない作品です。
人狼や吸血鬼といったファンタジー世界の住人が人類と共存する20世紀初頭の地球に、人々の想いの詰まった「手紙」を届けていく二人組の冒険を描いた短編連作集なのですが、その背後にはかなりしっかりとしたSF要素が見え隠れしています。
リンカーンが異種族解放政策を掲げていたり、各国が異種族を懐柔しようと画策していたりといった史実と上手く絡めた展開にも注目。
さらには歴史の裏で暗躍する闇の蒸気の勢力との戦いもあり、今後がますます楽しみなライトノベルSFです。 続きを読む投稿日:2014.02.26