己琳さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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深海カフェ 海底二万哩
蒼月海里 / 角川文庫
倫太郎が「自分の心の海」で見つけたものとは?
4
主人公・倫太郎が兄のように慕っていた大空が行方不明になって7年。
彼の大好きだった水族館を見学中に「海底二万哩」という名のカフェの扉を見つけ
惹きつけられるように店内に入ると、そこには大空に瓜二つの店…員・深海(ふかみ)が。
彼曰く「このカフェは心が疲れた人だけが見つけられる店なんだ」
倫太郎が訝るのをよそに、次に入ってきた客・ミカの疲れた様子を見て
「疲れているのは宝物を失くしたから。その宝物を君の心の海へ探しに行ってあげる」と言い出し
倫太郎を巻き込んで彼女の心の海へと飛び込んで行きますが・・・はたして彼女の宝物とは?
三編の読みきり作品+番外編?の構成です。
番外編には、この作者の別作品シリーズ「幽落町おばけ駄菓子屋」の
主人公・彼方クンと友達の奈々也クンが登場します。
どうやら仲良く二人であちこちへと遊びに行っているようですね。 続きを読む投稿日:2016.05.26
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こころ
夏目漱石 / 青空文庫
奥が深い作品。
4
高校時代に授業で習ったのが最初の出会い。
授業では途中の内容(確か先生の遺書の件が主)だったので、
その前後が読みたくなり文庫を買って読んだんだったかな。
今も尚、新たな疑問が浮かぶ名著。
全体的に暗…い作品なので、あまりお勧めはできませんが・・・
年齢を経て読みなおしてみても、「先生」の心の闇は掴めませんでしたね。
またもう少し年齢を重ねたときに読み返すと、答えがでるかもしれません。 続きを読む投稿日:2014.12.01
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にゃんこ亭のレシピ4
椹野道流 / 講談社X文庫
なぜ第四巻だけ?
3
ゴータが経営する料理店「にゃんこ亭」を舞台に、同居人でパティシエのサトルと共に
銀杏村を守る神・おきつね様の子供コギの里親となり、村の住人たちに助けられながら暮らしています。
第一巻では、ゴータがなぜ…にゃんこ亭を始めたのか、サトルがにゃんこ亭のパティシエになったキッカケと
コギが生まれ、おきつね様がゴータとサトルにコギを預かってほしいと依頼されたことが書かれています。
第三巻で三人の間に少し波風が立ちますが、その波風も銀杏村の不思議な力で収まってしまいます。
それにしても、Sony Readerさんは何故第四巻だけ出したのでしょう?
各巻は読みきりですので、第四巻だけでも楽しめますが・・・
私は気になったので、第一~三巻は紙の本を入手して読みました。
作者のあとがきでは続編があるような感じで書かれていたので、続編を期待しています。 続きを読む投稿日:2014.04.29
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妖奇庵夜話 魔女の鳥籠
榎田ユウリ, 中村明日美子 / 角川ホラー文庫
親心も場合によっては毒になるという話。
3
伊織さんが体調不良で静養中・・・それでも関係なく事件は発生し、
警視庁妖人対策本部(通称”Y対”)のコンビが伊織の手足となり活躍
そして、前の巻から登場した新しい仲間・甲藤が今回は身体を張っております…。
親が子供のためにと思ってした事が、実は子供にとって大事な自立の妨げになり
性質の悪いことに、それに親が気付かず子供を追い詰めてしまう悲劇・・・
そしてそれは、伊織が異母弟・青目甲斐児と初めて出会った時を思い出させることでもありました。
今回、伊織のお母様が登場しますが・・・粋なお方でした(*^ - ^*)
また青目が事件の裏で糸を引いていますが、やり方がどんどん巧妙化しており
今回は未遂に終わったものの、洗足家のアイドル・マメ君に手を出してきたことによって、
伊織の逆鱗に触れてしまったようです・・・
なぜ二人が敵対するようになってしまったのか・・・?
それはまた続編で描かれるのを待つことにします・・・榎田先生、続編書いてくれますよね? 続きを読む投稿日:2015.06.18
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人形佐七捕物帳 巻一
横溝正史 / グーテンベルク21
コミカルな横溝正史もイイ!
3
金田一耕助シリーズを読まれた方は多いでしょうが、この人形佐七シリーズも面白いです。
昔、テレビ時代劇でも何回か放映されていました。
エログロっぽいところは金田一シリーズと変わりませんが、人形佐七は全体…的にカラッとした展開が多いです。
佐七と女房のお粂、佐七の子分・辰と豆六とのやり取りは読んでいて笑ってしまいました。
推理小説としてはもちろん、時代小説好きな方も楽しめると思います。 続きを読む投稿日:2013.10.09
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幽落町おばけ駄菓子屋 春まちの花つぼみ
蒼月海里 / 角川ホラー文庫
あれから一年。
3
彼方が幽落町に住み始めて、もうすぐ一年になろうとしていた。
アパートの契約は一年・・・彼は幽落町の中に溶け込み、この町を去ることに迷い始めた彼方。
そんなとき、水脈の駄菓子屋に彼を訪ねてきた青年・忍に…頼まれごとをされますが・・・
今回はこの「忍」が、彼方の今後を左右するキーマンその1。
彼があやかしになった訳、そして今も心の奥に閉じ込めている後悔や孤独。
それを知った彼方はこの町を出てゆく決心をしますが、それをまた邪魔しようとする謎のあやかし「蘇芳」。
キーマン2がこの謎のあやかし「蘇芳」・・・今回はいよいよ彼の謎が解き明かされます。
このシリーズは、どうやら今回が最終巻のようで・・・ちょっと残念です。
まだもう少し物語を読んでみたいです。 続きを読む投稿日:2016.01.22