己琳さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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『狐の婿取り』シリーズ番外編・『ちみっこサミット』
松幸かほ / CROSS NOVELS
ちみっこのてんこ盛り~!
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このシリーズのアイドル子狐・陽と涼聖の友人家族・二人の男の子が過ごすとある休日の物語。
三人のちみっこが主人公なので、この作品はHシーンは出てきません。
陽にとっては初めての同世代(?)の友達ができ…て大喜び。
一緒に遊び、同じ部屋に寝て・・・そこで陽は妖力のコントロールが上手くできないために
彼らに自分の正体がばれてしまいますが、陽の秘密を誰にも話さないと誓って友情もより強くなります。
陽の秘密がバレる事件・お風呂での逆上せ事件・三人が山奥で迷子事件・・・等々ハプニングや笑いありで
本当に楽しませてもらいました。
・・・三人とも可愛い♪(*^-^*)--☆
今回登場した二人の男の子が出てくる作品を私は読んでいなかったので
これをキッカケに読んでみようかなと思っています。 続きを読む投稿日:2015.08.17
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幽落町おばけ駄菓子屋 晴天に舞う鯉のぼり
蒼月海里 / 角川ホラー文庫
新たなる展開?
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シリーズ第6作目。
前回、蘇芳の計らいでもう一年間幽落町に居られるようになった彼方。
今回は水脈を呼び出すためだけに、水脈の宿敵?都築に誘拐された挙句に
「水脈の飼い犬」認定されてしまったり
彼方の故…郷・千葉で水脈と退魔の鬼・忍との羊羹対決に巻き込まれたりと散々な目に合いますが
これまでの感じと違い、今回は都築が主人公の話が巻末に描かれています。
冷徹で完璧そうな都築ですが、退魔の鬼・忍から「綻びだらけだな、君は」と指摘され絶句している彼が
水脈たちに導かれて少しずつ人を寄せ付けない刺々しさが薄れてきそうな雰囲気が感じられます。
次巻も楽しみです。 続きを読む投稿日:2016.05.04
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静かなるドン(1)
新田たつお / 実業之日本社
昼はダメ平社員、夜は関東最大ヤクザの総長(ドン)
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家の仕事を嫌い、ランジェリーメーカーに勤めている主人公の静也。
しかし父が射殺されたことにより、静也は否応無く跡目相続争いに巻き込まれ
先代の妻であり、静也の母の「跡目は静也に」という鶴の一言で
昼は…サラリーマン、夜限定で新鮮組総長にという条件で跡目を相続することに。
しかし静也は亡くなった先代総長と違い非暴力主義。
自分の代で新鮮組の看板を下ろしてもかまわないと言い出す始末で
先代に心酔している組員たちは反発するやら対抗勢力に寝返るやらで不穏な空気になるが
静也の母は「彼以外に総長に相応しい者はいない」と譲らない。
なぜなら、母は静也の真の姿を知っているから。
新鮮組権力争い、敵対勢力との縄張り争い、そして静也の切ない恋物語です。
全100数巻という長いお話なのですがテンポの良い展開でハラハラしながら読みました。
あまり暴力シーンはどぎつくありませんが、連載雑誌が成人向けだったため性描写も多々あり
お子さんがいる方はご注意を。 続きを読む投稿日:2016.12.10
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華舞鬼町おばけ写真館 祖父のカメラとほかほかおにぎり
蒼月海里, 六七質 / 角川ホラー文庫
新シリーズ登場!
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同じ出版社で、つい最近完了した幽落町おばけ駄菓子屋シリーズのスピンオフ作品。
祖父の遺品であるインスタントカメラをカワウソに奪われた主人公・久遠寺那由多(くおんじ なゆた)。彼がカワウソを追いか…けて迷い込んだところは、アヤカシたちが住む華舞鬼(かぶき)町。
そこの住人である狭間堂と名乗る男性に助けられてカメラは無事に戻ってきたが、カメラを盗った理由をカワウソに聞くと「本来、写真に写るはずのない風景が写っていた」という。
この事件がきっかけで、那由多と華舞鬼町の住人たちとの交流が始まった…。
引っ込み思案で対人恐怖症気味の那由多が、狭間堂たちとの出会いで徐々に成長していく過程が丁寧に描かれています。
幽落町シリーズを読んだことがない方でも楽しめる作品だと思いますが、巻末の余話では幽落町の住人が遊びに来たりしていますので、幽落町シリーズも読んで欲しいなと思っています。(どうやら華舞鬼町は幽落町の隣町らしいです)
続きを読む投稿日:2017.10.16
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桃太郎侍(新潮文庫)
山手樹一郎 / 新潮文庫
時代小説デビューにぜひ!
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ある年代以上の方は、タイトルを見れば「テレビ化されたあの時代劇の原作か?」と思い当たることでしょう。その通りです!
テレビでは勧善懲悪の一話完結で何年間か放送されましたが、原作は長編作品です。
作…品を読み初めてすぐに、天涯孤独の身でありながら捻くれずにどこかのんびりとした世間知らずな主人公のことを放っては置けないと思えてしまうのは
この作者のほかの作品にも共通していると思います。
(ああそれなのに、作品数が2作品しか発売されていないなんて…!!)
長編作品ではありますが肩のこらない作品であり、桃太郎の八面六臂の活躍と物語のどんでん返しにワクワクし、作品の最後局面では涙した思い出がある作品です。
この作者さんの文章はとても読みやすく、時代小説は文章が堅苦しくて…というかたに入門書という感じで読める作品だと思います。
続きを読む投稿日:2018.08.08