【感想】下ネタという概念が存在しない退屈な世界

赤城大空, 霜月えいと / ガガガ文庫
(22件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
4
7
8
1
0
  • ディストピア・レジスタンスもの近未来SFとしての完成度。SF者に読んで欲しい。

     アニメから入って読みだしたんですが…すごいですね。色んな意味で。
     ギャグ・コメディ・エロが好きな人は放っておいても読むと思うので、ここはディストピアSF好きへと是非薦めたい。『SFは現実と異なる世界を提示し、現実そのものを映し出す」みたいな格言?を聞いた覚えがありますが、この作品はその実践の好例だと思います。ぜひ騙されたと思って読んでみて欲しい。合う合わないは確かにあるので、結果やっぱ騙されたとなるかもしれませんが、食わず嫌いのままでいる人の中にハマる人が一定数居ると確信しています。あとは『沈黙の艦隊』とか好きだったひとの中にもハマる人がいそう。
    *****
     最初コメディと思ったらシリアス展開にとかギャグ・コメディパートとシリアスパートが細かく切り替わるとかではなく人死も出ずギャグ・コメディのままで気持ちの悪いディストピア感をきっちりと与えてくれる。そして、ディストピアだと感じさせられてからも笑いも損なわれない。
     下ネタギャグ・コメディであり活劇でありキャラ萌でありボーイ・ミーツガールでありディストピアものでありレジスタンスものであり社会風刺である。重要なのは下ネタギャグ・コメディの仮面をかぶったディストピアとかでは無いところ。ひとつの物語にいろいろな要素を詰め込むのはエンタメ作品の基本ですが、これほど各要素が有意に配置され有機的に作用しあっている作品はなかなかないと思います。例えば社会風刺はややもすれば説教臭さが鼻についたり、いかにも語っていますよといった感じで主張パートが物語から浮いたりしかねません。ですが終始ギャグが緩まないことで嫌味にならず、ディストピアの気持ち悪さで「ネタだけど…ネタじゃなかった」的な気付きとして物語になじませた風刺になっています。そして、実際の物語はわたしのこんな説明よりはるかに自然に絡み合っている。作者が各要素全てでのお約束展開というのを深く理解していればこその調理法だと思わされます。
    *****
     私はレビュー投稿時点でまだ4巻まで読んだだけですが巻が進むに連れ、より上手くよりこなれていってます。ですので、1巻を読んで「超最高」まで行かずとも「悪くないじゃないか」ぐらいの感想でしたら、続刊も是非読んでみて欲しいです。とにかく、合うか合わないか一度読んでみてください!
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    投稿日:2015.08.29

  • 下ネタだらけですが深いです(-w-)

    青少年健全育成条例なんかが行き過ぎちゃったらこんな感じ?
    国内からすべてのわいせつ物が取り締まられてしまった架空の日本でそれに抵抗するために下ネタテロを行う話…。
    国民全員が監視機械を装着することが義務付けされている中どうやって下ネタテロをおこなっていくのかが面白いですね。
    登場するキャラクターたちは皆一癖も二癖もあるので面白いです。巻を重ねるごとにかなりアレなキャラが増えます。
    1巻の表紙がかなりインパクトありますが、明るい青春コメディといってもいいのではないでしょうか?
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    投稿日:2013.09.29

  • 面白い!!

    下ネタが入っていてとても面白いです。出てくるキャラクターが変態すぎる(笑)

    投稿日:2015.01.08

  • 強烈な個性w

    タイトルと表紙絵がすごくインパクトがある本作。
    国によって卑猥な表現ができなくなった近代日本で高校1年の主人公が下ネタテロリストと一緒に体制側に牙を向く話w
    主人公の生い立ち、表紙の人物との掛け合い、意外な人物の性格など個性豊かな登場人物によって織りなす物語がいいのですが、目的が卑猥なことを広めるということなので脱力して読めますねw
    しかし、たとえあこがれの人物とはいえあの言動はドン引きですねw
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    投稿日:2017.07.27

ブクログレビュー

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  • 本読太郎

    本読太郎

    冒頭にあるドラクロアの『民衆を導く自由の女神』をオマージュしたイラスト死ぬほど好き。
    話しも面白かった。

    投稿日:2021.03.21

  • bukuroguidkodama

    bukuroguidkodama

    わりとディストピアな背景のコメディ
    事件がひと段落しても状況まるで改善していないあたり
    ライトノベルとして「空色パンデミック」のような構えの作品
    メインヒロイン1と2の並立する描き方が
    説明不足は多々あるが嫌味すくなく魅力的
    舞台背景をおちつかせて脇との対比をつけて
    キャタクタ小説として大成して欲しいものである
    続きを読む

    投稿日:2018.12.08

  • Pudding

    Pudding

    マイ本棚にあったライトノベル「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」を読破。

    自分でもなぜこの本を購入したのか分からなかったが、昨年映画化された傑作「二度めの夏、二度と会えない君」の著者と知り、振り幅の広さに驚いた。尚本作は小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作! 続きを読む

    投稿日:2018.04.21

  • reinou

    reinou

    このレビューはネタバレを含みます

    ネタバレ 確かに下品な表現(というよりキャラクターの台詞)がてんこ盛りだ(悪い意味ではないよ)。そして、構成は粗削り(殊に谷津ヶ森お宝争奪戦の展開)と言わざるを得ない。しかし、表現行為とはどういう社会において充全化しうるか、その自由が真に価値あるものとなりうるにはいかなる条件を要するかという抽象的なテーマに昇華させると、本書の描くディストピアの恐ろしさを感じずにはいられない。もちろん、そういうお話は「華氏451度」等でも描かれるが、エロとギャグの力技で一気に駆け抜けさせる本作はそれはそれで十分価値ある一品かと。
    ◆構成の粗を述べてしまったが、1頁目の時岡学園入試問題の内容で、本作の世界観を一気見させ得た点は別儀。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2017.01.24

  • kawataka

    kawataka

    http://kawataka-giken.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/4094513523.html

    投稿日:2015.06.22

  • degarashi

    degarashi

    「シモネタという概念が存在しない退屈な世界」の冒頭を読んだ。アホだw ある意味ではシリアスにも持っていけそうな設定を、思いっきり馬鹿な方向に振り切るのは偉いなぁw

    赤城大空「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」読了。不健全な言動を取り締まるディストピアにおける、反体制派の活動の物語…なのだよ本当にw いや、バカSFとして面白かったす。卑猥な言葉を言い換えての会話(ドッキング行為とかw)なんかは、ディテールとしてもいいし、笑いましたw

    設定自体がぶっ飛んでいるだけに、長編になるともう少し説得力が欲しくなってしまうところはある。ディストピアが出来上がった過程とか。なんで、この世界観を元にした連作短編くらいにすると、あほなエピソードを楽しむ作品としてより楽しみやすいかも。とはいえ、想像以上に楽しめましたw
    続きを読む

    投稿日:2013.11.19

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