【感想】君の膵臓をたべたい

住野よる / 双葉文庫
(1045件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
344
341
216
65
21
  • 面白かったけど…

    評判がいいので気になっていた。
    正直もっとベタな恋愛小説かと思っていたけど、ユーモアのある、さわやかな青春小説でとても面白かった。
    あの事件が起きるまでは、かなり惹き込まれて読んでいた。
    終盤やラストは余りにも嫌なところがなさすぎるような。
    読んだ後に嫌な気持ちにならないという点はいいけど、あの事件がない、2人のその後を読んでみたかったかな。
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    投稿日:2018.02.07

  • 笑いの中に涙ありの美しい青春小説

    おどろおどろしいタイトルとは裏腹に、ボケと突っ込みのような軽妙な会話と軽い文体で進んでいくので、余命一年という重い設定の割にはユーモラスに話は展開していく。
    そんな二人のバカ話の合間に時折ふと出てくるマジな言葉が、けっこう胸にズシンとくる至言だったりする。
    生きてることの意味や自分の思いを伝えることの大切さをあらためて気付かせてくれる。
    悲しい物語ではあったけど、読後に温かさと爽やかさの残る素敵な話だった。
    そしてタイトルに込められた思いが「好き」とかでは言い表せない深い言葉となって心にジーンと残る。
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    投稿日:2018.01.12

  • 一人の少年の成長記

    胸がキュンとなるような、
    一人の内気な男の成長記。
    単なる恋愛ものでもないし、感動話でもなく、
    色々な要素が入り混じった小説。

    投稿日:2017.12.28

  • 人生に偶然はない、それは日々の自分の判断の結果

    不治の病にかかり、余命1年となった時、人はどう生きるか?
    これをテーマにした物語です。
    膵臓の病気になり家族以外には親しい人には誰にも打ち明けず、死ぬ瞬間まで日常を守っていきたいと少女が、ふいに日記をほとんで接点のないクラスメイトの男子に見られてから、物語が動き出します。
    ちなみに、その日記の名前は「共病文庫」。闘病でなく共病なのは「病と闘う」のではなく「病と一緒に生きていく」こと選んだからです。
    主人公からは、病気で死ぬことが確定したことで、改めて人生設計をするヒロインの気丈な姿をみて、自分とは正反対な生き方に尊敬の念を抱いていくのです。

    ヒロインの方は、親友や友達には病気を秘密にして日常を謳歌しつつ、好きでもない男の子とイケナイことをするという欲望に主人公を巻き込んでいきます。

    クラスメイト達は、今まで接点のなかったこの二人が急接近している様子を訝しみます。
    特にヒロインの親友は、主人公に対して敵意をむき出しにしていくのですが、彼女は要所要所で物語にアクセント付けていってくれます。

    主人公とヒロインは、腹の内を余すこと無く話せる仲になっていくのですが、そんなおりヒロインは亡くなります。

    主人公は、ヒロインが自分に対して本当はどう思っていたのか気になり出します。そこで、「共病文庫」の存在を思い出します。
    ヒロインは家族に、「共病文庫」の存在を知ってるクラスメイトに渡すよう遺言を残しているのでした。
    この作品に第2部があるとしたら、「共病文庫」を読みながら過去を振り返えるところでしょう。
    そこには、主人公が知らないヒロインの姿がありました。

    なぜ、ヒロインはあの時あんな行動をとっていたのか? 
    なぜ、ヒロインは主人公に心を許したのか?

    性格はまさしく正反対の二人なのだけども、似たもの同士の二人。

    そして、本の題名である「君の膵臓をたべたい」は、主人公がヒロインへ送った言葉であり、ヒロインが主人公へ送った言葉でもあります。送ったタイミングは別々ではありましたが、その言葉に込めた気持ちは・・・・

    読後は心が洗われた気持ちになりました。理由を考えると、人は必ず死ぬ。
    これを大前提に考えれば、この作品はまさしくハッピーエンドだからだと気付かされました。
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    投稿日:2017.11.05

  • 読み始めたときよりは…

    映画化が決まる前から、文庫本が出る前から読みたいと思っていた。
    ネタバレを聞いてしまう前に、自分で読みたい、と。

    読み始めたときの印象は、「期待しすぎたかな…」
    読み終えたあとの印象は、「読み始めに思ったよりは、良かった」

    誰かに対して、感じること・思うことがなんなのかを具体的に考えることって、大切だけどあんまりしてこなかったような気がする。
    これまで「死」を身近に感じたことが全く無い人は、いちど読んでみるのもいいかも。

    映画は、自分の中のイメージが変わってしまいそうな気がするので、観ないかな。
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    投稿日:2017.10.09

  • もっと早く読めば良かった

    もちろんず~と前から知っていたのですが,いまいちだという書評などで二の足を踏んでいた作品。

    結果,面白かったですよ,とくに前半は。

    個人的な趣味ではありますが,周りの人を良い感じで振り回し,煙に巻くような言動を取る主人公の女性像はかなり好みです。伊坂幸太郎の小説に出てくる私が好きなタイプと通ずるところがあります。

    で,とても良い感じになってきた最後・・・ショッキングなことがあります。
    それ自身はお話としては悪くないとは思うんですよ。ただ,その後の大事な部分が少し雑になってしまったところが残念です。もう少し練れたんじゃないかなぁ・・・。極端にいうと,そこだけ書き直した方が良いんじゃないか,とも思ってしまいます。

    でも,全体的には少し期待が低かったことからすると,上々であったと思います。
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    投稿日:2017.09.20

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ブクログレビュー

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  • masase

    masase

    修辞法が多く主人公の性格のようで読んでいて感情移入しやすい。

    純粋で純愛な話し。
    「君の膵臓をたべたい」に尽きる。

    投稿日:2024.05.06

  • mosssssy

    mosssssy

    このレビューはネタバレを含みます

    ・僕と桜良の対比が素晴らしかったし、「対岸から互いを見つめ合っていた」という表現がしっくり来た。
    ・関係が大きく進展し始めるのが中盤以降で、それまでのテンポの悪さは感じたものの、最後の結末を印象付け、読者の共感を生むために必要だったと解釈した。
    ・思春期、特に不治の病を抱えた桜良とそれに直面している僕の思考や行動は不安定で、「なんでそうなるんだよぉ…」となる時もあるが、それがリアルなのだろう。実際、私自身も若くして余命宣告をされたら合理的な判断などできないと思う。

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    投稿日:2024.04.29

  • しんた

    しんた

    クラスメイトの女子が抱える秘密、それは彼女の余命がいくばくもない、という事だった。
    面白いし、サクッと読めていいのだけれど、あらすじに書かれた「読後、きっとこのタイトルに涙する。」はさすがに煽りすぎだし、そこは書かずとも伝わったのではないか。
    青春小説として綺麗にはまとまっている。
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    投稿日:2024.04.24

  • 紡 栞

    紡 栞

    "読過しタイトルに腑に落ちる"

    タイトルで敬遠していた作品です。
    一年温存し、友人からオススメされて重い腰をあげ読みました。

    命は平等じゃないかもしれない、でも時間は皆平等にあって、それをどう使うかは自分次第でいつ死んでも良いように、同じ人生を繰り返してもいいと思えるように生きようとと思える作品でした。

    毎日が選択だらけの人生で、今この瞬間も自分の意思で生きていて、そういうのがすごく素敵だなと思いました。

    終盤。主人公の"お門違いですが、もう泣いてもいいですか?"の部分で我慢していた涙がこぼれ落ちました、、、。小説で泣いたのは初めてでした。
    人に興味がない主人公がヒロインと過ごしてきた日々を思い出しながら涙を流していた。彼も変わったな、、、と誰やねん目線ですが、、、。

    これがデビュー作、、、!?と驚きましたが、高校生の頃から執筆していたのか!?と言う点にも驚きました。

    生涯大好きな作品です!
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    投稿日:2024.04.21

  • nopynopy

    nopynopy

    お互いを尊重し合う2人の行動、言葉のかけ合い、交差する感情を時に学生のようにワクワクし、時にお節介な大人としてヤキモキしながら読み進めた。最後は分かってはいたけど、やはり感情を揺さぶらることになる。生きていること、人と分かり合えること、そして純粋にこの主人公たちが送る青春って素晴らしい。

    見ている側は、これはどう見ても相思相愛なのだけど、ふたりにとってはお互いの立場を分かりすぎていて、恋人でも友達でもない関係性を壊したくないという思いがあり、それをどう打ち破る瞬間が来るのか?来ないのか?という雰囲気で物語は進んで行く。

    映画から入ったので、結末の展開はやや意外だった。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.18

  • 2054057番目の読書家

    2054057番目の読書家

    このレビューはネタバレを含みます

    何度も貼られた伏線の回収が皮肉すぎて衝撃だったけど、本当に誰にとっても今日は同じ価値でしかないなと実感させられた。

    好きという言葉が出てこないのに、心情行動でお互いが恋をしているんだろうなと思える表現が素敵だった。

    君の膵臓を食べたいは言葉の意味のままではなくて、君の爪の垢を煎じて飲みたいを言い換えた言葉だって分かったときはうるっと来たなー。

    友達とか家族とか自分に置き換えて考えるとより切なくて、あー十分幸せに生かされてるなって思った。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.04.10

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