thutomuさんのレビュー
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30
このユーザーのレビュー
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すべて真夜中の恋人たち
川上未映子 / 講談社文庫
すべて真夜中
3
読み終えるまでずっと、タイトルを『すべての真夜中の恋人たち』だと思い込んでいた。読み終えてみて、タイトルの意味が分かった気がした。
スマホであとどのくらいで終わりか分からず読んでいたこともあって(あと…どのくらいか分かる機能があることは知っていたけど)、最後はえっ、これで終わりなのと正直思ったけど、大切なのはストーリーじゃなくて、文章から滲み出てくる心の襞だから。そういう意味では、やっぱり川上未映子は好きだなと再認識した作品。 続きを読む投稿日:2015.04.20
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氷点シリーズ 全4冊合本版
三浦綾子 / 角川文庫
まごうことなき名作
2
昔、北海道に旅行に行ったときにバスガイドさんが『氷点』のあらすじを紹介してくれて、面白そうだな、読んでみたいなと思ったけど、月日が流れて、ようやく読むことができた。
期待以上の面白さだった。登場人物そ…れぞれの性格や考え方がすごくよく分かって、それぞれに感情移入しちゃうし、物語にぐいぐい惹き込まれていった。
特に、『氷点』については、緊張感が半端なくてたまらなかった。不朽の名作の名に嘘偽りはないね。
あえて言えば、『続 氷点』の方は、えっ、この人も、あの人も出てくるのということで、若干ジェットコースタードラマのように感じたけど、それでも夢中になって読んだことには変わりはないね。 続きを読む投稿日:2016.11.24
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ロスジェネの逆襲
池井戸潤 / ダイヤモンド社
痛快!
2
元々、ドラマでこのシリーズを知って、ドラマの続きの感覚で期待感を持って読み始めた。
出だしは、実際にあったあの話じゃないかと少し醒めたものの、その後の展開は実話とは全く違う展開で、ぐいぐい惹き込まれて…いった。
結果的に半沢直樹が当然「勝つ」んだろうと思っていても、ワクワクドキドキさせてくれて、非常に痛快だった。
ドラマが流行った時に、水戸黄門説があったけど、確かに勧善懲悪的なところはある。だから、痛快で読後感もいいのかもしれないけど、とにかく理屈抜きで面白かった。
池井戸潤原作のドラマは、どれも面白くて、大体(特に最近は全部)観ているんだけど、小説ももっと読んでみたくなった。 続きを読む投稿日:2015.12.06
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清須会議
三谷幸喜 / 幻冬舎
ちょうど「真田丸」を観ているので
2
三谷幸喜脚本でちょうどその時代を舞台にした大河ドラマの「真田丸」を毎週観ているので、興味を持って読んだ。
「真田丸」も現代語を盛り込んだ台詞になっていて、一部批判も浴びているみたいだけど、この作品では…、「現代語訳」と書いてあるのだから、これなら文句も出ないね(笑)
現代語だからこそ、各人の思惑や感情がストレートに伝わってきて、人間味が溢れていて面白い娯楽作品になっているんだね。
歴史小説に興味がなくても、十分楽しめるんじゃないかなぁ。
続きを読む投稿日:2016.05.05
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鹿の王【全4冊 合本版】
上橋菜穂子 / 角川文庫
感服
2
長編大作であるのに、全く飽きさせなかったのは、さすが本屋大賞受賞作。
単なる面白さだけでなく、命、医療、運命等の壮大なテーマも書き込まれていることにも感服した。
日本医療小説大賞も受賞していること…も納得。 続きを読む投稿日:2019.07.11
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風の歌を聴け
村上春樹 / 講談社文庫
ハルキストにはなれないかな
2
「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が凄く面白くて、これはやっぱり村上春樹をもっと読まないとなぁと思って、次に読んだ作品。
期待が大きかった分もあると思うけど、正直それほどは響かなかった。
デ…ビュー作なので著者も発展途上ということもあると思うけど、それでも文体やエピソードは村上春樹にほかならない。
ただ、(もちろん意図してそうなっているんだと思うけど)物語が断片的に感じてそこが自分の好みでなかったのかなぁ。
と言っても、つまらなかったわけではなくて、ところどころはとても面白いと感じた。
村上春樹の作品をもっと読んでみたいという気持ちはちっとも変っていないし。
5段階評価なので星の数は3点になっているけど、実際は3.5点というところ。 続きを読む投稿日:2016.12.07