理科好きさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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本をめぐる物語 一冊の扉
ダ・ヴィンチ編集部, 中田永一, 宮下奈都, 原田マハ, 小手鞠るい, 朱野帰子, 沢木まひろ, 小路幸也, 宮木あや子 / 角川文庫
オムニバスは楽しい
5
オムニバス形式の本は結構好きです.お目当ては良く読む作家の短編であっても,普段絶対手にとらない作家の作品も読むことになり,ある割合でその作家の別の作品も読んでみようという気にさせてくれます.いつも,と…は限りませんが,見つけたときには儲けもんですから. 続きを読む
投稿日:2014.04.13
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アルジャーノンに花束を〔新版〕
ダニエル キイス, 小尾 芙佐 / ハヤカワ文庫NV
翻弄される人生
4
何が人の幸せなのか,同じ価値観を押しつけるようなまねが許されるのか,が問われている作品。マウスを使った実験をもとに,人体実験(実質的に本人の理解にもとづく同意が得られていない点で)で超天才になったパ…ン屋店員や彼に関係した人々がたどることになった運命は・・・。
この本が新刊で出てすぐに読んだときはかなり衝撃を受けました。たった一瞬でも超天才になれたら,そのリスクを冒してでもやる価値はあるか否か,結構考えました覚えがあります。若かったなぁ。 続きを読む投稿日:2015.05.04
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夜は短し歩けよ乙女 映画カバー版
森見登美彦 / 角川文庫
京都の街の夜のファンタジー
4
このテイストに馴染めない人はいるんだろうな,と思います.
普段から不思議ちゃんが許せない人にはお勧めできません.
ともかく頭を空っぽにしてどんどん読み進めるのがよいでしょう.
この作家さんのあ…る意味パターン化した世界観を楽しみましょう.
続きを読む投稿日:2017.03.20
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永遠をさがしに
原田マハ / 河出文庫
『新しい母』が良い味をだしている
4
世界的な指揮者とそのオケの主席チェリストの母の間に生まれた主人公。ある日,急に母が家を出てから,お手伝いさんとたまに帰ってくるだけの父との生活だったが・・・。
ここで登場する『新しい母』,訳ありなん…ですが,これがぐっときます。詳細は書けないのですが,ともかく,良くも悪くも魅力的な人物で,これまでこの作家さんのいろいろな作品にでてきた人物の中で,私ランキングではかなり上位に入ります。
ちょっとお話としてできすぎな部分はあるんですが,とにかくぐっときますよ。
という2つの要素で5つをつけてしまいました。
本書の最後に(本屋大賞をとった)宮下奈都さんが解説を書いているんですが,この題材やストーリー展開などは宮下さんの作品なんではないかという気さえしながら読んでいたのでびっくりしました。どちらも今とても好きな作家さんです。
続きを読む投稿日:2016.07.18
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男ともだち
千早 茜 / 文春文庫
期待値よりもずっと高く満足
4
誰と寝るのも簡単だけれど,男女の関係にならないことで守れる関係があ
る。互いにそれを口に出すことも改めて意識することもなかったのに,一緒
にいれば無防備な心地よさを感じられる。実感としてそういう関係が…理解で
きるかは別として,とても面白かった。
ともかく,文章がばっちり私の好みに合い,儲けものでした。早速,他の
作品5冊も買い込みました。 続きを読む投稿日:2017.03.12
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ジャイロスコープ
伊坂幸太郎 / 新潮文庫
世界感満載
4
伊坂さんの作品がお好きなら,ぜったいにおすすめです。
あるある感満載で楽しめるでしょう。
これまで短編として発表されてきた作品を集め,最後にすべてを統合する話をもってきていて,これもいつものパターン…の一つです。
続きを読む投稿日:2015.12.31