菅夏実さんのレビュー
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18
このユーザーのレビュー
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ポイズンガール(1)
瀬野反人 / バンブーコミックス 4コマセレクション
毒属性爽快コメディ
1
心の中は優しく思いやりに溢れているのに言葉は毒舌に変換されてしまう主人公と個性溢れる愉快な仲間たちの爽快コメディです。毒舌でレビューしようかと思いましたが紛らわしいのでやめましょう…
キャラクターは…可愛らしく描かれているのに、毒舌だったり闇を抱えてたりと、ポガティブ(ネガティブでありポジティブ)に描写されるギャップがやはり一番の見所でしょう。
斜め上なギャグ絵のシュールさも笑えるポイントで、会話でなく絵でちゃんと笑いをとってくれる正統派4コマ(?)なところも好きです。
問題の主人公の毒舌ですが、もしかしたら好みが別れるかもしれませんね。ドSな方、ドMな方、両属性の方にとってはゾクゾク・爽快で、もはや名言の域に感じられるでしょう。しかしニュートラルで心が綺麗な(?)人には不快かもしれません。
その点は試し読みでこの作品の雰囲気、勢いがわかるので自分がどうなのか見極めていただきたい…
とはいっても毒舌のせいで殺伐としてもキャラクター達の勢いで爽快に変換されて、可愛い絵柄のおかげで結果的にほのぼのした雰囲気になって後腐れがないので、安心して笑える上手い設計になってます。
この漫画、3巻で終わってしまうのですがクオリティは通して安定しているので、1巻に限らずお薦めです。3巻くらいまでくると毒舌がないと物足りないくらいにいとおしく思えてきます。3巻で終わってしまってとても名残惜しいです。 続きを読む投稿日:2016.08.07
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あやかしこ 1
ヒジキ / MFコミックス アライブシリーズ
妖怪×日常
1
普通の人には見えない妖怪が見える女子高生と、かわいい妖怪たちとの、ほのぼの日常を描いた作品です。
夏目友人帳とちょっと百合っ気のある日常ものを足して2で割ったかんじ(?)ですかね。
夏目ほど殺伐で切…ない感じはなく、ガチな百合ということもなく、抱腹絶倒なギャグが冴え渡るわけでもありませんが、それぞれの要素がバランス良くちりばめられており、これくらいがちょうどいいと感じる人は多いと思います。気楽に安心して優しい空気に包まれて癒されてください。
といってもまだ1巻しか出ていない段階で書いてますので、あまり断定的なことは言えないのですが…
さてまだ書いてない見所を挙げますと
・主要登場人物は(たぶん)全員女の子
・東京の下町、住居は日本家屋
・和服、獣耳、尻尾
・見開きコマの使い方
・きぃちゃんの表情
こんなところでしょうか。 続きを読む投稿日:2016.07.09
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大家さんは思春期! 1巻
水瀬るるう / まんがタイム
こんな近所づきあいがあったら
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家庭的過ぎる中1の女の子が大家さんのアパートで日常を送るだけの4コマです。絵はかわいいし、大家さんの世間ずれっぷりにはニヤニヤ楽しませてもらいました。でもかわいい女の子が出て来てほっこりするエピソード…が延々と続く漫画はたくさんあって、大家さんや中1などの要素があってもいまいち他の漫画と差別化できないなという感じです。
まあそれでも絵が気に入ったなら十分楽しめるんじゃないでしょうか。無邪気な中1女子に癒されてください。ちなみに思春期とありますが恋愛要素はあまり無いです。 続きを読む投稿日:2016.02.07
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不思議図書館 ~高尾滋作品集~
高尾滋 / 花とゆめ
切ない短編の良作集
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タイトル通り不思議、ファンタジックな短編が8本(全320ページ余)です。短時間で楽しめる雰囲気の良い少女漫画を探していたのですが、期待通り切なく美しい話が多くて良かったです。
一つ一つの話がきれいにま…とまっていて読後感が良く、読みたい話を読みたい時に読んでそれなりに満足できるのがよいです。しかし短編という制限の中では本筋とは関係ない部分は切り捨てられてしまうので話のテンポが速くなってしまい通して読むと疲れてしまうかもしれません。一話一話時間を置いて読むのが良いのかも…
私はこの作者さんの作品を読むのは初めてでしたが、ファンの方は既読の作品もあると思うので注意です。 続きを読む投稿日:2016.01.01
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μ&i 2
きただりょうま / ジャンプSQ.
スピーディーな展開
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キャラも増えどんどん話が複雑化してきます。なんだか異能力バトルものになりそうな予感。
スピード感があって読みやすいですが、反面アクションと心理描写の緩急に乏しいのか自分はキャラの内面を追いづらくて、そ…れが少し残念でした。
ともあれかなり世界観が練られているようなので、今後の展開が気になる作品です。 続きを読む投稿日:2015.11.18
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兎が二匹 1巻
山うた / 月刊コミックバンチ
壮絶な寂しがりの話
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兎は寂しいと死ぬという迷信がありますが、人はどんなに寂しくても生きねばなりません。それでも人はいつかは死ぬので寂しさからは解放されるでしょう。では死ぬほどの寂しさを抱えた不老不死の主人公、稲葉すずはど…う生きてゆくのか…
こんな壮絶なテーマを『兎が二匹』は十二分に描ききっていると思います。まるで映画を一本見たような感覚で二巻とも一気に読んでしまいました。たった一、二時間でこれほど感情を揺さぶられる漫画は珍しい。傑作です。
ストーリーがどうの、絵がどうの、といちいち書くのが馬鹿らしくなるぼど、もうとにかく衝撃的です。もちろんストーリーも絵も演出もどれをとっても良質です。
ストレスがたまっている人なら泣いてリフレッシュできるかも知れませんし、落ち込んでいる人なら希望がもらえるかも知れません。平常時なら人間が積み上げてきた歴史の壮大さに思いを馳せたりするかも知れません。
とにかく内容のすさまじさは保証するので是非色んな人に読んで欲しい作品です。 続きを読む投稿日:2017.05.05