菅夏実さんのレビュー
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18
このユーザーのレビュー
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聲の形(4)
大今良時 / 週刊少年マガジン
一番好きなキャラは結弦
3
モブ顔にばってんマークなどユニークな表現をしますね。この作家の気まずい空気みたいな微妙な雰囲気の表現は本当に巧みだと思います。
今回は主人公と硝子の関係は休憩というかんじで上野と西宮家の2つが中心で…す。特に結弦は物語のもう一つの視点といのもあってか妙に愛着があるので今回更に掘り下げられていて嬉しかったです。 続きを読む投稿日:2015.09.05
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乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ 1
大西巷一 / 月刊アクション
フス戦争? なにそれ美味しいの
3
この漫画は基本的に一人の少女を中心に描かれるので物語に入り込みやすく、過去に世界史で赤点を取ったことがあるくらい歴史が苦手な私でも楽しめそうだと感じました。いやむしろ史実を知らない方が続きが楽しみでお…得かも?笑
わかりやすいように適宜アレンジを加えられているのも良いです。そこらへんはどことなく封神演義(藤崎竜)を彷彿させます。
これを機に歴史をちょっと勉強してみるのもいいかもしれません、ネタバレにならない程度に。
結構ハードな描写もあるので気にする方は試し読みしてからが良いと思います。 続きを読む投稿日:2015.10.19
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百万畳ラビリンス(上)
たかみち / ヤングコミック
下巻含めての感想
2
不思議な物理法則が支配する空間に突然女子2人が放り込まれ、世界の謎を解き明かしていく冒険SFです。
当初から全体のストーリーが決まっていたというのもあってか、話に過不足がなく、ちょうどいいタイミング…で真相や新たな謎が出てくる構成力が素晴らしい。作者のたかみちさんはイラストレータとしての方が有名らしいんですが、十分SFミステリーとして読みごたえがあります。
絵はさすがの安定感です。漫画的・大げさな表現は抑えていて、写実的というか真面目というかおとなしめな印象です。後半はそのせいで少し迫力不足かも。ファンタジックでどこかノスタルジックな雰囲気がうまく醸し出されてます。
不思議空間のルールを推理して逆手にとっていく、理系的なワクワクが楽しめる良い短編です。 続きを読む投稿日:2016.02.20
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あやかしこ 1
ヒジキ / MFコミックス アライブシリーズ
妖怪×日常
1
普通の人には見えない妖怪が見える女子高生と、かわいい妖怪たちとの、ほのぼの日常を描いた作品です。
夏目友人帳とちょっと百合っ気のある日常ものを足して2で割ったかんじ(?)ですかね。
夏目ほど殺伐で切…ない感じはなく、ガチな百合ということもなく、抱腹絶倒なギャグが冴え渡るわけでもありませんが、それぞれの要素がバランス良くちりばめられており、これくらいがちょうどいいと感じる人は多いと思います。気楽に安心して優しい空気に包まれて癒されてください。
といってもまだ1巻しか出ていない段階で書いてますので、あまり断定的なことは言えないのですが…
さてまだ書いてない見所を挙げますと
・主要登場人物は(たぶん)全員女の子
・東京の下町、住居は日本家屋
・和服、獣耳、尻尾
・見開きコマの使い方
・きぃちゃんの表情
こんなところでしょうか。 続きを読む投稿日:2016.07.09
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廃墟少女
尚月地 / ARIA
表題作だけでも540円の価値あった
1
表題作『廃墟少女』をはじめとした4つの独立した話から成る短編集です。
なんといっても全体を通して絵がとても緻密で電子版の解像度じゃ足りないくらい情報が乗っています。ファンタジックなシーンが多いのです…が、文字では到底伝えられない雰囲気が確実に表現されています。
下の方で個別にレビューを書きますが、やはり表題作の『廃墟少女』がオリジナリティ溢れる演出とストーリー、全体としてのまとまりの良さの点で傑出しています。ほかの3話を含めても描写に手抜きがなく非常に完成度が高く文句無しに最高評価をつけられる作品です。
ストーリーは幻想的、ミステリーテイストな部分が目立つので人を選ぶところはあると思いますが、どれも切なく爽やかなエンディングなので、読後感は悪くないはずです。
以下各話ごとのあらすじとレビューです。
・『廃墟少女』…3年前の監禁事件の被害者である主人公・風子(かぜこ)はそのときの記憶を亡くしていた。幼なじみに連れられ事件現場の廃墟で記憶の扉を開けるべく廃墟探索をすることになるが事件の真相は…
という、一見サスペンス風味な作品。ですがミステリー要素は雰囲気だけで、最終的には精神的というか幻想文学的なとこがメインです。廃墟と少女が描きたいというのが描き始めたモチベーションとのことですが、これほど独特なストーリー運びを産み出すなんてすごいです。先が気になってどんどんページをめくってしまいますが、この話も背景へのこだわりがすごいことになってます…
・『音楽が見える男』…妬ましさゆえに音楽にコンプレックスを抱えた中年音楽教師があることを切っ掛けに音楽が幻覚として見えるようになる。はたして彼は自分の音楽にまっすぐ向き合えるようになるのか⁉
という、不思議な体験を通してわだかまりが解ける系統の、まあわりとありきたりな話です。しかしすごいのは「音楽が見える」の表現です。壮大な描写には心うたれるものがあります。
・『箪笥少女』…1週間前に死んだ兄と間違えて主人公に話しかけてきた兄の患者・こづえ。兄と彼女は医者と患者以上の仲だったようだが果たして兄の死に関係があるのか…?
これもまたミステリーっぽく見えますが最初だけです。『廃墟少女』と似たようにこのあとまた違うジャンルに切り替わります。最終的には綺麗にエンディングを迎えるのですが少し詰め込みすぎたか『廃墟少女』ほど整った印象は無いです。たぶんミステリーパートのオチがあっけなさすぎなのです。でもこの回が一番少女のかわいさがストレートに描かれていてよいです。
・『帽子の上の丘』…冠婚葬祭どの儀式にも帽子が欠かせない国で貴族の帽子を作る帽子職人・トーマはある日幽霊だらけの廃墟に囚われてしまう。お金にしか目がないトーマだったが、廃墟から脱出すべく幽霊の帽子を作ることに…
この話はありがちなストーリーではありますが4話の中でも特にハートフルな話なので結構うるっときてしまいました。最後にこういう話を持ってくる構成は上手いと思いました。またこの話が一番コミカルでキャラクタも表情豊かになっていて、他の話と緩急が付いているのも良かったです。 続きを読む投稿日:2016.09.15
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大家さんは思春期! 1巻
水瀬るるう / まんがタイム
こんな近所づきあいがあったら
1
家庭的過ぎる中1の女の子が大家さんのアパートで日常を送るだけの4コマです。絵はかわいいし、大家さんの世間ずれっぷりにはニヤニヤ楽しませてもらいました。でもかわいい女の子が出て来てほっこりするエピソード…が延々と続く漫画はたくさんあって、大家さんや中1などの要素があってもいまいち他の漫画と差別化できないなという感じです。
まあそれでも絵が気に入ったなら十分楽しめるんじゃないでしょうか。無邪気な中1女子に癒されてください。ちなみに思春期とありますが恋愛要素はあまり無いです。 続きを読む投稿日:2016.02.07