くっちゃね村のねむり姫さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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銃とチョコレート
乙一 / 講談社文庫
途中までは乱歩の少年探偵団風。それが次第に乙一テイストに……
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皆さん指摘されているように、漢字が少なく平易な書きぶりで、大変読みやすい小説でした。しかも、前半部分は、江戸川乱歩の少年探偵団みたいな感じで、ちょっといつもの雰囲気と違うかなぁと思っていましたら、後…半あたりから、乙一テイスト全開のミステリーサスペンスとなり、物語にどんどん引き込まれていきます。
さぁて乙一さん、どう結末をつける?と気になって気になってページをめくる手が早くなりました。文章は平易ではありますが、内容はハードです。もし映像化されるとしたらR指定は確実かもしれません。単なる謎解き小説では終わらないのが、乙一ワールドですね。 続きを読む投稿日:2024.03.03
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桜の森の満開の下
坂口安吾 / オリオンブックス
桜が咲く季節に読むには、ちょっと怖いかな?
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桜は、とくにソメイヨシノは全てがクローンなので一斉に咲きますよね。葉もなく、しかも並木のように植えられ一度に沢山の花を見ますので、誰もが不思議な高揚感に包まれてしまうものです。ある意味人を狂わせてし…まうのかもしれません。そんなことがモチーフになっているのかどうかはわかりませんが、恐ろしい話ですよ。しかもこれに美しい女性が絡むとなると。。。男は両方に惑わされたのかもしれませんね。
短編ですが、サクラ散る木の下で読むと、なお一層雰囲気が出るかも。 続きを読む投稿日:2024.04.08
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東京都同情塔
九段理江 / 新潮社
同情塔の効能?には疑問だが、言葉の深淵について考えさせられた
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芥川賞受賞ということで、手に取ってみました。
言葉というモノは、本当に難しいものなんだなと実感した次第です。物語の最初の方で「東京タワー」という名称についてのエピソードがありました。確かに、もし…「昭和塔」という名前だったならば、スカイツリーができた今、それでもなお東京のシンボルになっていたかは疑問です。AIで文章を綴るようになったとき、そのような未来予測ができるのでしょうか。また、東京同情塔ではなく、東京都同情塔という名称についての考察も、う~んと唸ってしまいました。確かに、たった一文字付け加わっただけで、印象は全く違ってきますね。
全体を通して様々な気づきがありましたが、個人的には「東京都同情塔」なるものに賛成はできないないなぁ。このような施設に入ることで、果たして人は幸せを、そして生きる満足感を感じるものでしょうか?
それがどうも最初から引っかかって、物語そのものにはのめり込むことができませんでした。芥川賞選評の中では、平野啓一郎氏の選評がなかなか興味深いものでしたよ。 続きを読む投稿日:2024.04.08
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太陽系時代の終わり
六角光汰 / 文芸社文庫
これは読者の想像力?イメージ構築力が試されるかな
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物語の内容は、作品情報に書かれていたり、他の人のレビューに書かれていたとおりのですが、作者の頭の中に描かれているであろうイメージが、果たして読者である私の頭にの中に描いているイメージが同じものかどう…か、それがちょっと心配になりました。三次元のものが二次元に見えると言われても、私の拙い想像力では、う~んと唸ってしまいます。
物語自体は大変興味深いもので、ページをめくる手が止まることはありませんでした。ただちょっと尻切れとんぼかな?他の人が書いておられるように、この先が知りたいと切に思います。 続きを読む投稿日:2024.04.08
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幸せなひとりぼっち
フレドリック バックマン, 坂本 あおい / ハヤカワ文庫NV
かなり前にダウンロード。全く忘れてたけどあの名画の原作でした
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トム・ハンクス主演でリメイクされた「オットーという男」という映画を見たのは昨年でした。小説上では主人公の名前はオーヴェとなっていましたが、読み進めているうちに、あれ~これってもしかしたら、と気がつき…ました。気がついた後は、私の頭の中では、オーヴェの顔は完全にトム・ハンクスと重なり、まるで映画を見直しているような感じで読み進めていきましたよ。
勿論、小説の方が映画よりも、より細かく主人公の心情のゆらぎみたいなものが良く述べられています。物語自体は今更言うまでもなく、ベストセラーになるべくしてなったという感じです。人間はつくづく人との触れあいの中で、生きていく、いや生かされていくものなのだと再認識いたします。
もしこの小説を読んで感動されたならば、是非、映画の方も見てほしいと思います。映画の方は、当然ながらどこか俯瞰的な描き方となりますので、主人公だけでなく、彼を取り巻く周囲の人々が生き生きと描かれています。きっとあなたも、こんなコミュニティがある地域に住みたいと思いますよ。 続きを読む投稿日:2024.05.09