Hachiroさんのレビュー
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生者の行進 1
みつちよ丸 / 少年ジャンプ+
全3巻一気読み
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以前なぜか他所のサイトで試し読みして気になってました。思い立って全3巻を購入し一気読み。読むのを途中でやめられない面白さはあります。3巻で終わっちゃうのであっけない感じはしますけど、ぐだぐだ引き延ばさ…れるよりずっといい。
読むか決めるのは「試し読み」を見てからにしてください。続きを読みたいと思った人にはお薦めです。
デビュー作だけあって作者の愛情が注ぎ込まれた作品のように思えました。電子書籍なのにカバーの折り返しやらカバーを取った本体の表紙までちゃんと収録されてますよ。
しかし、出産・子育てと同時に漫画家デビューって大変だっただろうなあ。 続きを読む投稿日:2019.08.24
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室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君
阿部暁子 / 集英社文庫
楠木正儀の生き様
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「義満と世阿弥と吉野の姫君」このサブタイトルは要らないんじゃない。というか作中でそれ以上に活躍するのが楠木正儀と観阿弥 (特に後半) 、本作ではこの二人が実は従兄弟という説を採用しています。
主…人公の内親王「椿宮透子」様は創作かな。南朝の亡き後村上天皇の末子で今上帝の妹にあたる数え13歳の姫君という設定です。表紙は長い黒髪をバッサリ切って男装し吉野の行宮を抜け出すところ。黒髪と衣装が高く売れて旅の資金にしようとしたもののいきなり置引きに金品を奪われ、なんとか京都にたどり着いて道を尋ねたら女子供を攫って売買する人売りで、という漫画のような始まりですが、しっかりとした考察のうえに成立する物語の絶妙な展開がすばらしく、また登場人物たち (鬼夜叉、義満、正儀、宗良親王ら) のセリフ一言一句が心に響きます。 (これうまく実写映画化したら大作になるんじゃないかなと思います。)
南北朝の無益な対立を和睦で終結しようとしながらも志かなわず病に倒れた後村上天皇。後村上天皇亡きあと南北朝統一の実現のため自身は汚名をかぶって生きる楠木正儀。「ありがとう、正儀」報われぬ楠木正儀をねぎらうために一遍の小説が誕生したのかもしれません。 (Wikipediaの楠木正儀の解説もすごいなあ。) 続きを読む投稿日:2019.09.06