食いしん坊花子さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から
似鳥鶏 / 幻冬舎
元警部のパティシエが、謎を解く……。
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パティシエ、というと華やかな洋菓子店を想像してしまいがちだけれど、
どちらかというと、落ち着いた喫茶店でのお話です。
喫茶店のマスターとその弟(元警部)のお店に、警察の元同僚やお客さんが来て……という…お話。
元警部のパティシエだけあって、日常ミステリーよりも、
もうちょっと警察モノとして犯罪がらみのものもあったり。
パティシエがらみの甘いものネタというより、添えられたスウィーツがじわっと心にしみる。そんなミステリーでした。レシピやそのスウィーツの説明などもあって、それも楽しめます。 続きを読む投稿日:2017.02.20
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ストーリー・セラー
有川浩 / 幻冬舎文庫
読者と作家の幸せな関係
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リボンのかかった表紙がすごいイイナー、と思いながら、
長年読まずにいたこちら。
これはラブレターとでもいうのでしょうか。
作家さんとその傍らにいる人の。
熱烈に信じてくれる読者と幸せな作家さんの関係…性が描かれてます。
運命や環境は甘くはないけれど。
続きを読む投稿日:2017.04.25
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二都物語(上)
ディケンズ, 池央耿 / 光文社古典新訳文庫
シドニー・カートンは無頼者ではない!
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ちょっと昔、シドニー・カートンは
文学青年の間では「男のロマン」の象徴のような存在だったと思う。
「ろくでなしでどうしようもない無頼者」だから、ルーシーに思いを打ち明けることができない、というのが
定…説だったようだ。
けれど、この新訳ではそうではない。
ただのアル中気味の優秀な弁護士で、
自分のためだとどうにもならないけど他人のためなら頑張れちゃうというタイプ。
だから、友達弁護士のために仕事をしてしまうし、
結局「ルーシーのため」という形で生きていく道を選ぶのだと思う。
少しかための翻訳ですが、見事な翻訳です。
ディケンズも喜んでいるのでは。 続きを読む投稿日:2017.03.09
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今からあなたを脅迫します
藤石波矢 / 講談社タイガ
テンポよく、楽しく、でも、グッと胸にささる!
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テンポのいい展開に「そんなこともあるかな」と思う間もない状態で
ページをめくっていきました。
脅迫屋というアイデアも面白いですし、
主人公の堅実な?ツッコミも面白いです。
そして思わぬ展開…にあっと驚き……物語としての読み応えもあります。
ドラマ化されるそうですが、楽しみです! 続きを読む投稿日:2017.10.16
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山よ奔れ
矢野隆 / 光文社
熱い男のものがたり!
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博多ののぼせもん、という言葉を初めて本作を通して知りました。
祇園山笠に命を賭ける「のぼせもん」という男たちの物語。
ただ、祭りに対する情熱を描くだけではなくそこに人間としての生き方、
姿を…描きこんだ力作です。
面白かったです。 続きを読む投稿日:2017.10.16
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和菓子のアン
坂木司 / 光文社文庫
和菓子の魅力と小説の魅力がマッチング!
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和菓子屋で働きはじめた主人公のアンちゃんと一緒に和菓子についても
学べてしまう、触れられてしまうミステリー。
和菓子についての知識が得られる魅力もさることながら、
それ以上に、魅力について教えて…くれる一冊です。
そして、若いアンちゃんを通して働くこと、人間関係について改めて考えてしまう。
軽いタッチで読めてしまう、けれど読んで心に残る一冊です。 続きを読む投稿日:2017.10.16