うねじいさんのレビュー
参考にされた数
27
このユーザーのレビュー
-
僕と『彼女』の首なし死体
白石かおる / 角川文庫
第29回(2009年)横溝正史ミステリ大賞優秀賞
2
冒頭、探偵役の主人公白石かおるが彼女の切断した冷凍首を渋谷駅ハチ公前に置く、というとんでもない展開から始まる。
白石かおるは総合商社に勤めるいわゆるいいとこに就職したエリートではあるが、唯我独尊的な性…格でお友達は同級生の野田だけみたい。
そして倉庫を改造した自宅の大型冷蔵庫には、首なし彼女の死体・・・・彼は犯罪者??
大学の先輩である上司の矢部副課長とその婚約者冴草秘書室長さんなどの登場人物が絡んでなぜ彼女の死体があり、その生首を白石君がハチ公前に置いたのかその謎が解かれていく。
しかし白石君の性格はイヤミなかんじで他者を見下しているようにみえる。
しかしその発想力は群を抜いており仕事においては抜群の評価を得て取引先の社長に、「面白い人で大物になることは間違いないが、大企業でない会社では大物すぎるあなたを受け入れる度量がない」と言われる。
そんな設定の白石かおる君を主人公にしたミステリー小説、結構楽しめるものでした。
続きを読む投稿日:2014.08.14
-
天使はモップを持って
近藤史恵 / 文春文庫
モップ片手に掃除屋キリコがオフィスの事件を推理する
1
これは面白く読めましたなあ、設定には?の部分がありますが、十代後半のミニスカートにポニーテールが似合う、キュートな女の子キリコが一人でオフィスビルのお掃除をしながら数々の事件を解決していく短編集。
キ…リコはお掃除が大好きで今日もせっせと床磨きに励んでいる。オフィスでおこる事件をデスクやトイレの使い方から人間の性格を判断し、ゴミの中から情報を得て、キリコが気になる大介とともに解決していく。キリコさんいい嫁さんになるんでしょうねえ。
続編も期待が持てます。 続きを読む投稿日:2014.07.10
-
我、天命を覆す 陰陽師・安倍晴明
結城光流, 伊東七つ生 / 角川文庫
安倍晴明 十二神将を式に
1
歴史上第一位の陰陽師である安倍晴明。
晴明が、強力な力を持つ洋の闇(吸血鬼)に囚われた橘の姫若菜を救うため、十二神将を式にするためそれぞれの神将と戦い、主と認められために心身ともに苦闘するさまを描く。…
そしてその試練を超え式となった十二神将を従えラスボスと戦う。
十二神将やラスボスとの戦いがもっと陰陽師の戦いを強調したものだったらと思うところもありますが、岦斉の思いなど絡めて読み終えました。 続きを読む投稿日:2014.08.13
-
カラスの親指 by rule of CROW’s thumb
道尾秀介 / 講談社文庫
盗賊仲間の隠語で詐欺師をカラスですが、騙されたあ!
1
第62回日本推理作家協会賞
最後の最後でテツさんにやられました!!!
闇金に人生を破たんさせられ、詐欺師として生活しているタケさんを中心に集まってきたテツさん、まひろにやひろ、そして貫太郎。
それぞれ…が抱える闇金業者に対する過去が(タケさんはさらに別の問題も抱えているが)、同じ闇金業者と解ったことから、詐欺を仕掛けることにより復讐を遂げ、過去を清算し新たな再出発をしようと奮闘する。結果は・・・・・・
闇金業者との駆け引き場面はウーンとうなり、でもそんな結論ってのあり、簡単に、と思ったが、最後の最後でのテツさんのオオガラスにやられましたなあ・・・! 続きを読む投稿日:2014.09.29
-
硝子のハンマー
貴志祐介 / 角川文庫
完全密室となった社長室での犯行方法は
1
第58回日本推理作家協会賞長編や2004年のミこのミスや本格ミステリーなどに高順位となった防犯探偵シリーズの第1作の密室殺人は、登場人物によっていろいろな推理が示されてはいたが、途中から犯人の視点で話…が進められており犯人や動機、犯行方法に及んで話が完結していく。それまでトリックは私にはわからなかった。
犯人や探偵役の防犯コンサルタント榎本径、弁護士青砥純子の心理等にもひきこまれ、とても読みごたえがあるいい作品だと思います。
シリーズ次作も読んでみたい感じです。 続きを読む投稿日:2015.01.06
-
ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~
三上延 / メディアワークス文庫
五浦大輔くんに栞子さんの返事はいかに
1
前作で大輔くんが告白して完結したと思っていたが、新たな展開に次回作がまちどおしい
これまでと同様持ち込まれた古書に関する謎解きを中心にに話は進んでいく。
ただ違うところは、その持ち込まれるなぞには栞子…さんの母親篠川智恵子が裏で演出しているような影が見え隠れする。栞子さんは大輔くんに返事をするために、母親と話をする決意をする。
母親との話の内容は、そして大輔君への返事は・・・・
最後には母親のひとこととともに、天敵との対決を予感させる展開に次作への期待が増す。
今回も古書の謎ときには感心する。古書店の人で本の虫という設定ではあるが、何でもかんでもすぐに知識が出てくる、記憶しているのが信じられない。特に母親の智恵子は、本の内容まですらすらと・・・あまりにも超人。
しかしよく読んだブラックジャックの話には引き込まれ、ただふーんとうなるだけだった。 続きを読む投稿日:2015.01.09