うねじいさんのレビュー
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ハサミ男
殊能将之 / 講談社文庫
第13回メフィスト賞 連続殺人犯が探偵
3
美少女連続殺人者「ハサミ男」が、犯行を計画し調査中であった3人目の犠牲者が、美少女連続殺人者「ハサミ男」の手口(ひもで絞殺しノドにはさみを突き立てる)により殺害され、その死体発見者になってしまった。
…ハサミ男は模倣犯を突き止めるべく調査を開始する。
ハサミ男は、出版社に勤めるバイト君だが、何度も自殺未遂を行う自殺癖のある死にたい君で、そのたびに現れる厭味ったらしい医者に意見をされている。
そのハサミ男や刑事が本編の読者ミステリーマニア(私のこと)をミスリードしながら、最後に模倣犯である意外な真犯人にたどりつき、美少女連続殺人者「ハサミ男」は大どんでん返しの結末に・・・・
最後まで読んであっと言って、この結末を前提に改めてもう一度読まなければ気が済まない今の状態です。
続きを読む投稿日:2015.07.11
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天使のナイフ
薬丸岳 / 講談社文庫
第51回江戸川乱歩賞 少年犯罪をテーマのミステリー
3
13歳の三人の少年に妻を殺害された夫は、少年法で保護された少年の名前はもちろん何も情報を知らされない残された遺族の日々の生活する苦悩の中で、妻はなぜ殺されたのか、その真相を求めていくミステリー、一気に…読んでしまいました。
犯罪を犯した少年が殺されその少年が残した「本当の贖罪」の意味を追って、弁護士や厚生施設職員、ルポライターと少年たちの人権や少年たちは自分の犯した罪と向き合っているのかさらには本当の更生とは何か、を追求しながら、知らされなかった妻の過去や殺害された理由にたどり着く。
少年凶悪犯罪が増えている現在において、少年加害者の人権、被害者の人権、被害者家族への情報を含めたケア、いろいろなことを考えさせられるストーリーでした。
続きを読む投稿日:2015.03.03
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ナモナキラクエン
小路幸也 / 角川文庫
父が最後に言ったラクエン、父の目指したラクエンは
4
大学生の山(サン)、高校生の紫(ユカリ)、中学生の水(スイ)、小学生の明(メイ)、母の違う4人の兄弟姉妹、夏休み前長兄のサンに「楽園の話を、聞いてくれないか」といって亡くなった父、そしてその家族を取り…巻く父の友人などの人達がおりなす、人を想う気持ちというものに暖かく感じることができました。すべての登場人物に悪い人がいなくて、いい人ばかりで・・・・こんな父もいないだろうし、その友人も・・と思うのは私だけかナ。
父の遺言から4人の母の所在を知り、夏休みの間にそれぞれ生みの母に会いに行くが、子供を捨てて家を出た理由はいずれの母の語らない。それはなぜか・・・
サンの恋人はるかさんのスタンスがよりいいですねえ。
ミステリーじゃないけれど、読み終わってこの本好きになりました。
続きを読む投稿日:2015.01.15
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推定脅威
未須本有生 / 文藝春秋
第21回(2014年)松本清張賞受賞作
3
自衛隊戦闘機の開発をめぐるサスペンス
領空侵犯した航空機を、スクランブル発進し追跡する自衛隊機が墜落した原因に不審を抱いた製作メーカーの沢本由佳技術員が、上司や当時の開発技術メンバー、自衛隊航空パイロ…ットらの協力を得ながら、開発を巡る闇の部分を明かしていく。
航空機メーカーで戦闘機開発にも携わった経験があるという作者が、その専門的知識をいかんなく発揮した細かい描写に「ふーんさすがにネ」と感心してしましました。
素直に読み終える作品だと思います。
続きを読む投稿日:2015.01.09
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ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~
三上延 / メディアワークス文庫
五浦大輔くんに栞子さんの返事はいかに
1
前作で大輔くんが告白して完結したと思っていたが、新たな展開に次回作がまちどおしい
これまでと同様持ち込まれた古書に関する謎解きを中心にに話は進んでいく。
ただ違うところは、その持ち込まれるなぞには栞子…さんの母親篠川智恵子が裏で演出しているような影が見え隠れする。栞子さんは大輔くんに返事をするために、母親と話をする決意をする。
母親との話の内容は、そして大輔君への返事は・・・・
最後には母親のひとこととともに、天敵との対決を予感させる展開に次作への期待が増す。
今回も古書の謎ときには感心する。古書店の人で本の虫という設定ではあるが、何でもかんでもすぐに知識が出てくる、記憶しているのが信じられない。特に母親の智恵子は、本の内容まですらすらと・・・あまりにも超人。
しかしよく読んだブラックジャックの話には引き込まれ、ただふーんとうなるだけだった。 続きを読む投稿日:2015.01.09
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硝子のハンマー
貴志祐介 / 角川文庫
完全密室となった社長室での犯行方法は
1
第58回日本推理作家協会賞長編や2004年のミこのミスや本格ミステリーなどに高順位となった防犯探偵シリーズの第1作の密室殺人は、登場人物によっていろいろな推理が示されてはいたが、途中から犯人の視点で話…が進められており犯人や動機、犯行方法に及んで話が完結していく。それまでトリックは私にはわからなかった。
犯人や探偵役の防犯コンサルタント榎本径、弁護士青砥純子の心理等にもひきこまれ、とても読みごたえがあるいい作品だと思います。
シリーズ次作も読んでみたい感じです。 続きを読む投稿日:2015.01.06