パドラッパさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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原発再稼働 葬られた過酷事故の教訓
日野行介 / 集英社新書
規制庁や行政のロジックを見事に腑分け
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毎日新聞での調査報道を再構成し再考した一冊。例えば避難計画に実効性が無いばかりか虚構の積み上げになっていることが顕わになっていく。何故こうなるかというと、事故に備える構えのはずが、再稼働のため作ってお…くものに転倒しているから。その他リアタイでは理解しがたい展開が「彼ら」それぞれのナラティブでは普通の物事であるというギャップが丁寧に分析されていて、興味深くも暗澹とした。 続きを読む
投稿日:2023.06.28
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おいしいベランダ。 亜潟家のアラカルト【電子特典付き】
竹岡葉月, おかざきおか / 富士見L文庫
通知してくれたらいいのに〜
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「おいしいベランダ。」全10巻(+1)のシリーズ後を描いた短編3本と、こぼれ話的な印刷書籍の特典SS12本がとても楽しかったです。お話と食レポの両面でごちそうさまでした。あぁ、海南鶏飯食べたい。
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2021年6月に完結するまで発売即読みしていたシリーズの続編が2022年6月に出ていたことに、2023年6月に遅ればせながら気が付きました。購入した本の続巻をwebの本棚から見る機能がついたおかげですが、他書店には普通にあるシリーズ続刊通知機能が無いのは困りものですね。毎日のように送られてくる割にハズレが多いリコメンドをあらためて検索しましたが、そちらには入っていませんでした。 続きを読む投稿日:2023.07.04
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都市と野生の思考(インターナショナル新書)
鷲田清一, 山極寿一 / 集英社インターナショナル
射程の長い話は古びない
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2015年に行われた対談録。シジュウカラの鈴木俊貴氏と山極氏の共著が2023年8月に出るにあたって検索していて引き寄せられた。
1980年代には「成熟社会」や「少子高齢化」は悪いことではないと考えて…いたが、グローバリゼーションにあって貧困と格差に覆われているとの現状認識。地域社会の小商いは大資本の流通に勝てないと、錦市場の目線で語られる。人類が類人猿との共通祖先から別れて700万年の特質とも絡めて、資本主義の不自然さが浮き上がってくる。
また、liberalの本意は気前が良く大らか、そして豊富であるためにとらわれない自由。これが政治的な自由や自分勝手のlibertyとしばしば混同されているという指摘も興味深かった。 続きを読む投稿日:2023.07.28
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ホーキング、ブラックホールを語る BBCリース講義
スティーヴン W ホーキング, 佐藤 勝彦, 塩原 通緒 / ハヤカワ文庫NF
「宇宙を語る」の電子化希望
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BBCラジオで2016年に行われた15分2コマの講義録。量子宇宙論によってブラックホールのインフォメーション・パラドックスを解くという超難解な話題を30分で語りきってしまうという凄まじい内容。ニュート…ン宇宙論に少し相対論が入った程度の理解しか無い私には、とてもいい入門だったと思う。もう少し突っ込んだ本を読んでみたくなったが、筆頭候補の「宇宙を語る」が電子化されておらず残念。 続きを読む
投稿日:2023.08.09
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腸よ鼻よ 09
島袋全優 / KADOKAWA
来月最終巻が出ます(2023/09/22予定)
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入院病棟からの外出で寿司を堪能できるようになり、病をほぼ克服したかに見えたのが前巻の締め。
し・か・し、そうは問屋が卸さない。ここにきての驚愕の展開に難病の難病たる所以を突きつけられつつ、ギャグを手…放さない作風が見事。これが本当に落ち着くのか目が離せません。 続きを読む投稿日:2023.08.18
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140字の戦争 SNSが戦場を変えた
デイヴィッド パトリカラコス, 江口 泰子 / 早川書房
ナラティブ戦の実態を追求した初期の1冊
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少し前の本(原著2017年、邦訳2019年)で、語られている内容に懐かしさを感じると同時に、今日に地続きで感嘆するところが多かった。
その中でも、マイダン革命やクリミア編入でウクライナに緊張が走って…いた2014年にロシアの「トロール工場」(ネット言論捏造・荒らしのパイロットプラント)で働いていた若者の話が興味深い。その主がワグネルのプリゴジンで、彼らにX Blueを売ることのヤバさなどに思いをめぐらせている。 続きを読む投稿日:2023.08.22