センスの哲学
千葉雅也(著)
/文春e-book
作品情報
あなたのセンスが良くなる本!
哲学三部作のラストを飾る一冊がついに誕生
服選びや食事の店選び、インテリアのレイアウトや仕事の筋まで、さまざまなジャンルについて言われる「センスがいい」「悪い」という言葉。あるいは、「あの人はアートがわかる」「音楽がわかる」という芸術的センスを捉えた発言。
何か自分の体質について言われているようで、どうにもできない部分に関わっているようで、気になって仕方がない。このいわく言い難い、因数分解の難しい「センス」とは何か? 果たしてセンスの良さは変えられるのか?
音楽、絵画、小説、映画・・・・・・芸術的諸ジャンルを横断しながら考える「センスの哲学」にして、芸術入門の書。
フォーマリスト的に形を捉え、そのリズムを楽しむために。
哲学・思想と小説・美術の両輪で活躍する著者による哲学三部作(『勉強の哲学』『現代思想入門』)の最終作、満を持していよいよ誕生!
――――――
さて、実は、この本は「センスが良くなる本」です。
と言うと、そんなバカな、「お前にセンスがわかるのか」と非難が飛んでくるんじゃないかと思うんですが・・・・・・ひとまず、そう言ってみましょう。
「センスが良くなる」というのは、まあ、ハッタリだと思ってください。この本によって、皆さんが期待されている意味で「センスが良くなる」かどうかは、わかりません。ただ、ものを見るときの「ある感覚」が伝わってほしいと希望しています(「はじめに」より)。
――――――
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商品情報
- シリーズ
- センスの哲学
- 著者
- 千葉雅也
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春e-book
- 書籍発売日
- 2024.04.05
- Reader Store発売日
- 2024.04.05
- ファイルサイズ
- 1MB
- ページ数
- 256ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (15件のレビュー)
-
「これはセンスがよくなる本です」の言葉の真偽のほどはわからないけど、センスとは何か、センスを生活の中でどうとらえていくかという事はよくわかった。
本の内容には直接関係ないけど、4章まで読み終えたところ…にあった「前半のまとめ」がよかった。
論説文をフムフムと読んでいて、途中で「それで結局どういうことだったっけ?」となることがあるのだけど、まとめがあったお陰でそこまでの内容がしっかり整理されて、後半もスムーズに読めた。
このスタイル、広まってほしいなぁ。続きを読む投稿日:2024.05.16
口語でゆっくりと論が展開されるのでかなり追いやすい。哲学への橋渡しが丁寧なので、学習の起点としても有意義だと思う。
他方、自分はどちらかといえばセンスがある(美的感覚についての関心が強く、インプット量…が多い+楽しみ方を知っている)と自負している人間なんだけど、記載内容についてはある意味腑に落ち"すぎる"というか、どうもセンスのよさを自認している作者が自分のアプローチを定式化した内容ではという気がしてしまう。
たとえば、裾の折り返しがチェックになっている七分丈パンツは2024年現在どんなコーディネートでも取り繕えないようなダサアイテムなわけだけど、あれはあれでラウシェンバーグ的リズムが働いていると捉えられるわけで、ではなぜ世間一般で「センスが悪い」扱いなのか?という疑問には本書のフレームワークだけだと回答できない気がする。「センス」という言葉の持つ他者性への言及がないので、センスっていうよりは芸術に関する手引書と言ったほうが正しいのかな。
まあ、一気読みして消化不良を起こしているかもしれないので、また読みます。続きを読む投稿日:2024.05.19
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