この作品のレビュー
平均 3.6 (22件のレビュー)
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久しぶりの角田光代
表紙の黒猫が不穏
黒い帯も不穏
最後まで不穏
〈 予測不能な世界を生きる私たちに切実な問いを投げかける新たな代表作〉
二人の主人公
飛馬と不三子、その人生が交互に語られる
そし…て、コロナ禍の子ども食堂で出会う
年齢も環境も違う二人
(子ども食堂で、今、ボランティアをしている私だけれど)
時代に翻弄される様子は読んでいて辛い
すべてリアルだけれど、不穏
著者は何が語りたかったのだろう?
今まさにこの時代を激写しているようにも思えるのだが
なぜか私との隔たりを感じてしまう
不三子と同世代なのだが
何を信じて生きていけばいいのか
示唆に富む言葉がたくさんあるけれど、
ちょっと薄紙を張られているようで
時間が流れ、特に解決もせず、読者に委ねられる
≪ 方舟は なかったほうが よかったか ≫続きを読む投稿日:2024.04.04
このレビューはネタバレを含みます
1967年、昭和42年、鳥取で生まれた飛馬と、東京の高校二年生不三子。
レビューの続きを読む
歳も、環境も、ちがう2人の、昭和平成令和とつながる人生。どこまでも重なる所のないようなそれぞれの人生が、子ども食堂、という接点で…繋がる。
世界は嘘や、デマで覆われている。悪意のあるもの、善意に基づくもの、意識的なもの、無意識に生まれるもの。その嘘、あるいはデマに私たちは日々さらされている。
SNSを流し見ているとその嘘とデマの波の激しさと息苦しさと一緒に、ある種の心地よさも感じる。
本当のことかどうかなんて関係なく拡散されていく。信じるか信じないかは自由だから、個人の判断だから、そして誰かの役にたつかも知れないから。
口裂け女やこっくりさん、UFOやスプーン曲げ、そして誰もが震えた恐怖の大王の降臨。そのひとつひとつが懐かしさとともに甦る。周りの友だちと一緒に「恐怖」を味わう、一緒に震える、そこにある共感と共振。
それは戦中の「日本は負けない」という妄信と何が違うのだろうか。
不三子を、働いたことのない無知な女で、自分の信念を人に押し付けて回る迷惑なヒトとして描かないところに、角田さんの誠実さを感じる。そう描けばわかりやすいだろう。愚かな女として、まっすぐ方舟に乗り込むヒトとして。でもこの世に生きるその他大勢の人々はそのほとんどが不三子なのだろう。
自分が得た情報で、自分の頭で考えて、自分でよいと思った道を行く。それが隣にいる誰かにとっては間違ったことであったとしても、それは自分の世界では正しいことだから。でもそれを他人に押し付けはしない。
子どもを産み育てるとき、情報というのは諸刃の剣だ。無知は危険だが、なんでもかんでも情報を仕入れるとただただ混乱する。今日の正は明日の誤かもしれないのだから。
飛馬の間違った情報を誰かに伝えてしまうかもしれない、という恐怖もよくわかる。母親の死の、その本当の理由がわからない限りは、多分どこまでも取りつかれていくのだろう。それでも、そうであったとしても、行動しようとする飛馬の明日はきっと明るいはず。
読みながら感じる寄る辺なさ。この心もとない感覚はなんだろう。
何を信じ、何を疑うか。あるいみ妄信できるものがある人は幸せなのかもしれない。
疑うことなくひたすら救いを来世を信じ方舟に乗りこめる人は、幸せだろう。
方舟を燃やすことで私たちは何を手に入れるのだろう。
私たちは方舟を必要としているのだろうか。自分が方舟に乗る、と、どうやって決めるのだろうか。続きを読む投稿日:2024.04.26
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