千の夏と夢
鯨庭(著)
/トーチ
この作品のレビュー
平均 4.0 (8件のレビュー)
-
5話収録。
書籍タイトルには『夏』と含まれているが、作中で明確に夏と伝わってくるのは5話目の表題作のみ。
1・2話目はそれぞれ夢幻のようなおとぎ話。
3・4話目は現代にほど近い近代世界をベースに描い…たと思しき連作。
5話目は明らかに現代日本が舞台の奇譚。
いずれの話にも空想上の生物が登場し、共通してみられるのはそれら未知なるものへの’畏れ’と’交流’。
そして、いずれからも作者の激情が見て取れる作品集。
諦めや欲・もどかしさなどから湧き上がる’怒り’が思いの外どストレートに表現されている印象。
中でも〈ばかな鬼〉の話が個人的に好き。
表紙絵は大変圧巻だが、生物の質感というか羽毛の感じや細かな毛並みの雰囲気までが伝わってくる。
1刷
2022.7.24続きを読む投稿日:2022.07.24
『言葉の獣』(鯨庭)の関連で知った『千の夏と夢』。
「昔から語り継がれてきた伝説上の生物に関する物語はこういうお話もあったかもしれないよね」と想像を掻き立てられ、
読むスピードと涙で目が赤くなる速…度が速かった1冊でした。
本書を読む以前から【龍】について読んできた感想としましては、
久々に妙心寺の鳴き龍のような【東洋らしい威厳ある顔つきの龍】を見た気がしました。続きを読む投稿日:2023.08.24
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