ゼロ年代の想像力
宇野常寛(著)
/ハヤカワ文庫JA
作品情報
かつて社会は「大きな物語」に支えられていた。その効力が失われた今、私たちはどう生きていくべきなのか。ゼロ年代に生まれた想像力は新たな物語を提示しえたのか――。文学、アニメ、ゲームからテレビドラマまでを縦横無尽に論じ、停滞する「批評」を1冊で再起動させた、宇野常寛による衝撃のデビュー評論。2008年の単行本版発売以降、3.11後までを総括する4万1千字の語りおろし原稿を追加した文庫版を電子書籍化。
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商品情報
- シリーズ
- ゼロ年代の想像力
- 著者
- 宇野常寛
- 出版社
- 早川書房
- 掲載誌・レーベル
- ハヤカワ文庫JA
- 書籍発売日
- 2011.09.15
- Reader Store発売日
- 2013.06.18
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 480ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (71件のレビュー)
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良くも悪くも「サブカル」評論
巻末の著者インタビューによると、東浩紀とその追従者を批判するために書かれた本とのことです。実際に何度も何度も入れ替わり立ち替わり、舞い戻っては東浩紀批判とが繰り返されます。また「大きな物語」「ポストモ…ダン」などの用語が特に詳細な説明もなく、自明のものとして使われています。評論全般というよりも、東浩紀氏の著書をある程度読んでいる人を対象としているものと思われます。
が、その批判の内容はあまり公正とは言えません。東氏の主張をいわゆる「セカイ系」と関連付けて批判を展開していくのですが、東氏の著書の内容を引用し「セカイ系=きみとぼくの関係が中間要素を介することなしに直接世界の終わりに関係している」として紹介しながら、本文中では「精神主義・ひきこもり」を意味する用語として批判しています。そしてその定義のすり替えは本文ではなく、章末の注釈に小さく書いているだけです。これでは著者が批判する意味での「セカイ系」を東氏が本当に擁護しているのか明らかではありません。こうなると、所々で出て来る、出典を示さずに「東氏はこう言っている、しかしそれは間違っている」という形での批判が本当に正当なものなのか、誤読、こじつけではないか、という疑問も出て来ます。
東浩紀批判以外の本書の内容はアニメ、特撮、ゲームに留まらず、テレビドラマ、邦画などを手広く扱い、著者の言う「決断主義」(究極的には無根拠でありながらもあえて一つの立場を選択すること、だそうです)をいかに克服するかを論じています。が、この「究極的には無根拠」という点がどうにも同意できません。その人の立場や価値観によって根拠が違うという場合はもちろんありますが、それを突き詰めれば無根拠というのは違うと思います。著者の言うように、究極的には無根拠(どちらが正しいかわからない)でもあえて一つの立場を選ぶということもあることは否定しませんが、それでも常に「究極的に無根拠」と言い切ってしまうのは、思考停止であり、中二病をこじらせただけの様に思われます。
著者は同時多発テロと小泉構造改革で「引き籠もり(セカイ系)のようなことを言っていては生き残れない」(「サヴァイヴ感」だそうです)となり、決断主義主義が台頭したとしていますが、特にそれ以上の社会、国際情勢に対する説明はしていません。大きな物語、ポストモダンを口に為ながら、ソ連の失敗とか冷戦構造の崩壊とかが出てこないのは斬新といえば斬新です。社会評論には手が届かないかわりに手広く「サブカル」作品を扱った、良くも悪くも「サブカル評論」としか括りようのない本、といった所でしょうか。続きを読む投稿日:2014.04.28
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どこかのブックガイドから。ハヤカワ文庫から、ってのがちょっと意外な気もしたけど、JAのラインだとこういうのもアリなんかな?2000年をまたいでの前後10-15年くらいにおける、主にエンタメ界隈からのぞ…いた世相論。取っつきにくい印象だけど、小難しい部分を半ば読み飛ばすくらいの感じで読むと、それなりに楽しく読み通せる。でも、文中で大きく取り上げられている作品のうち、おそらく半分以上に触れてきていないこともあり、理解は不十分。かといって、それら作品に触れた上でもう一度本書を、とまでは思わんかな。続きを読む
投稿日:2023.07.21
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