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小田雅久仁 / 双葉社 (221件のレビュー)
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総合評価:
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忍び寄る怖さ
淡々として平易ではあるが底の見えない不気味さ.仄暗さを湛えた語り口.文体が大変に良い。自分自身のものだと信じて疑わなかった生活.家族が突然にすり替わったら という、SF ファンタジーなストーリー設定を…非常に自然に表現している。テーマである「満月」の扱いも大変に巧みである。続きを読む
投稿日:2023.03.19
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レイチェル
3.5点 月を見るたびに思い出してしまうような、重厚な物語集 残月記は、壮大で感動的で、最後は冬芽の幸せを祈ってはやまない作品でした。 時代設定は20年くらい先の未来のお話。 コロナ渦を思わせるような…、感染しただけでその人を排除しようとする思想が蔓延し、自殺者や引っ越しを余儀なくされた人々が大勢いたあの2020年を連想させる感染症がある世界。その中で感染者が懸命に生きる人々のお話。 SFと呼ぶにはあまりにもリアルな日本を描いているようで、変な緊張感をずっと感じるストーリーでした。 月がふりかえる 最後、タモリさんが黒いスーツで解説してきそうな不思議なお話で、大変好みでした笑続きを読む
投稿日:2024.05.12
rotas
小田雅久仁の残月記を読みました。 月に纏わる三部作で、最後の本のタイトルの残月記が五分の三を占めています。 未来の話で、月昂と言う病気が広がります。 月昂にかかると満月の日に異常に欲情して力もみなぎり…ます。 発症すると、三年くらいで亡くなってしまいます。 政府は、捕らえて収容所に隔離します。 主人公の冬芽は、捉えられますが、剣道をしていたのを見込まれ、コロセウムのような悪趣味な競技場で剣闘士として戦います。 なかなか面白かったです。 映画になりそうですが、かなりCGを駆使しないと大変そう続きを読む
投稿日:2024.04.24
satokmomo
このレビューはネタバレを含みます
物語に引き込まれて、本を閉じることができませんでした。 短編集でよかった…長編やったら終わりでした。 そして月がふりかえる 途中で絶望して、なんとか状況変わらないかと願ったけれど変わらないまま、でも最後にぼんやりとした希望が…… こんな悪夢ある? という話でした。自分の居場所が別の誰かに奪われてしまうってあんまりじゃない? そして何よりもやるせないのが、ただの運命の悪戯みたいに意味もなく奪われてしまったこと。 天災とかよりももっとやるせないんだけど…… こんな夢を見たことがある気がする。つらたん。 月景石 【そして月がふりかえる】の余韻が残っていたのも数ページ、またあっさりと引き込まれてしまいました。 女の主人公もこんなに上手に書くのか‥天才。 夢の中で、今まで知っていたはずのことがわからなくなって不安になることがたまにあるんだけど、そんな不安をうまく表現していて引き込まれてしまった。 現代の話と大月桂樹が月にあるイシダキ達の話が交差しながら進んでいき…… 最後はどうなったの? これはハッピーエンドなの? ただ一つ言えることは、澄香は全力で生きている。 残月記 月昂という感染症が蔓延している世界の話。 月昂者は満月の時に体力的・精神的に充実し、常人の何倍もの活力を得るが、新月の時には瀕死状態になり、何%かは死に至る。 体液などからも感染するようで、月昂者は隔離施設に移され、死ぬまでその中で管理される。 これはそんな月昂者となった宇野冬芽のお話。 世界観が素晴らしすぎて、その中で冬芽と瑠香の愛が切なくて胸を打った。 最後に冬芽が「瑠芽ニ捧グ」彫刻ばかりの洞窟で瑠香を抱いて死んでいるのが発見された時、泣いちゃった。 世界をまるごと一つ彫りあげて、瑠香にそっくりあげる その約束のために、ずっと作り続けてたんだね。そのために生きてたんだね。 最後に瑠香と再会し、抱き合いながらのハッピーエンド、それはただの死ぬ前の夢だと冬芽がどこかで感じていたけど…… でも私は本当に会えたんだと思ったよ。 全部「月」以外に共通点のない話。 それなのに書き切るこの筆力はなんなんだ。 すごすぎる本当に。
投稿日:2024.04.21
nana
初めて読んだ作家さん 月がテーマ ・そして月がふりかえる 月×パラレルワールド的な。どことなく村上春樹の1Q84を彷彿とさせる気持ち悪さ。後味がスッキリするわけでもなく。 ・月景石 パラレルワール…ドが融合していくのが気持ち悪かった… 急にファンタジー要素が強くて、入り込むのがちょっと大変だった。続きを読む
投稿日:2024.04.11
夲子
グラディエーターとアジアの某国の情勢を足して2で割ってファンタジー風味もつけた印象の表題作。 こう書くとつまらなそうだが、情景も登場人物たちの心情もとてもイメージしやすい上に、入り込める。既存の映画作品のせいかとも思ったが、どの中編も同じなので、表現力が高いのだと思う。気がつくとムーンワールドに連れてかれている。 ファイトネームにユーモアを感じて毎度少し笑ってしまったが、ルカへのあまりに強い想いに涙腺が弛む。トウガの脳が作り出した今際の際の幻想ではなく、そこに確かにルカの魂があれば良いと願いながら聴了。 他の2編もイメージが強烈でとってもいいのだけれど、途中で終わる感じで勿体ない。 男性と女性でナレーションが別れていたのも良かったと思う。ジャスミンの香りの話はショックであった…
投稿日:2024.04.10
しんご
月にまつわる三つの話。(それぞれ別の話。)三つの話とも、その世界観に入り込むまでは、時間を要してしまったが、入り込むことができれば、とてもおもしろい。個人的には二話目の「月景石」が一番おもしろかった。
投稿日:2024.03.23
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