【感想】ハヤブサ消防団

池井戸潤 / 集英社文芸単行本
(353件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
53
155
114
17
0
  • いまいちテンポが悪い!

    池井戸さんらしからぬ内容、どこまで読んでも何がはじまるのか、何を表現したいのかが分からない。はっきり言って期待外れだった。

    投稿日:2022.11.12

  • 従来の作品とは違う

    この作者の代表作と言える「半沢直樹シリーズ」があまり好きでないので、半信半疑という心持ちで読んでみた。「ほー このような作品もかけるんだ。」という感想を抱いた。自然描写や人物の造形が従来作品とはかなり異なっているのでやや戸惑ってしまうところがある。まあ新しい作風に挑むのいいかな という感じがした。続きを読む

    投稿日:2023.02.28

  • ドラマ版と結構違うオリジナル

    気になってドラマ版のあらすじをざっと確認したけど、原作とかなり違うのね。
    特に、主人公が作家としての能力を発揮して、彩の洗脳を解くためのツールとしてオリジナル脚本を書き上げるっていうのは本書にはない挿話で、こっちの方がいいじゃんと思ってしまった。
    "職業柄、人間観察には長けているんだ"と嘯く割には、結構な頻度で騙されちゃってるので、小説家っていう設定じゃなくてもいいようなと感じてたので、ドラマを最初に観てたら印象がかなり違いそう。

    ただ、作中の勘介はいいわ。
    「太郎くん、ヘボ取りにいかへん?」など能天気な感じが好き。
    「サンカク行こうよ」から始まり、「蛍見にいかへん?」「猪の肉を食べへん?」とたびたび勘介が呑気に電話をかけてくるので、"実はコイツ、安心させといて..."と疑ってたけど、そのまんまのキャラで好感が持てた。

    いいまでの企業物とは違って、組織の中のタテ社会の論理が皆無で、消防団長にも気安く冗談を放つし、町長にも平気で面と向かって憎まれ口を叩く。
    通常はそこから上司や親会社の理不尽な要求、部下や子会社の悲哀からの挽回、爽快な逆転劇、胸のすくような啖呵となるのだけど、ファンが期待しているような持ち味は本書では見られない。

    そもそも絶体絶命の逆境に主人公が陥らないのもいままでと違う感じ。
    抜け出すためには後は這い上がるだけという必死な状況にはならず、今回の事態も遠巻きに傍観しておこうと思えばできる。
    話の焦点が、自分の知らない父親の足跡を追う物語なら必然性もあるのだけど、ただ「ハヤブサは俺たちが守るんだ」っていう共同体団結の確認作業という一面も。

    面白いなと思ったのは、山村の由緒あるお寺の住職の来歴。
    誰だって代々受け継いだ地元の方と思っちゃうけど、実は跡取りがなくて縁もゆかりもない県外から来てるっていうのが多いってのは意外だった。

    あと物語の構図自体も面白かった。
    どこからともなくやってきた宗教団体と地元住民の対立という話は珍しくないけど、それが今時の太陽光発電の用地買収を隠れ蓑に進められていき、応じない家には火をつけて金に困らせて売らせるっていう手口は、現実に進行してるんじゃないかという気にさせられた。
    それと誰が隠れ信者になったかわからず地元住民の中で疑心暗鬼が生まれていく様子や、そうでなくも少なくなっていく檀家がますます奪われる危機感から、否が応でも対立の当事者に加わらざるを得ない地元の住職たちというのも、リアリティを感じさせる。
    続きを読む

    投稿日:2023.11.24

ブクログレビュー

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  • hibiscum

    hibiscum

     おもしろかったです。
     田舎に引っ越してきたのんびりした日常から始まり、ご近所付き合いが頻繁にあって、事件が起こり、巻き込まれ、意外な展開があり、どうなるか分からずにクライマックスを迎えるという見事な序破急ぶりである。読み進めるにしたがい、読書を中断できなくなってしまう。
     田舎ならではの風習、姻戚関係、哀しい歴史、などが盛り込まれ、うまく日本の地方における近現代史を描いているようにも思える。
     こんな500ページ近い作品を一気呵成に読ませる作者の筆力にあらためて感心する。ストーリー展開、人物配置、描写、のどれをとっても素晴らしく、ベストセラーなのも当然だと思った。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.12

  • ゆう

    ゆう

    このレビューはネタバレを含みます

    亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移り住んだミステリ作家の三馬太郎。地元の人に勧誘され消防団に入団することになるのだが、次々と起こる連続放火事件に遭遇してしまう。太陽光発電を取り付けるために土地の売買を持ちかけている真鍋が犯人なのはわかったが、裏に宗教問題があり死人怪我人を多数出し、日本を震撼させた新興宗教を思い出した。映像クリエーターの立木彩が怪しいか?寺の住職は?町長も絡んで悪だくみをしてるか?思考があっちこっちに言ってしまい、一気読み。ドラマを見なかったのだが、本との違いを楽しむために見てみようかな。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.04.12

  • sukonbu

    sukonbu

    父の故郷の自然に魅入られハヤブサ地区へ引っ越してきた作家・美馬太郎。
    地元の消防団に入団するが、連続放火事件が発生していることを知る。
    第36回柴田錬三郎賞受賞作

    ドラマを先に見た派です。原作とドラマ、結構違いますね。
    中山田のキャラはドラマが好き、末尾は原作が好きかな~
    次々に展開する話、ハラハラする火事の描写、惹きこまれる展開でした。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.05

  • にほけ

    にほけ

    ミステリー作家の三馬太郎は幼き頃に住んでいたハヤブサ地区に父が他界した事で東京から移住をし、田舎ならではの生活に新鮮さと平穏な気持ちを持ったのもつかの間、小さな集落での連続放火が起こり真実を追求していく。475Pだがスラスラと読みやすかったです。ドラマ放送とは違う所も多々あるが、原作の方は読者の想像を掻き立てる表現があります。太郎がハヤブサ地区の人達と信頼と絆を深めていくのが気持ちほっこりします。ただ最後の進め方が早すぎる気がしました。個人的にはちょっぴりミステリー要素がある内容と勘介のキャラが良かった。続きを読む

    投稿日:2024.04.03

  • メガネ

    メガネ

    面白くてグイグイ引き込まれてます。
    読んで損はない作品だと思います。
    テレビドラマの原作者としては知っていましたが、他の作品も読んでみたくなりました。

    投稿日:2024.03.31

  • なえまる

    なえまる

    474ページ
    1750円
    9月12日〜9月14日

    田舎のハヤブサ地区の桜屋敷に引っ越した小説家の三馬太郎。消防団に入り、地域の活動にも参加する。ハヤブサ地区では、火事が相次いでおり、疑われた浩信も水死体で発見された。平和だった田舎町に少しずつ 忍び寄る怪しい影、相次ぐ火事。事件の裏には ソーラーパネルの会社と深い繋がりのある新興宗教が…

    ドラマと並行して読んだので、ドラマと原作の違いに少し混乱しながらも楽しめた。1つ謎が解けたと思ったら、怪しい人が事件に巻き込まれ、その規模が少しずつ大きくなり、まさかの新興宗教にまで広がっていく。田舎の良さと煩わしたがうまく描かれていた。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.29

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