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原田マハ / PHP文芸文庫 (234件のレビュー)
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総合評価:
理科好き
いりびと(異邦人)の意味
題名にルビがふってあるように,「いほうじん」ではなく「いりびと」です。 キーワードはまず『京都』,そしていつものように『絵画』,そしてこの作家さんには珍しい設定の『仕掛け』が最後にびっくりさせてくれ…ます。 最初の方は,勝手気ままなお嬢さん育ちの画商の妻っていう感じでしかないのですが,一人の画家の卵との出会いが運命を大きく変えます。 最後の70~80頁ぐらいは,一部は予想できたものの,ちょっと意外な感じでした。これからの作品に拡がりができるかという期待も含め,5つ星の評価としました(お気に入りの作家さんなので,少し甘めですが。)続きを読む
投稿日:2018.03.30
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はじめは少し…
主人公・菜穂のお嬢様的な思い込みの強さにイラッとすることもありました。読み進めて行くうちに気がつけば応援していました。 日本画を見たくなったり、京都に行きたくなったり、色々刺激されました。
投稿日:2018.05.14
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るつ
やはり原田マハさんの美術をテーマにした小説は面白い。京都の風情や京都人の粋を生き生きと感じる作品だった。自然に京都に馴染んでいく菜穂の、短期間に覚醒していく姿が眩しかった。
投稿日:2024.04.30
かをり
クライマックスの畳みかけるような展開にページを捲る手が止まらなかった。伏線が回収されていく様が見事だった。 この本を通じて、文化、芸術を嗜む人々にとって、京都は特異な場所であることがありありと感じられ…た。菜穂は、恵まれた環境で育ち、周りに流されない奔放さと強かさを持っている。菜穂が京都での生活で、心奪われる一枚の絵と出会ったこと、せんとの出会いを通じて、茶道、華道、香道、画壇などのさまざまな家元、師匠、名家と通じる「縁故」を得たこと。それらすべては必然だと思わざるを得ない。彼女の研ぎ澄まされた感性、才能を開花させるのに、京都は最適の場所なのだろう。私自身、そのような場所で素養を身に付けたいと思いつつも、菜穂のような縁故もなく、所詮は「異邦人(いりびと)」にしかなり得ないため、菜穂に対して憧憬の念を抱かずにはいられなかった。 人の様々な欲望が渦巻き露呈する、想像以上にドロドロとした展開。最後は、各人が収まるべくところに収まったと解釈することにし、読後の何とも表現し難い気持ちを鎮めようと思う。続きを読む
投稿日:2024.04.22
mi
このレビューはネタバレを含みます
京都と美術を題材にした原田マハの小説。 3.11後の放射能を恐れて京都に送られた妻の菜穂と夫で画廊の専務の一輝の話。 菜穂は京都である画家を発見し、悪い師匠から掬い出し、また恩はあるが偽りの家族から逃げ出し京都で子を産み育てる。アートのためならなんでもする。 画家と菜穂が実は姉妹だったりと設定が細かい。京都の描写もたくさんあり、面白かったです。
投稿日:2024.03.25
ゆっきー
作品と作者に対する情熱が静かに、でもとても熱く伝わってくる。 きっとものすごい熱量を発散させる作品なのだろうと想像できる。 2人が惹かれ合う理由と真実が、また熱い。
投稿日:2024.03.12
ビーノ
京都に行くとしたら、いつ行きますか? 紅葉の秋?雪が積もる冬?桜満開の春? いいや夏だね。夏の京都は暑いだって? だからこそその土地の人の工夫や文化が見えてくる。 そんな京都の魅力が伝わる内容でした。… ストーリーは微妙でした。 私がこの本を読もうと思ったきっかけは、 友達が「印象派 モネからアメリカへ」を見に行ったと聞いて、 美術館の面白さが理解できず、芸術の勉強のため読み始めた。 その為、ストーリーは期待していなかった。 原田マハさんは壁にぶつかった女性が旅先で元気になり、読んでいる私も気持ち良くなるような話のイメージ。 しかし今作は読んでいて何も気持ち良くなかった。登場人物がクズばかり現れて、主人公含めて、好きな登場人物が一人もいなかった。本作のタイトルである「異邦人」は、京都生まれ京都育ちでないと、何年京都に住んでも京都人になれないという意味だ。私は、京都人?芸術家?が余り好きでは無いのかもしれないので、何とも思わなかった。 ただ今作を読んで風景画?自然画?にすごく興味を持った。 「鮮やかな杉苔の緑、その上を覆う紅葉の落ち葉の赤。その合間を縫った一条の陽光が差し込む。光に照らされたところだけ、苔も、落ち葉も、黄色く、また白く輝いている。」が床一面に描かれていた。 文章を想像しただけでも見てみたいと思った。モネの晩年の傑作、大装飾画「睡蓮」は、淡い色ときには深い色彩を重ねた作品だそう。 実際にモネの作品を見に行こうと思う。 と思ったらもう上野博物館での展示は、終わってた。 まぁそんなもんだよね。続きを読む
投稿日:2024.03.07
りょくちゃ
途中まで読むのにとても時間がかかって、京都の文化や風習を味わいながらという感じだったが、終盤は気づいたら読み終わっていた。 ここまで強烈に物事を追求できることは凄いし、それが生み出す縁も確かにあるん…だと思う。 でもやっぱり一樹を最後まで応援していた。続きを読む
投稿日:2024.02.27
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