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辻村深月 / 集英社文庫 (309件のレビュー)
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総合評価:
ことく
1
残酷な物語…その結末は?
主人公アンの心理描写が丁寧すぎるほどに描かれており、胸がチリチリするほど痛くなりました。 教室という狭い世界で確かに存在するヒエラルキー。1度でも下の階層へ滑り落ちることの恐怖。無視、陰口、村八分…残…酷な現実に胸がつまります。どうしてアンが自分の殺人を親しくもないクラスメイトに依頼するのか、果たしてそれは実行されるのか最後まで息つく暇を与えません。 残酷な描写も出てくるので、そういったのが苦手な方は心して読んでください。 凄く斬新なストーリーだと思います。 続きを読む
投稿日:2015.09.06
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理科好き
良くかけている・・・が息苦しい
中学2年の多感な頃,ただ生きているのが嫌になって自分の殺害を依頼する,っていう軽い話しではありません。 自分が中2だったときのことを思うと,未熟さもあり,かつ純粋だからこそ思い詰めてしまう,ごくご…く狭い世界の出来事がすべてだと思ってしまう,そんな心の動きもありありと思い出してしまいました。 その時代に自ら命を絶ってしまうものと,そうでないものの紙一重の違いを思うと・・・。 さすがに良く描かれていると思うのですが,すっきりと受け入れるのは難しい,そんな作品です。 続きを読む
投稿日:2016.05.26
future4227
ちょっと怖い女子中学生
中2の女の子が同級生の男の子に自分を殺す依頼をするという、なんとも奇抜な設定に惹かれて読んでみた。 サスペンスなのか、学園小説なのか、悲劇なのか、喜劇なのか全く予想がつかないまま、女の子と男の子の殺人…計画は着々と進んでいく。 最後はやっぱり辻村さんだなぁと思わせる結末。と言っても『サクラ咲く』しか読んでないので、そのイメージしかないのですが。 それにしても主人公の女の子の猟奇趣味はドン引きだわ。 とてもじゃないが、怖くて彼女にしようとは思わない。続きを読む
投稿日:2016.07.21
thutomu
青春小説⁉
途中、読んでいて気色悪くなるところもあるけど、ラストは残酷だったり、悲劇的に終わるわけないよなぁとある程度安心しながら読んでいた。 もっとどきどきしながら読んだ方が面白かったのかもしれないけど。 …結局、丁寧に後日譚も書かれていて、青春小説としてカタルシスを感じることもできた。続きを読む
投稿日:2020.09.21
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hiromichan
まるで自分の、そして娘の中二病時期を見せつけられているようで、とても辛かった。 その時期を理解してあげられなかった母親としても、辛かった。 ちなみにこの本は、娘から奨められたので、仕返し?...とす…ら、感じてしまった。 でも、違ったね。 中二病を乗り越えて、いろんなことに折り合いをつけられる、大人になったんだね。 私も、きみも。続きを読む
投稿日:2024.05.17
メレンゲ
このレビューはネタバレを含みます
解説の大槻ケンヂさんの「中二病同士の初恋」という表現に、 読後、それだぁ~と大納得。作中あまりにも重たい空気だったけれども 思い返してみれば結局そういうことなんだよな、とても良い表現。 女子中学生たちの一瞬で移り変わる人間関係や 学生時代に訪れる猛烈な反抗期があまりにもリアルで、 アンがどんどんと自殺に本気になっていく気持ちが痛いほどわかってしまった。 アンは自分が特別で、周りの女の子たちとは違うと思っていたんだろうけど、 恋人や友達とのイザコザに巻き込まれ学校で泣いちゃってる私、とか、 先生に親しく話しかけられて気に入られてる俺、とか、 きっとみんなが自分を何かしら「特別」だと思っている。 アンも徳川も、結局は健全な中学生の一人だったんだ。 (徳川に関しては、一歩間違えると危なかったけど…) 河原でアンに出会った時、徳川は一体何を思ったのだろう。 『悲劇の記憶』ノートの残り何十ページのイラストを、 徳川は一体どんな気持ちで描き続けたのだろう。 猛烈に徳川視点の本作を読んでみたい。
投稿日:2024.05.13
sure92
とにかく厨二病なお話。小学生よりもいろんなことが見えたり感じられたり敏感になっているけれど、生きている世界は狭く、それが世界の全てのように感じてしまう中学生という難しい年頃。 大人と子どもの中間故の…息苦しさ。 そこから殺して欲しい、まで行き着いてしまうとは人間の考えを侮れない。 最初のネズミの死体の描写がグロテスクで、こんな話がずっと続くのか…最後まで読めるかな…と不安になったけれど最後の伏線回収は徳川とアンのこれからの人生を応援したくなりました。 一方で、教育の大事さを考えた。徳川が思いとどまらなければ決行されていたかもしれない事件。知能が発達しているけれど経験値が圧倒的に少ないが故にまだまだ判断力の乏しい少年少女に、倫理観ある行動を学ばせることの重要さが説かれていたようにも思えます。 続きを読む
じゅ
最初はだらだら読んでたけどタイトルの伏線が回収されてからは読む手が止まらなくなった。 女子の怖くてかつ中学生の少し幼稚な人間関係がリアル。厨二病らしさも最高。 展開とか細かい伏線は多少わかったけど徳川の恋愛が大っぴらにならないのはよかった。徳川の『殺さない、殺したくない』が切実すぎて刺さった。スクールカーストを気にして話さなかった2人だけど最後に『友達』って言えるようになってたのはいいな。 全部知ってからもう一回読みたくなる。
投稿日:2024.05.12
わかにゃん
GWで少し時間ができたので本を読もうと本棚から手に取った辻村深月さん。 この私が分厚い小説を1日で読めてしまったことに驚き。 最近は原田マハさんを読んだり、仕事柄教育書を読んだりすることが多く、辻村深…月さんのゾッとするミステリアスな表現に懐かしさと心臓をギュッと掴まれる怖さを思い出す。しかし、その表現で掴まれた心臓は「心を掴まれる」にも相当するのだろうと思う。それくらい、一気に読んでしまった。 これは、誰でも思ったことがあるのではないかという「死ね」と「殺したい」をとても軽く、そしてどこまでも重く、捉えた中学生の話。 共感する気持ちも多かったが、引く気持ちも多かった。気持ち悪いと思えた私は、この2つのキーワードを軽く見ていたんだと思う。だからこそ、簡単に口にしてはいけないと思う。続きを読む
投稿日:2024.05.05
toshi_koike
題名が剣呑な感じなのですが、最初からしばらくはザ・中二病、な展開。これからどうなるんだろう、となり、異質なものへの憧れと潔癖な部分と。それも思春期ならでは、なのか。そして、最後に向けての潔癖と絶望感の…狭間、そこからのラスト、と前半はこの思春期らしさがデジャヴ感がありすぎてしんどい、けど後半はノンストップ。これが大人が書ける、ってのがすごいですね。。ラストがハッピーなのがまた良いですね。続きを読む
投稿日:2024.04.17
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