【感想】新装版 落日の宴 勘定奉行川路聖謨(下)

吉村昭 / 講談社文庫
(13件のレビュー)

総合評価:

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  • 対ロシア交渉

    北方領土交渉やウクライナ戦争を見るにつけ対ロシア交渉の困難さを再認識させられる。時代背景が異なるとは言え、ロシア交渉に尽力している様子はずいぶんと考えさせられる。このように悲劇的な最期を遂げてなおさら功績が埋もれてしまったことがとても残念に思える。続きを読む

    投稿日:2022.10.27

ブクログレビュー

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  • ko2ba

    ko2ba

    川路聖謨は幕末の官吏である.官吏としては異例の出世を遂げ,開国を求めてやってきたロシアの使節プチャーチンとの開国交渉の幕府側責任者のような役割につき,高圧的な態度のプチャーチンに対しても一歩も引かず,穏当な和親条約の締結にこぎつけるところまでが第一幕.
    後半はアメリカのハリスからの通商条約締結に関する,さらに(当時の日本側からの見方からすると)一方的な要求を受け,幕府側の意見をまとめ,一方,攘夷論に固執する徳川斉昭や朝廷との板挟みとなり,右往左往する.井伊直弼の大老就任の辺りからは年齢的な問題もあり,川路は第一線から外れ,幕府崩壊までは引いた立場で幕末の動乱を見守ることになる.
    それほど身分は高くない出自でありながら,その高い能力が,この時代だからこそ認められ,幕府の危機を救った人物の物語である.
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    投稿日:2023.08.12

  • yashakurno

    yashakurno

    幕府公務員の凄さを感じた。
    なんとなく幕府の家臣と政府役人ってイメージ違ったけど普通に感覚同じなんだなと気付かされた。FAIREとか絶対言ってないわな 笑

    投稿日:2023.07.09

  • dokutoku

    dokutoku

    地震による船の破壊。帰れないロシア人。紆余曲折。結果的には信頼が深まった。粘り強い交渉で勝ち取った条件「択捉は日本領、樺太に国境を定めない」。交換条約、日露戦争、二度の大戦‥。その後の変遷を思う。過激な攘夷思想、安政の大獄、桜田門外の変…時代は一度壊れた。再興できたのは維新の功労によるものだけではない。政変にも災害にも、滅入らず、粛々と仕事を進める。日本社会はそんな人々に支えられてきた。農を離し、設備を棄却し、情報を奪う。グローバル化の名の下にルールを壊し国を売る勢力が蔓延る現代。求められる人材を考える続きを読む

    投稿日:2022.09.28

  • dm8774

    dm8774

    川路は毎日ランニングをしていたこともあって、身体が頑健であった。そのために58歳で隠居しようと思ったのに止められてしまう。幕末、川路は自分たち一派の推す一橋慶喜が将軍になれず、井伊直弼らの推す一派が政治的に勝利したおかげで不遇をかこつ。また私生活でも残念なことなどもあり、井伊らが大老になるまでの成功した人生からは哀しい状態となってしまう。最後を考えると、勝海舟のように幕府ではなく、もっと国そのものを考えても良かったのではと思ってしまう。続きを読む

    投稿日:2017.09.07

  • timezero11

    timezero11

    川路の最期には、人間の悲哀を感じる。
    また、江戸時代の武士の忠義の盲目さにも、ここまで徹底していると、これもまたいまに生きる僕には、悲哀と滑稽さを感じる。

    彼の知識(西洋知識)を得る目的は、使うため。行動するため。

    それにしても、交通機関が徒歩というのは、想像を絶しますね。
    この描写をみてそういうのがまざまざと想像できる。
    続きを読む

    投稿日:2017.07.01

  • benipapa

    benipapa

    このレビューはネタバレを含みます

    ・久々に読んだ吉村昭さんの作品

    ・名前しか知らない人だったので、新鮮だった

    ・幕末というと、安政の大獄などの弾圧のイメージがあり
     幕府は基本は無能で、開国したのも弱腰だったからという
     なんとなくの先入観があったが、
     いろいろな考えの人が実際に活躍しており
     開国のために様々な努力もしていたことを知って
     少し見方がかわった

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    投稿日:2017.02.05

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