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内館牧子 / 角川文庫 (8件のレビュー)
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総合評価:
shigehachiman
3
ねっとりした汗をかく
OLを辞めて喫茶店経営が軌道に乗り、周囲から成功したと思われているナミ。その喫茶店でパートとして働く頼子。ナミは、頼子をとろくさいと思いつつ、不満の捌け口として雇っている。頼子はナミのある秘密を知っ…ていた。そして、お互いを「可哀想な人」と蔑み合う『可哀想な人』。 同じ著者の『終わった人』のプロットになっているのではないかと思われる『必要のない人』。今まで、バリバリ働いてきた男性が、戦力外通知を受け取るとこうなってしまうのかという悲哀を感じさせる。しかし翻って自分に当てはめると、まさしくこうなるだろうと脂汗をかく。 タヒチに若くして永住することを決めた大学時代の友人にばったり会い、その友人がやたらに高価なものを与えてくれる不自然さと、その自由な友人と自分を比べて魅力のなさを感じてしまう主人公。その先にあったものは?(『夏を抱く人』) など、1篇30分ほどで読める短編が6編収められている。とにかく、描かれる情景は、自分だったらということを考えずにはいられない。そして、その状況を想像すればするほど、ねっとりとした汗をかいてしまう。 鳥肌が立つわけではないのに、ぞぞぞっという祇園が適当な感情が渦巻く。爽快でも恐怖でもない、でも怖い・・・。そんな感覚を味わいたい方はぜひ読んでみて下さい。続きを読む
投稿日:2016.12.27
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えりこ
短編集。6つの可哀想な話が入っている。 その中でも「夏を抱く人」という話の主人公が可哀想だった。よくもまあ人がこんな酷い目に遭う話が書けたなと思った。 あと不倫率が高い。ほとんどの話で登場人物が不倫し…ている。潔癖な人は読むのに注意がいる。 短編集だから読めたがこの人の長編なんて読みたくはないなあと思わせる話ばかりだった。 なんか中年女性の愚痴を聞かされてるような気持ちになった。 タイトルに惹かれて読んでみたけど思ったような内容ではなかった。 この本の大活字本が出ているのだが、それで評価されている本なのだろうから読む価値のある本だと期待し過ぎたのかもしれない。続きを読む
投稿日:2023.04.14
omj
明子はそれを見て、不覚にも涙がこぼれた。社会の第一線で女が働くということは、ああいうことなのだ。結婚していようがいまいが、男 がいようがいまいが、何もかも自分で引き受けることなのだ。あの女にもいろいろ…なことがあるのだろう。しかし、帯をバシッと 一つ 叩いて気合を入れて、何事もないかのように華やいで客と接するに違いあるまい。 明子はあの日から出勤前にスーツの腰をバシッと叩くことが 儀式になっていた。続きを読む
投稿日:2023.04.07
しなこ
再読。表題の短編は今一つだったが、他の短編では女性の心の移り変わりを描くのが上手いと思った。特に独身者。生活に追われると丁寧な思考、暮らしが出来難いような気がする。 皆何かに葛藤し、それでも前を向いて…歩いていかなきゃいけない。丁寧に生きたいものだ。続きを読む
投稿日:2021.05.06
muffin
怖い怖い…。 女性の本音や感情が描かれていて怖くなる。 「話題のない人間である」ことに子供達の手が離れてから気づいてしまった…とは 思い知らされる… 「なんてつまらない人なんだろう」と気付いてから話…すのをやめてしまう…まさにその通り。続きを読む
投稿日:2019.07.01
shino224
内館さんの本は好きなのだが、この本は、良いなぁ、というのと、そう?と首を傾げるのが半々だろうか。 潔い女性のほうが私は好き。
投稿日:2011.05.10
katoosaaan
内館さんの本は初めてでしたが、1冊目がこれでよかったな~と思いました。 彼女のキライなタイプの女が、私と似ていたから(笑) 次はどれにしよう。
投稿日:2010.06.11
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