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瀬川拓郎 / 講談社現代新書 (33件のレビュー)
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わかりやすい入門書
アイヌに関してほとんど知識がないので題名が「入門」となっている本書を読んでみた。サハリン 千島 北海道と広い地理的分布を持っていることを初めて知った。終章において記述されている、様々な差別偏見にあった…ことも残念な話である。日本政府が「先住民族」と認定し、色々と支援 保護を行っている。ただ実際には「アイヌ人」の人数が少なすぎることもあって、アイヌ独自の文化というものがどこまで残っているのか疑問に思えてしまうこともある。続きを読む
投稿日:2022.11.23
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Flooding Throne
「専ら自然とのみ共生し、他との交流を断つことで独自色を保ってきた民族」という我々の偏頗なアイヌ観に、鮮やかに改定を迫る良書。本書の至る所で、和人を始めとする他民族とアイヌ民族との豊かな「交易」の実情が…実証性ある資料を伴って紹介されており、読み応えは申し分なし。北海道旅行のお供にどうぞ。続きを読む
投稿日:2024.03.26
fffu
このレビューはネタバレを含みます
1この本がテーマとしている問題提起は何か? どんな問題を提示し、 どんな解決方法を提案しているのか? .アイヌの解明の前触れにあたる部分をこの本で担当することで、その解決策としてアイヌを縄文、交易、伝統、呪術、疫病、祭祀、黄金、そして現代を通してアイヌの姿を見ていくことをしている 2この本はどのように始まり、どのように終わったか? .グローバリズムでも民族主義でもなくから、アイヌのミュージシャンOKIのライブを著者が見に行って鳥肌が立ったところから始まり、本書はアイヌとはどのような人々かをめぐる、私自身の追求の過程と発見の喜びを綴ったもので、あまり構えずにその楽しさを感じとっていただければ嬉しいというところで終わっている 3 あなたはこの本から何を学びたいか? .アイヌについての概要 4この本が同じジャンルの他の本と似ている部分、 違う部分はどこだろう? .似ている部分としてはゴールデンカムイなんかでも取り扱われたアイヌの砂金の話なんかを取り扱っている点で、違うところは現代に暮らすアイヌがとのような気持ちで現代を生きているかなどが書いてあるところ 5 この本はなぜ重要なのか? .アイヌについての入門の入り口になる本であるところが 6この本のタイトルは内容と合っているだろうか? あなたが本のタイトルを付け直すとしたら? .会っていると思う、付け直すなら、アイヌの概要とかかな? 7この本のキーポイントやコンセプトは何だろう? .アイヌがどのような人々かについての著者自身の考えも含めて見ていくこと 8本の書き出だしをチェックして、作者は読者を引き込むために どんなトピックを展開しているか? .アイヌのミュージシャンのOKIのライブに行ってアイヌの伝統楽器がアフログルーヴやレゲエ、ロックの複雑なリズムと融合して鳥肌がたったところから始まる 9 本で扱われているビジュアル・・・チャートラベル グラフ 写真図解から何を学んだか? それらの要素からどんな種類の情報を得ることができたか? .アイヌの人々の写真から、日本人というよりは本当に西洋人に近い顔立ちであるところなどがわかった 10著者は読者に対してどう考えてほしいと思っているのだろうか? .アイヌをめぐる発見の日々を楽しんでもらいたい 11人に勧めるとき、どの章どんな情報を1番に取り上げるか? .序章のアイヌの人々との出会い 12 作者はこの本をおもしろくするために どのような工夫をしているだろうか? .アイヌについての見解を著者自身の考えとともに紹介している 13作者の主張のどこに賛成できるか?その理由は何か? .アイヌをめぐる発見を楽しむことは、自分も楽しいと思うので賛成します 14 テーマを説明するために作者がどのような事例を 出しているのか? 興味深かった例は? .コロポックルの伝承からアイヌの人たちの交易のあり方がわかるところ 15 この本を読んでいるときにどんな感覚になったか? .アイヌというのが想像よりもずっと奥深いものだということを実感した 16 この本で最も重要な一文はどれか?その理由 .アイヌは和人にとって遠くて近い存在 17本の内容を振り返って、自分にとって 一番さった箇所はどこか? .言葉を交わさずに交易が成立する沈黙交易
投稿日:2023.12.28
bookkeeper2012
アイヌ学「入門」と題しているが、全編にわたって著者オリジナル(?)の仮説がグイグイと前に出てくる感じがあり、そのあたりがあまり、いわゆる入門らしくない気がする。文字を持たない民族の歴史を研究する難しさ…はあるのだろうな、と思う だいぶ長いこと積読にしていたのだが、たしか渡辺京二の「黒船前夜」を読む前の勉強にしようとしていたような。そちらにも取り掛かりたい続きを読む
投稿日:2023.07.16
University of the Ryukyus Library
【琉大OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB18048008
投稿日:2023.03.31
taroh
序章 アイヌとはどのような人びとか 3つのポイント ①変わってきたアイヌ 本土との交易(毛皮、鮭など)のため乱獲したり、居住地が偏る等 元々あった敬虔さと、生きていくための現実との葛藤 →アイヌを「変…わらない存在」として祭り上げず、同じ人間として「共感」すること ②変わらなかったアイヌ 縄文時代はゴミを一箇所(貝塚)に捨てていたが、アイヌは分類し階層化していた等 ③つながるアイヌ 異民族と盛んに交易(戦闘)するという、ヴァイキングとしての側面 和人との交流によって、「神」観念の一部が形成されてきた アイヌ独特の文様は北東アジアの諸民族から影響されて生まれ、本土の漁師の労働着や歌舞伎の衣装として着用されていた等 ・日本では元々北海道から沖縄にかけて縄文人が住んでおり、(ほぼ)同じ枠組みの人種・文化体系だった →弥生時代に朝鮮半島から入ったモンゴロイド集団と縄文人が交雑し、本土では和人(本土人)を形成 本土ほど交雑が進まなかった北海道と沖縄には、それぞれ縄文人の特徴を残したアイヌ・琉球人が残った ・特にアイヌは異民族との交雑に積極的ではなく、日本語と根本的に異なるアイヌ語が残った ・アイヌは樺太から東北地方まで進出していたこともあったが、北からオホーツク人、南から和人が進出してきたこともあり、徐々に居住地が狭められていく 第一章 縄文 ・アイヌ語は日本語と同じ語順だが、接頭辞が優勢であり、周辺のアジア地域での孤立性がある →もともと縄文時代では日本列島全体で同じ言語が使われていたが、弥生時代に朝鮮からの影響で変わってしまった アイヌはその縄文語を受け継いでいる? ・小熊を数年育ててから殺す「イオマンテ」だが、縄文時代に本州でも同様の祭りをイノシシで行っていた ・同様に、サハリンアイヌのミイラ習俗は本州の「もがり」、刺青の習慣は土偶からも見られるように、北海道特有ではなく縄文時代共通のものだった? 第二章 沈黙交易とエスニシティ ・千島やサハリンアイヌは疱瘡などの病を恐れ、沈黙交易を行っていた(沈黙交易自体は、古代ギリシャなど世界中でみられる) 第三章 伝説 コロポックルのモデルは北千島アイヌ 古代ローマの記事(プリニウスの博物誌)→中国→日本→アイヌと伝播 土器づくりのために粘土を調達しにくる、おどかすと姿を隠してしまう(沈黙交易のため接触を避ける)などが北千島アイヌの特徴と一致 第四章 呪術 武器を手にし、叫びながら行進するアイヌの呪術は、陰陽道の反閇(へんばい)や修験道がルーツ? 第五章 疫病 「諸病の王」である疱瘡の神が、海を渡ってやってくるという伝説 →日本の蘇民将来など、「疫病歓待」という共通モチーフ 疫病除けに藁人形を作ったり、においの強いものを吊るすなども共通 第六章 祭祀 祭儀に関するアイヌ語には、古代日本からの借用語が多い →東北から移住した和人の影響と考えられる またイナウ(ケズリかけ)やイクパスイなどの祭具も、日本の山の神信仰や農耕、酒づくりとの共通点 第七章 黄金 江戸時代、アイヌの人口を上回る和人が金掘りに北海道へ入った アイヌは金の価値を知らないとされてきたが、実際は価値も採取方法も知っていた? 岩手の中尊寺金色堂の金箔には、日高の砂金が使われている?続きを読む
投稿日:2022.09.30
ginkan2
入門書を、と思い手に取りましたが、思ったより専門的、文化人類学的なのでしょうか。アイヌの交易民、和人との古くからの交流交易、文化的影響等々。まだまだ研究されていないことも多いと知りました。少しずつ学ん…で行きます。続きを読む
投稿日:2022.06.20
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