【感想】聲の形(7)

大今良時 / 週刊少年マガジン
(92件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
29
35
14
2
0
  • 西宮さんと将也と

    みんな少しずつでも成長していける。未来は明るいなと感じられました。
    みんな自分の気持ちを伝えきることがこんなににも難しく、ありふれた「伝える」といったことが大切なのだなと。

    このマンガには必要以上の問いかけだったり、露骨な主張などは見受けられません。むしろ足りなさを感じるくらいに。読み手自身のバックグラウンドと重ね合わせて、こういう気持ちなんだろうなといった補間をする余地を残してくれています。なので読んだ後ももう一度、内容を回想して、再思する楽しみもあります。

    大人になったみんなの日常もみてみたいなと思いました。
    続きを読む

    投稿日:2014.12.16

  • 読み続けて良かった。

    読み始めた頃から「この物語はどのように完結するのだろう?」とずっと気になっていた「聲の形」。ついに7巻で完結しました。読み終えた感想は…「読み続けて良かった」です。

    最終巻ということもあり内容には触れませんが、本巻の内容およびラストについては、読んだ人の数だけ感想があると思います。良かった、悪かった、希望を持てた、納得がいかない…。

    しかしその感想の多様さが本書の持つ「力」であると思います。「聲の形」はセンシティブな題材に正面から取り組み、逃げることなく描ききり、読者に問いかけます。いじめ、障害、友達、葛藤、若者の成長。そして読者は考えます。「聲の形」とは何だったのか?「聲の形」が伝えてくれたものは何だったのか?自分だったらどうするだろう?自分だったら何ができただろう?

    それぞれの感想。そして物語を振り返り、自分に置き換えて考えてしまう。そんな不思議なパワーを持った作品でした。また1巻からじっくり再読してみたいと思います。
    続きを読む

    投稿日:2014.12.19

  • 大人になるとみんなしまい込んでしまう、むき出しの気持ちが眩しい

    この主人公は過去に大きな失敗をしてしまい、ずっとそれを清算できずにいました。
    主人公に限らず、この漫画の登場人物たちのやることはいつもどこかしらうまくいきません。
    「がんばったのに」「そんなつもりじゃなかったのに」
    自分も口には出さないけどそんなことばかりだという人も多いのではないでしょうか。
    それでも、みんな傷だらけになりながらも、どうにか顔を上げて前に進めるようになってきたようです。
    続きを読む

    投稿日:2014.12.19

  • 掛け違ったボタンは一度はずさないと元にはもどらない

    そして最終巻。
    タイトルの「聲」で分かるように聾唖の話ですが、障害の問題ではありません。
    人と人のつながりから生まれる、いじめの問題。
    過去を償おうとする若者たちを描いています。対照的に教師と父親たちの態度は唾棄すべきものです。
    掛け違ったボタンは一度はずさないと元には戻りません。
    もう一度ゆっくりと読み直すことにします。
    続きを読む

    投稿日:2014.12.20

  • 感謝

    登場人物それぞれののリアルな黒さやイタさにが、思い出したくない自分を思い出させ、「読みたくない!」と身悶えしながら、読み続けた『聲の形』が完結しました。
    (ネタバレになるので中身には触れません。)
    だただ、この作品に出会えたことに感謝!続きを読む

    投稿日:2015.06.25

ブクログレビュー

"powered by"

  • ミラク

    ミラク

    ……エグイと思った。



    子供が残酷なのはある意味では当然というか、しょうがないというか。
    何とも言えないものがあるけれど、残酷な大人は質が悪い。けど、もっとたちが悪いのはそれを当然とみなしてる現実があるわけで。そんな現実のお話しだなぁと思って読んでしまった。



    ファンタジー要素はほぼ皆無。皆無故に胸糞悪い。



    1巻でお腹いっぱいの気持ち悪さを味わった。2巻からはファンタジー(幻想)要素が入ってきて、ちょっとだけ心地よくなる。



    キャラクターの名前はあまり覚えてない。
    いじめっ子の男の子が主人公。いじめられた女の子がヒロイン。主人公に恋する暴力女。が、ほぼメインなのかなと思う。

    そこに、主人公のお友達の面白キャラに、イケメンキャラ(?)
    ぶりっ子学級委員長、スタイルのいい臆病な女の子
    ヒロインの妹などなどが絡まってくる。

    映画だけではいまいち分からなかったキャラクターたちが、漫画では深く描かれていて判りやすかった。



    特にヒロイン……ほぼ喋らない。文字や手話のコミュニケーションなので、何を考えているのかさっぱり謎なキャラだった。
    それが、漫画で思ってることとが描かれていて、なるほど……そう思っていたのかと。



    特に聲の形第6巻のヒロインの手紙。
    『私は今まで自分の聞き取っていることに自信が持てず、自分の感じ取っていることが真実の上になりたっていることなのか 判断できませんでした(略)』



    この辺りは、はっとした。
    なるほど、これがヒロインの『不安』の理由だったのかと。
    さらには『笑顔』の理由もその先に書いてあった。

    で、ああ。私もそう思っていたのかなと思った。
    聞こえていても、『普通』を求めてしまう。

    「感じ取っている事」というよりも『理解し、対応する事』というのは、年齢が上がるほど難しくなってしまう。ほんのわずかな差が『あいつウザい』になる。



    それが学校独特の『異常な世界』だと気が付くのは、外に居るから思う事で
    その中にいる『子供』はもちろん、先生たちもほとんどが外に出ずに『学校でのみ生きる』
    だから、誰も『異常』だと指摘できないんだと思う。



    1巻に出てくる『担任』は結構、酷い人で
    暗に「耳が聞こえないからいじめられても仕方がない」といじめっ子主人公の前で言い放つ。
    主人公はそれを良い風にとらえて、『いじめていい』と解釈する。

    もしここで、全く外の世界の人間が「これはおかしい」と一言言える仕組み(社会)があれば、何かが変わってたかもしれないけれど、外の世界は存在しない。
    学校は学校の中で完結する。



    それと同じように、子供時代のキャラ達は『自分の中で完結』してしまっている。
    いじめっ子主人公も、いじめられっ子ヒロインも暴力女も、皆、自分の世界で閉じてしまっている。



    高校生になって主人公がヒロインに会うことで、少しずつ世界が広がる。が、担任は閉じた世界の学校に居るので、閉じた世界の中の住人としてその後も『嫌な奴』として出てきた。



    全く話が変わるが、1巻を見ながら嫌な気持ちになったのは
    この担任が私の高校時代の担任と被ったからだ。
    『自己責任』『何かあっても俺は知らない』『俺に迷惑をかけるな』と言い放っていた担任は、警察に捕まった。

    良い思い出はない。



    話を戻して、主人公はヒロインに会いに行って変わっていく。主人公の性格はとてもわかりやすい。『面白い事大好き』なのだ。けれど、そのために人を傷つけたことに気が付いて、『自己否定』に走っていく。極端だとは思うケド、それがなければ物語が進まない。



    ヒロインは手紙からも判るように、最初から『自己否定』人間だ。聞こえないことの引け目。普通でない事の引け目。それに伴う他者の協力を必要とする引け目。

    それらが、自己否定に繋がっている。(ところで全く別の話になるかもしれないけれど、ヒロインの高校生活がほぼ出てこない。ヒロインの学校の友達というのも出てこない。この子の学校生活って?と思いながら読んでしまった)



    暴力女さんが一番よく分からなかった。
    好きなら、なぜ主人公をいじめていたの?それも、積極的に。これは男の子が好きな女の子をいじめるのと同じ心理?

    それに全てが『ヒロインのせい』と言ってるけど……。
    それは自己肯定感に基づいたものなのか?ただの『ヒロインへの嫌悪』なのか?
    口が悪いのは家庭環境に基づいたもの?だったら、結構ひどい家庭な気がするけれど、そうじゃなくて成長過程で単に個人の好みとして獲得した言葉なの?

    暴力女さんに共感できる点があまりなくて、何で怒ってるのか、何が不満なのかが、よく判らなかった。
    特に観覧車の中…気に入らない事を言われたから、手を出すってお子様なの?

    唯一『耳が聞こえないコの世話が大変だった』みたいな部分は共感できるけど、それ以外は……え?としか思えなかった。
    好きって……とりあえず、『(主人公の想いに関係なく)独占したい』という話だったのかな。



    他のキャラたちはそれぞれ、良い部分、悪い部分があって考えさせられるキャラたちが多かった。





    映画と違って漫画は『文字を読むもの』だから、読みやすかった。
    ……映画はとりあえず、『音』しか聞いてないから途中で文字(字幕)が入ってると「あれ?」と思う。
    映画は動いているから手話の動きとか再現できるんだろうなぁと思う。
    逆に漫画は動きを絵で停止画として再現するしかない……どう動くんだろうなこの絵と、思うものが沢山あった。







    そんなわけで、まとまらない感想。
    続きを読む

    投稿日:2023.12.16

  • ぷぅ

    ぷぅ

    先ずは、ハッピーエンドで終わって良かった。大人への階段を登りながら悩みもがく青春時代。きっとこれからも決して順風満帆ではないかもしれないけど、自分の正直な姿に向き合って成長した彼らは、きっと強く生きていけるのではないだろうか。そんな希望を感じながら最後のページを閉じた。続きを読む

    投稿日:2022.11.18

  • やし

    やし

    各キャラクターそれぞれに共感要素あり。
    また、お決まりの予定調和ではないのもgood!

    人は簡単に変われないけど、変わろうと出来る。

    いじめっ子、いじめられっ子が仲良くなってhappy end!ではない。

    扉の向こうが"happy"とも限らない。

    程度は軽いけど中学校での勝手な疎外感から登校拒否になって中卒の自分にとっては大切な作品でした。

    ※昨晩寝る前に1巻、翌日に2〜7巻一気読み。短いのもgood!
    続きを読む

    投稿日:2022.08.23

  • カワゾエカズヒロ

    カワゾエカズヒロ

    加害者が被害者になり更生して償って行く。
    体がズッシリ重たくなるような作品だったが
    綺麗に纏まっており素晴らしかった。

    投稿日:2022.07.24

  • くわっち

    くわっち

    このレビューはネタバレを含みます

    石田が抱えた少年時代のトラウマ。それを克服するためにしてきた行動が、登場人物それぞれに抱えた問題を掘り起こし、ついには爆発してしまう。
    しかしそれは決して後ろ向きなことではなく、人は生きていくためには傷を負いつつ、周囲を巻き込み支え合いながらも前に進んでいく。
    意識を取り戻した石田は、硝子とその家族と触れ合い、そして失われたと思っていた友情にも触れる。みんな不器用ながら、それぞれの道へを歩みを進めていく。
    最終巻。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2021.11.29

  • mikamika151

    mikamika151

    もやもやする漫画だったなぁ〜。どんな理由であれやっぱりいじめはいけないと思うものの、やってしまった人は許されることはないのだろうか、、強く育ってほしいという願いがあれば厳しく育てても許されるのだろうか。答えは用意されてないからもやもやしたまま終わる。人の顔にバツ印が描かれた演出がおもしろい。さらにそれが取れたり戻ったりするところがどういうことなのか考えたくて読み返したくなる。続きを読む

    投稿日:2021.10.05

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。