【感想】新装版 相対論のABC たった二つの原理ですべてがわかる

福島肇 / ブルーバックス
(8件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
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  • 時空の歪みをカンタン理解!

    かの有名な、アインシュタインによる「相対性理論」の解説本。高校の先生が、分かり易く説明してくれます。
    前半は主に特殊相対性理論(移動物体と時間の遅れ)の説明がメインで、後半は、一般相対性理論(重力と時間の遅れ/光の歪み)や量子論(粒と波の同一性)、そして核兵器開発の話へと展開され、転じて科学エッセイといった作り。

    走る物の中で遅れる時間。タイムワープ。重力による光の歪み・・・。
    SFファンタジーのような世界が、たかだか中学生の数学の知識で、現実となって現れてきます。

    堅苦しい専門書とは異なり、難しい数式や予備知識も一切必要なく、学生時代に数学や理科がチンプンカンプンだった方でも本当に大丈夫。
    ちょっとした雑学を身につける感覚で、少し不思議な時空の歪みの話が楽しめるはず。
    科学だって、歴史や文学、哲学みたいに話半分で知るのは面白いです。

    科学エッセイ的なパートも、科学従事に対するつまらないキレイごとで終わるかと思いきや、最後にはなかなか的を得たことも書かれていると感じました。
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    投稿日:2014.11.27

  • 相対性理論についての理解が深まるかは…

    ともかく、歴史洞察と著者の信念と科学に興味のある人間一般に関する警鐘は素晴らしいと思う。科学者は天与の才として、コンピューター以前には圧倒的な知力を持って、様々な分野で活躍しその見返りとして非常に強力な発言力を与えられてきた。しかし、科学者と言えども、特に政財界との血縁が薄い側には、年月の国家運営の絆には容易には超えられない壁が存在し、その絆を読み誤るとただ利用されたと感じるだけで終わってしまう。
    さらに、現代にはコンピューターがあり、将来は人工知能が人間を超えるだろう。
    そのとき、人間の知を代表する科学者が取るべき指針には見るべき歴史的価値があるように思う。
    特に、日本は唯一の被爆国として湯川以降科学者の主流派は平和主義を掲げており、兵器開発の禁止に関してはもちろん、デュアルユースについても非軍需産業の研究者には厳しく制限されている。このことに関しては賛否もあるだろうし、実際、軍事兵器も研究である以上知的教義としては究極を目指したくはあるのだろうが、政界や財界の意見が強硬になる昨今、科学という人類の共同財産の運営によって生きる科学者の責務としての声に我々市民は耳を傾けるべきではないかと強く感じる。特に、戦争責任の清算が今一つであり、対外敗戦が第二次大戦の一度だけという奇妙な歴史を持つ日本では、世界とつながる科学者の意見は傾聴に値し、政治が誤った時に市民の良識派が逃げる避難塔であるように思うが…。
    本の科学的内容としては、相対性理論と等価原理が主です。一般は触れる程度なので別の専門書で学びましょう。
    星5つ。
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    投稿日:2018.12.28

ブクログレビュー

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  • ISSP Library

    ISSP Library

    物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。
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    貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください
    返却:物性研図書室へ返却してください

    投稿日:2024.02.08

  • tmm

    tmm

    わかりやすい説明でした。
    しかし、まだわかった気がする程度なので、今後同じテーマの本を何冊か読んで、完全に頭で理解したいです。
    文系で物理を習っていない私にも、わかった気がする程度まで持ってきてくれたのは非常に有難かったです。
    相対論の説明で全てなのかと思いきや、アインシュタインの生涯や、科学と戦争についてもあり、いい意味で予想に反した本でした。

    「科学と平和とが無知と戦争とにうち勝つであろうことは動かすべからざるところであると信じる」
    ピエールキュリーの言葉を引用し、皮肉にもそれに反してしまった社会と科学に触れています。
    この先、私たち一般市民もこの科学者の思いを引き継ぐべく、可能な限り知識を持たないといけない思いました。
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    投稿日:2019.03.18

  • kun92

    kun92

    相対論の本も定期的くらいに読んでるし、基本線は理解してるはずなのだが、それでもどうだっけと忘れてしまうので。
    簡単な本。
    案外と相対論に触れてる部分は多くなくって、アインシュタインの人生とか、核兵器を生み出した社会とか、政治との関係とかが主張されていて、ブルーバックスとは思えないくらいの、著者の主張がにじみ出てる。
    そういやみというほどではないけども。
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    投稿日:2017.08.08

  • andalusia0705

    andalusia0705

    理論的な式の導出はあまり期待できない。半分くらいはアインシュタイン伝記。楽しく読めた。啓発的な位置ずけの本。

    投稿日:2017.07.17

  • htaku14

    htaku14

    アインシュタインのたどった人生の軌跡とともに、相対論について基礎から分かりやすく論じている。相対論を理解するために必要な基本原理はたった2つ、相対性原理と光速度不変の原理として、この2つから難解な相対論の基礎を説明している。続きを読む

    投稿日:2011.09.04

  • あお

    あお

    相対性理論の概論をさらっていく本です.とっても分かりやすいです.中学生でも読めますね〜.ただ,本当に相対性理論について知りたいってヒトには物足りないと思います.アインシュタインについてのエピソードが織り込まれていて読み物として純粋に面白いです.[2007.10.04.]続きを読む

    投稿日:2007.10.05

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