【感想】はやぶさ/HAYABUSA(角川つばさ文庫)

鷹見一幸, かしわ / 角川つばさ文庫
(4件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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  • きっと、忘れられない

    探査機「はやぶさ」のエピソードと、少年の成長物語がバランス良く組み合わせられたお話です。
    主人公は、鹿児島から本州の小学校に転校してきた隼人君。
    言葉が鹿児島弁であることからクラスで孤立していた隼人は、ロケットをきっかけにクラスのリーダー・ケンジと友達になる。
    二人は『宇宙科学研究所』に見学に行って、そこで相談員の恵お姉さんから『小惑星探査機はやぶさ』について色々な事を教えてもらう。
    宇宙やロケットについて憧れを強くしながら、友情を深めていく二人。
    やがて学年が上がり、ケンジが夢を追って転校したことで隼人はクラスの悪ガキから嫌がらせを受けるように。
    しかし隼人は、宇宙で様々なトラブルに見舞われながらも飛行を続けている『はやぶさ』に勇気をもらい、いじめっ子たちに立ち向かう――

    『はやぶさ』ブームの時、色んなトラブルを想定して『はやぶさ』に積まれた機能・工夫について、テレビや本等でも紹介されてましたが、児童書であるこの本では小学生でも分かりやすく、コンパクトにまとめられています。スイング・バイについて恵お姉さんが説明するシーンは、子供らしくて興奮が伝わってきて、ほのぼのとしました。
    また、隼人がケンジとの友情や『はやぶさ』との出会いを経て成長していく姿についても丁寧に描かれていて、少年の成長物語としても印象深い本です。

    「ぼくはあきらめない。はやぶさを作った人たちがあきらめなかったように、何度でも何度でも作りなおすよ」

    隼人がいじめっ子たちに、真正面から立ち向かうのではなく、彼にしかできない方法で自分を認めさせた所が良かったです。悔しかっただろうに、本当に強くなったなあ、と。
    『はやぶさ』が最終的に大気圏で燃やされるのを知った時の隼人の叫びが、彼にとって『はやぶさ』がどれほど心の支えになっていたか、まるで第二の親友のようだったんだな、と感じました。
    あえて一言言うとしたら、この作者の特性といいますか、やや主人公がヨイショされすぎ・・・な部分もありますが、そこはそれ、児童書として考えて、それを上回る感動がありました。
    『はやぶさ』の感動を思い出した時に読み返している1冊です。
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    投稿日:2015.04.13

ブクログレビュー

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  • kokkomame

    kokkomame

    このレビューはネタバレを含みます

    鹿児島内之浦からの転入生・隼人(小2)。鹿児島弁をからかわれれてから、クラスではあまりしゃべらない。でも、本物のロケット発射を見たことがあると言って、さらにみんなに嘘つき呼ばわりされてしまった。隼人の言うことが本当かどうか、近くのロケット研究所に確かめに行くことになったケンジと隼人。確かに、鹿児島からロケットは発射されていた。それは、イトカワとい小惑星へと飛ばされた、無人探索ロケット・はやぶさだった。
    隼人の無実を証明したケンジ。明るくてスポーツマンなケンジ、二人は性格は違うけれど、宇宙への興味は同じで、親友になった。クラスでは、まだ隼人のことをいじめるワガモトたちがいたけれど、隼人も強くなってゆく。
    はやぶさの、イトカワへ旅は長い。途中さまざまなトラブルに見舞われながらも、地球に戻り、燃え尽きるはやぶさ。そこには7年の時が流れ、隼人たちは中学生になっていた。はやぶさを見届けた二人は、今は学校はちがうけれど、将来の夢を語り合うのだった。

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    投稿日:2012.02.13

  • みなづきゆう

    みなづきゆう

    映画「はやぶさ」のyahoo映画レビューで紹介されていた本。
    いじめやなんやらも関係してくるらしいけど、お子さんにお勧めです、ってことだったのでメモ。

    投稿日:2012.01.22

  • じゃりねこ

    じゃりねこ

    このレビューはネタバレを含みます

     20世紀FOX版の映画「はやぶさ/HAYABUSA」を元にした小学生向けノベライズ…という触れ込みだけれども、映画のシナリオをそのままなぞって小説にしているのではないところにまず好印象。

     内之浦に住んでいたことがきっかけで、宇宙に興味を持っていた主人公が、後に東京に転校。JAXAに出入りしたことで「あのとき打ち上げたロケットに乗っていた」「はやぶさ」を知る。
    (ここで映画の「恵お姉さん」が絡んでくる)
     また、その運用を知ることによって、自身があっていたいじめにどのように対抗していくか、「そのとき、自分が出来ることをする」「自分はなにが出来るのか」を考えていく……という、きちんと独立した、読ませるスピンオフ作品になっていた。ゆえに星五つ。

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    投稿日:2011.10.23

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