【感想】春風のスネグラチカ

沙村広明 / マンガ・エロティクス・エフ
(47件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
14
14
11
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  • 沙村広明がまた、新しい物語を産み落とした

    時にはマニアックなネタを散りばめたギャグを展開させ、
    時には圧倒的な暴力に満ちた陰鬱とした世界を描く。

    作品ごとの振れ幅が非常に大きい沙村広明ですが、
    そのどれもが「ここまでやるか!」と思わせる細部までの緻密な描き込みは変わりません。


    本作もまた美しい絵柄としっかりとした時代考証に裏打ちされた物語が一体となり、
    骨太の大河ドラマとして完成されています。

    ロシア革命後、田舎のとある別荘を訪れた車椅子の少女と、従者の男。
    物語が進むに連れて、彼らの素性、そして歴史の裏で行われていた画策が露になっていきます。

    後半、散りばめられていた伏線が一気に回収されていく様は、見事の一言。
    読後には、一本の映画を見終わったような気持ちのいい余韻が胸に漂います。
    続きを読む

    投稿日:2015.03.06

  • ロシア発ツン95%ツンデレッ娘物語(構想時)

    沙村広明という作家は、リアリティを持たせつつエンタメさせることのできる作家さんです。
    また、チャイナドレス、お姐さんキャラを描かせたらそれはもうイキイキと描かれる方です。

    なのですが、その比重や方向性によってはリアリティゆえにひたすら重くなったりすることがあります。

    本作は、その表紙からその懸念があるのですが、それほど辛い描写はありません。
    とはいえ、革命など歴史の転換期の物語であり、そもそも主人公たちは身体に障がい・欠損のある人物なので、それなりにハードな描写がありますのでご留意を。

    教科書レベルの出来事でありながら日本人にはあまり馴染みのない帝政ロシアに起因するドラマは、社会主義革命の現実もあり、読み手にとって鮮烈に映ること請け合いです。

    沙村作品、題材はロシア、文化庁の賞を獲ってる、この3点から紡がれる作品イメージで相違ないと思います。
    おひっこしとかハルシオンの方向ではない。ベアゲルター、無限の住人とも少し違う、ブラッドハーレーまでは行き過ぎない。
    何の参考になるのか甚だ疑問ですが、そういうことです。


    それにしてもロシアの名前というのはどうしてこうも頭に入らないのか…。同じくらい長くてもドイツ風なら入るのに。
    続きを読む

    投稿日:2015.06.05

  • 短編映画

    読み終えて、映画にならないかなぁと!
    大河ドラマ的で複線が一本に収斂される展開力。淡々としつつも熱いストーリー展開力。大人も子供も楽しめる漫画で作者に脱帽です。改めて日本の漫画文化に驚きました。

    投稿日:2015.04.29

ブクログレビュー

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  • submarine7235

    submarine7235

    登場人物の関係性と時代背景をうまく組み合わさったミステリーでもある。単行本一冊とは思えない重厚な物語の満足感。

    投稿日:2023.05.06

  • k

    k

    物語と舞台と画風が噛み合って最高でした。
    単行本一巻なのに海外の連続ドラマを見終えたかの満足感。
    作中を漂う儚い雰囲気が大好き。

    投稿日:2022.11.26

  • tsukasa26

    tsukasa26

    グルジア風のスープ 諜報活動を懸念 語るを憚れる 御免蒙る その粛清の矛先は徐々に党内の同志達に向けられていった 敢えて富豪的な意匠を排除して建てた 鶏卵を模した工芸品や菓子 けんらん絢爛で巧緻なこの卵の制作を依頼 グレゴリー・ラスプーチン 皇帝の姪 痴情の縺れ 不貞の子 唆され英国への亡命を決意する 神智論 いんとう淫蕩な噂が絶えなかった 企画当初のツン95%は雲散霧消していて トルストイの生家をモデルに続きを読む

    投稿日:2022.01.22

  • acipin

    acipin

    ロシアの実在した人物や史実をモデルにした、フィクション。ビエールカとシシェノークの関係性がよかった。ストイックというか。一方、私にはちょっと理解しにくいのは、ビエールカとミハルコフの関係性。ストックホルム症候群みたいんなもん?3年間ずっとって…。 ビエールカとフェリックスの関係性もよくわからん…突き落とされてケガさせられたり、父親殺されたりは知らないのかな?
    これをきっかけにロシア史にちょっと興味が沸いた。
    続きを読む

    投稿日:2019.05.25

  • moisosiro

    moisosiro

    ヴィクトル…可愛いおっさんだが、が許される気がしない…女に夢を見過ぎでは…

    ベアゲルダーみたいに、と見せかけて、やられたら殺す系の女を沙村作品には求めてま

    投稿日:2018.08.03

  • sudah makan?

    sudah makan?

    昔のロシアでののお話。

    車椅子の少女とその従者が主人公。互いを頼りに生きる、それぞれの描写がとても素敵でした。

    ジョージオーウェルの1984を読んで以降、共産党ものとか、ディストピア的世界に対する恐怖がすごい。続きを読む

    投稿日:2017.10.29

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