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近藤史恵 / 東京創元社 (521件のレビュー)
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総合評価:
sabachthani?
15
ヴァン・ショーは謎解きの合図
サムライみたいな外見の三舟シェフのお店、ビストロ・パ・マルのオススメは、気取らないけど絶品のフランス料理とシェフによる鮮やかな謎解きです。 体調不良や夫婦間の問題、若い頃に起こった不可解な出来事などの…話を客から聞いた三舟シェフは、料理の最後に裏メニューのヴァン・ショー(ホットワイン)を振る舞います。そして語られるのは、一度聞いただけの話から推理した謎の真相。 居心地の良さそうな店で美味しい料理だけでなく鮮やかな謎解きも堪能できるなんて、ビストロ・パ・マルの客がうらやましい!続きを読む
投稿日:2014.05.27
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rams
13
フランス料理と謎解きの美味しい関係
住宅街にある小さなフランス料理店ビストロ・パ・マル 気取らない料理とピッタリ合ったワインにかけられた 日常の謎解きが7編 一風変わった雰囲気のシェフの推理が冴えます 個人的にフランス料理は馴染があま…りなく 料理の知識がもっとあったらもっと楽しめたのにと 惜しい気持ちで読み進めました 続編ではキャラのたつシェフへの掘り下げを期待します 続きを読む
投稿日:2014.09.23
ゆきおんな
10
最高に悪くないお店です。
食材を選ぶ確かな目と料理に対する真摯な心が、素直になれなかったり、すれ違ってしまった人たちの心の隙間を見つけて繋ぎなおしていきます。 ものすごいトリックが仕掛けられたミステリーではありませんが、無愛想…なシェフの鋭くも温かい指摘にこじれて固まっていたものがふんわり崩れていくのが心地よいです。 初めて聞くフレンチのメニューに味を想像できないものもたくさんありましたが、料理もワインもパ・マルのスタッフもみんなとっても魅力的でした。 読んだ後で買い物に行き、チーズ売場に心惹かれてあれこれとえらんでしまいました。続きを読む
投稿日:2014.08.04
つたもみじ
7
美味しそう…
店を訪れる客達の日常的な謎を解く、サクッと読める短篇集。ミステリなのに「美味しそう…」という感想は間違っていないだろうか。フレンチは食べられない食材が多くて苦手なのだけど、ビストロ・パ・マルで出てくる…料理やデザートはとても美味しそうだった。三舟シェフが無口…という設定は後半ちょっと忘れられてた? 料理と謎解きの他にも、シェフの見せるさりげない気遣いが心地よかった。続きを読む
投稿日:2014.09.25
moga
ジャンクフードでないのを食べたい!
下町のフランス料理店に持ち込まれる?小事件(うーむ、事件ともいえないかな?)を料理を通して見事に・・・なんとなく解決? 1冊目との事なので、主要メンバーの役割とバンショーの出しどころが、無理のないコー…ス料理のように提供されます。 うん、こんなフランス料理だったら食べてみたいです。メインディッシュはこれから(続巻)かなぁ。続きを読む
投稿日:2015.07.21
大塚 聡
5
料理名のように言えば「ミステリー風人間模様」か
著者の近藤史恵と言えば大藪春彦賞を受賞した『サクリファイス』が有名だが、この『タルト・タタンの夢』は同時期に書かれた下町のビストロを舞台にした連作短編だ。『サクリファイス』と同じ作家なのか、と思うほど…、テイストは違う。しかし、登場人物それぞれに込められた思いは相通じるものがある。 舞台となるビストロ・パ・マルはフランス家庭料理を提供する店で、シェフの三舟、副料理長の志村、ソムリエの金子、そしてギャルソンの高築の4人で日々お客さまを迎えている。カウンターが7席、テーブルが5つとこぢんまりとした店ながらもフランスで修行した三舟シェフの料理は多くのファンを魅了する。そんなパ・マルには客が小さな事件の欠片を持ち込み、シェフの三舟が料理を通して解決し、時には真実を解き明かしてしまうこともある。この『タルト・タタンの夢』には7つのエピソードが用意されていて、ギャルソンの高築の目線でストーリーは進行する。 最後のエピソードである「割り切れないチョコレート」はランチに訪れた一組のカップルの描写から始まる。男は始終不機嫌な表情を見せ、女性は時々涙ぐんでいる。大きな店ではないので、高築だけではなく、ソムリエの金子もこのカップルは気になっていた。そんな中、帰り際に男はシェフにボンボン・オ・ショコラがまずく、それまでの料理が台無しだ、と文句を言う。気になって材料のチョコレートを味見してみると、以前のものに比べて味が落ちていることに気づく。そして文句を言ったこの男は近くでチョコレート専門店をオープンしたショコラティエだった。 この店のチョコレートの詰め合わせはなぜかどれも中途半端な数で、23個や17個、多くは41個と不思議な数のものばかりである。しかし、それはこのショコラティエがこれまで受けてきた愛情がもたらした結果だったのである。そして、その思いを知った時になんとも言えないあたたかい気持ちに包まれる。 エピソードの中によくホットワインであるヴァン・ショーが登場する。パ・マルの隠れメニューでもあり、三舟シェフが作るヴァン・ショーは飲んだ人の心をあたためる効果もあるようだ。 そして、このパ・マルを舞台にした話はシリーズになっており、次の作品は『ヴァン・ショーをあなたに』である。 さあミステリーに包まれた心あたたまるエピソードを味わってみませんか?続きを読む
投稿日:2014.06.14
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翠
ビストロ・パ・マルを舞台に日常に寄り添う愛情とミステリを描いた短編集です。心に絡みついたモヤモヤも美味しいフランス料理と三舟シェフの推理で解れてゆきます。そして最後はやっぱりヴァン・ショー!心もお腹も…柔らかく満たしてくれるパ・マルに行ってみたいな♪続きを読む
投稿日:2024.05.13
じょー
ほっこりあたたかくなるようなお話でした。美味しそうな料理が出てくる本ってなんでこんなに癒されるんだろう。フランス料理詳しくなくても、解説してくれるからありがたい。 一見変わり者の三舟シェフが、お客さ…んの小さな謎を解いていくミステリーでした。なんだかその謎解きさえもあたたかかった。人は見えてることと違う思いがあることもあるよねってことを学びました。見えないところで想ってる愛も素敵でした。 特に好きだったのは、志村さんのお話。ほんとに大好きなのが伝わって素敵でした。そんな風に相手を思える人でありたい。 私は冬に飲むホットワインが大好きなのですが、フランスでは風邪の時に飲むのだそう。あとは疲れた時や寒い時にほっと癒される素敵な飲み物。そんなホットワインみたいな作品だなとふと思いました。続きを読む
投稿日:2024.05.06
ico22
ビストロ・パ・マルというフランス料理店で織りなされる七話の連作短編集 普段は無口で少し変わったシェフ三舟が日常のミステリーをするすると解決していく作品 シェフ三舟の観察眼がすごい!作中に出てくる料理が…また美味しそうなものばかりで読んだ後はお腹が減ります 近藤先生の作品は文章がリズムよく軽快で、それでいてユーモアたっぷりなので読んでいて楽しいし読みやすい 日常の小さな謎を解決していくので激烈な悪人が出てこないのもウレシイ 続きも早く読みたいな!続きを読む
投稿日:2024.05.05
青風
自身の浅学ではあるが、ミステリーというと古くはアガサクリスティや最近でいうなら京極夏彦(最近かこれ?)のような重厚なものという先入観が定着しきっていて、本書のような軽い口当たりの、しかし味わい深いミス…テリーが存在することすら知らなかった。 物語はフランス料理展「ビストロ・パ・マル」の店員4人とその話ごとのゲストで構成される。事件の内容も様々で、洒落にならない悪質なものから単なるすれ違いまであるが、全てがまるで「こちらの料理はいかがですか?」とでも言わんばかりにすっと解決する。また作品中に出てくる様々な料理も魅力の一つだ。特に決め台詞に等しいヴァン・ショー(ホットワイン)は酒の飲めない私でも飲みたくなってしまう。著者の表現力故だろう。続きを読む
すー
このレビューはネタバレを含みます
今までフランス料理というと、格式が高いイメージがあり何となく堅苦しいものだと思っていましたが、この小説では温かみのある家庭料理を楽しめます。特に個数を割り切れない素数にすることで、余った分を食べてもらえるように工夫されていた「割り切れないチョコレート」が印象的でした。母の思いと成長した息子の思いが「割り切れない」に込められていてぐっときます。三舟シェフの鮮やかな推理と心温まる謎の真相に、心も身体もお腹いっぱいになりました。
投稿日:2024.04.24
につ
感想 チーズに食べ頃があるなんて、トリビアだな。 ヴァン・ショー。ホットワインがキーワード。 作品がツールドフランスやフランス料理と作者はフランス好きなのか? あらすじ 小さな家庭料理のフレンチレストラン、ビストロ・パ・マルは三舟シェフと4人が働いている。三舟シェフは長髪と髭の武士スタイル。お客が巻き込まれる些細な事件をシェフが解決していく。
投稿日:2024.04.10
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