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東村アキコ / ココハナ (148件のレビュー)
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総合評価:
bookworm.c
11
東村アキコvs鬼軍曹
東村アキコの実体験に基づくマンガです。 漫画家になるため美大をめざすぱっぱらぱーな主人公が出会ったのは、絵画教室の先生とは思えない、まるで運動部の熱血コーチのような鬼軍曹(笑) 怖い!ありえない!… 叱られ、竹刀で殴られ、時におぶわれ・・・ 笑いの中に、作者の先生への深い愛や尊敬の気持ちが感じられます。 主人公二人のめちゃくちゃぶりを感じつつ、それでも温かい気持ちになれるコミックエッセイです。続きを読む
投稿日:2014.06.01
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なおし
3
どことなく漂う悔恨。
今まさに、漫画を描いている主人公(作者)と、回想される昔の主人公。 他に類をみない手法、コメディタッチのストーリー、なのにこの先に起こることを想像させて切なくさせるモノローグ… 東村さんのマンガは初め…てなのですが、すごく良さそうな気がして購入しました。 読んでて身につまされるシーンが多いです。 ダメな青春時代を送ったすべての人にオススメできるお話。 必ず最終巻まで読んで欲しいです。続きを読む
投稿日:2015.05.22
Reader Store オフィシャル
漫画という形で送られる、恩師への想い
東村アキコの自伝的作品、『かくかくしかじか』。 美大を受験し、漫画家として大成するまでの苦難の日々を描いていきます。 登場人物たちの強烈なキャラクター性が特徴の東村ですが、その中でもひと際異彩を放つ…のが絵画教室の日高先生。 女子高生時代、おだてられ、うぬぼれていた東村を「下手クソ」と一蹴し、竹刀でどつき回す様はまさに鬼軍曹。 子供から老人まで通う町の絵画教室だけれども、老若男女の区別なく生徒を叱り飛ばしていきます。 それでも、お昼時には必ず熱いお茶をみんなに振る舞い、仮病を使った東村の嘘を信じておぶってバス停まで連れていくことも。つまり嘘のない、どこまでもまっすぐな先生なのです。 随所に切れ味抜群の笑いを差し込む東村節は健在ながら、ところどころで自分史を振り返る作品だからこそ言える日高先生への思いもぽろりと語られます。 ゲラゲラと笑えてしまえるのに、何だか涙ぐんでしまう1冊です。続きを読む
投稿日:2015.06.24
パギー・ハナフサ
2
お勧めです。
彼女が宮崎でりぼん少女だったころ、ちょうど宮崎に住んでいました。なので懐かしい地名が出てきたり、方言などローカルな部分でも楽しめました。先生の家の前の、ビニールハウスでコンビニどころか、自販機も何にも…無い風景って案外日本に多いのでは?当時は竹刀を持った先生は通っていた宮崎の中学にもいらっしゃいました(しかも1人でなく、複数・汗)。まぁ、さすがに美術の先生ではいらっしゃいませんでしたがね。個性的な先生が沢山、教鞭をとられていて、とても楽しかった宮崎時代です。主人公が作中で何度も描いているように、自由でのびのびしていましたね。 伝説の「岡田あーみん」を彷彿させるような抱腹絶倒、でも時々はっとする綺麗な絵を描く東山アキコさんの自伝的漫画。 面白かったです。多少、絵を描く人であればもっと楽しめると思います。肥大した自信過剰、妄想女子高生から美大生、就職、漫画家になって、、という時の流れのなかに先生への気持ちが織り込まれていてせつなくなる。消したい過去、恥ずかしい事件って誰もがありますがそれらを描く勇気もさながらそれらを面白く、話に盛り込んでいる作者の手腕。他作品もいくつか読みましたがこれが一番好きかも。5巻が出るのが待ち遠しいです! 私も日高先生に習ってみたかったです。(日高って宮崎によくある苗字なんですよね~。浅香唯ちゃんも宮崎市内出身だし)続きを読む
投稿日:2015.06.01
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「東村アキコ」が出来るまで
他の方のレビューにある通り、東村アキコさんの自伝的漫画です。 いかにして現在の東村アキコさんが形作られたか、がわかるような気がします。 NHKの「浦沢直樹の満勉」で拝見しましたが、描くスピードの速さ…は 並々ならぬ努力によって培われたのだろうと思います。 ※マンガ大賞のサイトに、授賞式の中継動画へのリンクがあります。 興味のある方は、ぜひ【通読された後】に視聴をオススメ致します。続きを読む
投稿日:2015.09.20
oisomomiji
1
正座して読みました
2015年まんが大賞を取った時も、その前に話題本で本屋で平積みされていた時も、「ああいつものギャグ路線でおもしろおかしくやっているのネ」と早とちりしていました。先生と最初にあったエピソードで正座。「…これは真剣に向き合わなければ!」と5巻最終話まで一気読み! 泣きました.....。 作者の自伝で、美術系の大学受験から漫画家になるまでが、恩師を軸に描かれています。ギャグのトーンは抑えられていますが、普通でない登場人物たちのエピソードはおもしろく「これネタじゃないの!?」「どんだけ盛ってるの!?」と思ってしまうのですが、インタビューによると全部実話だそうです。(何故、起こったことをそのまま描いているかも作品を読み進めるとわかります) でもそんな面白エピソードを凌駕してこの作品に感動するのは、「今だからわかる、幼い自分/身勝手な自分、貴重な時間を浪費してきたこと」の数々が、飾り無く赤裸々に描かれていることです。 「昔のバカな自分をぶん殴りたいよ」という作者の言葉が何回かでます。でもそんな自分を、否定せず受け入れている。嫌な自分も含めて、「全てが血肉となって自分がいる。」という悟りと、それでも残る後悔のせめぎ合いがこの作品のすばらしさです。 自分の子どもに読ませたいけど、まだ半分も伝わらないのだろうな。これがわかるのは20年後なんだろうな、きっと。 実技試験の無い芸術学科に入って作中に描かれている脳内妖精さん状態だった自分には、本当に突き刺さる物語でした。 続きを読む
投稿日:2016.03.06
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あかね@塾なし中学受験2022&2027・フリーランス事務
ギャグ満載なのに涙がでてくる。時間を追うごとに大きくなっていく先生の存在。距離をとったり、支えられたり、うざくなったり、自伝ということもあり心の描写が胸に響く。
投稿日:2024.01.17
ぽんきち
『海月姫』、『東京タラレバ娘』などで知られる漫画家、東村アキコの自伝的エッセイコミック。 主人公・林明子(*ちなみに東村の本当の本名は「森明子」らしい)は宮崎の高校3年生。少女漫画が大好きである。 …自分は絵がうまいと本気でうぬぼれていた。投稿すれば大きな賞を取れ、超大型新人としてデビューすると思い込んでいた。 夢の人生プランは、美術大学に入る→在学中に漫画家デビュー→学費は漫画の原稿料で払う→漫画の実写化ドラマに出演した俳優と結婚→漫画を時々描いて幸せな一生を送る、と、相当な脳内お花畑。 大学受験なんて楽勝とも思っていたが、クラスメート(やはり美大進学志望)に、美大を受けるなら絵画教室に通わなければダメだと言われ、彼女が通っている教室に通うことにする。 ・・・この先生、日高がすごかった。ジャージ姿に竹刀を持ち、超が付くスパルタ先生。口も悪けりゃ手も早い。今なら保護者から苦情がいきそうなほどだが、通ってくる老若男女の生徒たちは皆、先生に従順だった。 明子は石膏デッサンを1枚12時間以内で受験までに100枚描け、と無茶苦茶な指示を出される。明子だけではない。延々と来る日も来る日もティッシュの箱を描かされている老人、魚の骨を描かされている幼い姉弟、厳しすぎる指導に耐えかねて泣き出す女学生。阿鼻叫喚である。 日高先生自身は実は、美大を出ていないことが後にわかる。 それでも先生のデッサン力はずば抜けていた。また、厳しいながらも情に厚い、面倒見のよい先生であることも徐々にわかる。授業料は格安で、徹底的に1人1人の生徒と向き合っていた。 明子は勉強が苦手だった。推薦入試を受ければ学科試験は不要と高をくくっていたが、何だかんだでセンター試験(現在の大学入学共通テスト)を受けなければならなくなる。そこで先生から出た指令は「9割」取ること。定期テストで一桁台を取ることもあるほど勉強ができない明子には到底無理な目標だった。 そこで明子はどうしたか。 何とヤマカンでセンター試験を「攻略」する本を買って実践し、実際、模試でそこそこの点を取ってしまうのである。 ・・・そんな力技ありか!? そんなこんなの受験生生活を綴る1巻。 全体に抱腹絶倒なのだが、一話の終わりごとに、現在の明子=アキコが先生に語り掛ける一言・二言がじんわり沁みる。 日高先生のモデルとなった人物は、病気のため、早逝している。 そう、これは今は亡き人に向ける言葉なのだ。 だから、ドタバタコメディ風でありつつ、どこか深い郷愁も漂う。続きを読む
投稿日:2023.08.23
みかる
かけ、かけ、かけ。 人間とは後悔する生き物だけど、後悔から学び今の自分があるとも言える。 そういう事を思い出させる作品。
投稿日:2023.06.13
sakopy
このレビューはネタバレを含みます
あの時代から始まるのではなくて 作者の回想物語なんだね だからこそ 所々 未来の自分から 過去にツッコミが入る 別にボケているわけでも 面白いことを言おうとしているわけでもないのに あの当時のことを思い出していれば 恥ずかしいからこそ そして あの当時がどれだけ大切な時間だったかがわかるからこそ の展開が良いな
投稿日:2023.02.27
裏竹秋
素が出た私漫画の名作 以前伊藤剛のツイートを見ておもしろさうだと思ひ、実際に試し読みで1巻を読んだらすごくおもしろかったので、けふ全巻買って一息に読んでしまった。 名作である。泪がにじみでた。 …漫画家として人生のいきさつを描きながら、昔の自分へわきあがってくる感情のほとばしり、若い頃の心情のせめぎあひ、そのいちいちから日高先生への思ひが立ち上がってきた。 そしてこれは昔を思ひ出してノスタルジーにふけるといった漫画ではなく、思ひ出すのがつらいけれど、先生の言葉を背負って前へ前へ進まうとしてゐる作者が浮かびあがってくる。そこがよかった。続きを読む
投稿日:2022.11.09
肉まん
何回読んでも心打たれる。 悔いを残すから、挽回しようと頑張れるんじゃないかなぁ。 私も学生時代の自分の不甲斐なさを思うと悔いる。 楽しかったけど、無駄にした時間やチャンスを数えてしまう。 でも、「あの…とき」にしか楽しめなかったこともあるよね? 若かったゆえの、懐かしさ、消し去りたいほどの恥、踏み出せなかった後悔…いろんな感情をひっくるめてのいとおしい時間と思い出の数々。 生きてみないとわからない。続きを読む
投稿日:2022.09.06
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