bookworm.cさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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かくかくしかじか 1
東村アキコ / ココハナ
東村アキコvs鬼軍曹
11
東村アキコの実体験に基づくマンガです。
漫画家になるため美大をめざすぱっぱらぱーな主人公が出会ったのは、絵画教室の先生とは思えない、まるで運動部の熱血コーチのような鬼軍曹(笑)
怖い!ありえない!…
叱られ、竹刀で殴られ、時におぶわれ・・・
笑いの中に、作者の先生への深い愛や尊敬の気持ちが感じられます。
主人公二人のめちゃくちゃぶりを感じつつ、それでも温かい気持ちになれるコミックエッセイです。 続きを読む投稿日:2014.06.01
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夜のピクニック
恩田陸 / 新潮文庫
ただ歩く、それだけだけど、それだけじゃない。
6
ただ一晩かけて歩くだけ。
密室劇にも似た、一歩間違えれば退屈になってしまう話を、奇跡とも思えるぐらいの完成度でまとめあげた一冊です。
正妻の子と、愛人の子と、二人を取り巻く友人達と。
教室でも、学校…でも、修学旅行でもなく、たんたんと歩く歩行祭が舞台だからこそ、
ある意味昼ドラな半分だけ血の繋がった兄妹の関係がどろどろせずに、
最後まで柔らかい優しい雰囲気に包まれて展開して行きます。
ハードカバーで愛蔵用に一冊、読み倒すようの文庫が現在三冊目、とうとう電子書籍でも手に入れてしまいました。
それくらい大好きでおすすめの本です。
これまで読んできた本の中で一番好きなお話のひとつです。 続きを読む投稿日:2015.04.04
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3月のライオン 12巻
羽海野チカ / ヤングアニマル
温かさをまとう一冊
6
前巻までとはうってかわって、ほんとに明るい巻です。
零の周りの人たちにスポットライトが当てられ、笑いあり、(涙……はないかな、)笑いあり、笑いありで楽しく読める仕様に仕上がっています。
こんな巻がつ…くれるほど零と彼を取り巻く環境は変わったんだなとしみじみとしてしまいました。
発売を待つに当たって、気持ちを高めるべく、一巻から通し読みをしたんですが、なんかもう、うれしくなりました。
独りぼっちで、将棋との向き合い方も、人とのつきあい方も関わり方も、なにも知らなくて、なにも知ろうともしていなかった零が、当たり前のように人と関わって、相手の人生に踏み込んで、振り回されている(笑)。
気がつけばそれが普通になったことを実感できる一冊でした。
ハチクロもそうでしたが、羽海野さんは人の変化をすごく繊細に、自然にかかれるので尊敬します。
ぜひぜひ、一巻からの通し読みをお勧めします。 続きを読む投稿日:2016.09.29
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チョコレートコスモス
恩田陸 / 角川文庫
読みだしたら止まらない天才女優二人の対決
5
恩田陸版「ガラスの仮面」というのが一番わかりやすいかも。
芸能一家育ちのスポットライトを浴び続けてきた天才女優と
本能的に演技の世界へと引き寄せられた天才初心者の少女のお話です。
読者を作品の中にぐ…いぐい引っ張っていく恩田陸さんらしい作品。
ネバーランドとか夜のピクニックが好きな人はきっと好きです。
私は三冊文庫を読みつぶし、とうとう電子書籍版を購入しました。
買って後悔はしないと思います。 続きを読む投稿日:2014.05.13
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百姓貴族(3)
荒川弘 / ウィングス
農家の常識・非日常
3
少しでもおいしいものを少しでも安く――それが今の日本人の一般的な心理だろうけれど、
この漫画を読むと、日ごろ自分が口にしているいろんな食べ物についていろんなことを考えさせられます。
これって本当にこ…んなに安くていいのかな?とか
おいしいってどういうことなんだろう?とか
特に今回はおばあちゃんの死について、ネタにしつつも、忙しいときには心から弔っている時間すらない農家の現実を感じて、
笑ってマンガを楽しみつつも、農家さんに対する感謝の気持ちが本当に深まりました。
頭ごなしに農家に感謝しろ!とは言ってないのに、気が付けば食育している・・・作者の腕前に感服です。 続きを読む投稿日:2014.06.12
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ロンドン 地元みたいに遊ぼう!
木内麗子 / コミックエッセイ
ロンドン行くならこの一冊!
2
るるぶやまっぷるに載っている情報もいいけれど、もっとディープにロンドンを楽しみたい方におすすめの一冊!
おすすめコースから、ショッピングスポット、おいしい?イギリス料理まで。
現地に住んでいるからこ…その目線で、リーズナブルなお値段で楽しめるようなところがたくさん描かれています。
しかもこの本、何がおすすめって、変に海外スレしてない。
大型情報誌ほど軽くはないけど、「地元の人こそ知る…」みたいな変に観光スポットを無視した内容ではないのがいい。
しっかり定番観光コースも行くんだけど、そこにちょっと街歩きをプラスしてみたり、住んでいるからこその情報が追加されていたり、そのバランス感が抜群です。
ロンドンに行く予定のない人でも、行きたくなる一冊!! 続きを読む投稿日:2014.06.20