【感想】はじめての構造主義

橋爪大三郎 / 講談社現代新書
(160件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
45
53
33
2
1
  • レヴィ=ストロース入門

    『はじめての構造主義』と銘打つものの、八割方はレヴィ=ストロース。一割はソシュール。最後の一割でその他の構造主義者や自称ポスト構造主義者を扱う感じです。分かり易く、レヴィ=ストロースの著書の内容を解説しています。最初は遠近法だの、幾何学だのがどうして構造主義に関係するのか想像つきませんでしたが、読み終わってみれば納得。構造主義関係の文献リストも付いて便利です。続きを読む

    投稿日:2014.06.13

  • 良書です

    学生時代に読みました。読みやすい語り口で、でも要点はしっかり頭に入るというか。
    行列式の例は、なーるーほーどー!と、頭の中でパラダイムシフトが起きました。
    知的刺激に満ちています。

    投稿日:2015.01.30

  • 学際的視点

    人類学に数学モデルを応用した面白い視点の構造主義を紹介。著者の守備範囲が広いことから来る思い切りの良さと、軽妙な語り口が魅力の入門書。

    投稿日:2015.04.04

ブクログレビュー

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  • 百冊会II

    百冊会II

    驚きの構造主義入門書。
    何度求める読み返したが、その度に感動を新たにする。
    「構造主義は終わった」とマスコミやアカデミズムが合唱するのに対して、そんなことは笑止千万、と一喝。長嶋茂雄よろしく「構造主義は永遠です!」と高らかに宣言してみせる。

    構造主義は、思想ではない。
    構造主義は、方法論なのだ。
    だから、古びることはない。
    あるのは、構造主義以前と構造主義以後という区分だけだ。
    比較するとすれば、「ニュートン以前とニュートン以後」、アインシュタイン以前とアインシュタイン以後」と言った科学史の区分だろう。

    橋爪40歳、東工大の教授に就任する直前の作品。
    構造主義のキモをレヴィ=ストロースを中心に明快に描いてみせる。
    新書とは思えない、橋爪の思考と知見が詰め込まれた冒険の書だ。
    「冒険の書」と呼ぶのは、数学、遠近法に構造の起源を見し出すという驚きの「構造主義起源論」を展開するからだ。
    通常、構造の起源は、ソシュール、ヤーコブソンの言語学に求める。
    その通説に対して、橋爪は、ブルバキの数学に、そして遠近法に求めるのだ。
    これは、言語学起源論の強調へのアンチ•テーゼと言える。 
    構造主義を作ったレヴィ=ストロース自身が、その起源をソシュール、ヤーコブソンだと語っているのに、橋爪は、それを否定するのだ。
    これこそ、構造主義方法論の真骨頂。
    レヴィ=ストロースの無意識領域に潜む「構造」を炙り出したのだから。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.20

  • ami

    ami

    語り口は軽快でとっつきやすかったが、途中、数式を例えに思想を説明してくれるあたりから、分からなくなってしまった。まだまだ勉強しなくては!と思えたので◎

    投稿日:2024.04.07

  • 本の購入は1回につき3冊まで!

    本の購入は1回につき3冊まで!

    アイデアは既存のアイデアの組み合わせでしか生まれないと本で読んだことがある。レヴィ=ストロースのアイデア(発見)も、言語学や数学など他の学問の組み合わせでできている。この本は、彼がどのようにそのアイデアを持つに至ったかをアイデアの元ネタから探れるようになっている。しかし、この本を読めば鮮やかなアイデアが浮かぶ訳ではない。むしろ、アイデアの元となるアイデアを深く理解して、内面化して、試行錯誤をしないと新しいアイデアは生まれないということを改めて認識させられる。続きを読む

    投稿日:2024.03.24

  • 2043118番目の読書家

    2043118番目の読書家

    ソシュール「一般言語学講義」
    世界は言葉によって切り取られている。例えば、水や湯と日本語で表現されるものも英語ではWaterのみで表現されている。このように、世界から言葉を切り取って認識している(物質世界≠言葉)
    これを、言語の「恣意性」と呼ぶ

    言語システムを複雑化することで精神世界を複雑にすることができる。言葉が何を意味するかを発展させる

    音も、シニフィエもシニフィアンも対立によって規定されるわ

    交換のための交換が基本、それが特殊に変化して経済が現れるにすぎない

    真理は制度である。時代によって人が社会が勝手に決めるもの
    よって唯一の真理はなく、その時代、社会で制定される

    定理は公理(それの証明が使用のないほどの定説)により証明される
    続きを読む

    投稿日:2024.03.02

  • yurisyo

    yurisyo

    Podcastから知った橋爪大三郎先生。
    ご著書を読むのは2冊目。
    先日読んだ川原繁人先生の巻末で対談されていたが、その際、川原先生が高校生時代に読んで影響を受けたとお話していたのがこちらだった。
    回、読書会で借りる本を物色していたら奇しくも出会えたので諸手を挙げて喜びいさんで借りて帰った。
    数年前に某大学の講師の方が紹介して置いて行ったらしい。ありがたや…。

    さて、構造主義やら、レヴィストロースやら、こちらもまずはここ2、3年の間にPodcastからその存在を知ったクチ。
    音声を聞いているだけではなかなか理解の難しい内容だったけど、
    書籍だしね、
    わかんないところは戻れるしね、
    何より橋爪先生も「ちょっと進んだ高校生、いや、かなりおませな中学生の皆さんにも読んでいただけるように書いてみました」って書いてあるし、
    たぶんいまいち難しかった構造主義について理解が進むぞー!
    と、思って読みはじめた。

    …いや、普通にめちゃくちゃ難しい…。

    橋爪先生の語り口がとても軽妙で、文章自体は読み易くて面白いんだけど、
    だからと言って内容が易しくなるわけではないんだよな。

    まあとりあえず、読了ホヤホヤの今言えることは、どんな学問も全て繋がってるんだということがここにおいても痛いほどわかった。
    言語学も数学も社会学も宗教も哲学も、ありとあらゆる…、
    世界を知ろう、真理を追求しようと思う知的探求はどのカテゴリーであっても、なんらかの影響を受けたり与えたりしながら存在している。
    ぜんぶ繋がっている。
    この事実が本当に面白いなぁ。

    まあでもいきなり本から入るのはやはり相当難しかったと思うので、
    Podcastから構造主義について入門するのは私にとっては良かったな。
    (というかPodcastを聞いてなかったら手にもしてないと思うけど)
    ただ、どの書籍から入るのがいいかもし聞かれることがあるなら、間違いなくこちらをおススメする。
    この先に進むための参考文献についてもちゃんと記してくれているので、大変親切で優しい本です。
    橋爪先生のお茶目な語り口もツボります。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.30

  • nabe33

    nabe33

    インタビューデータの質的分析は主観的にならざるを得ない.インフォーマントの語りも事実を語っているわけではなく主観に引きずられている.そのようなデータをどう分析すれば良いかと言う点で構造主義が関係してくる.というわけで,構造主義の超入門書を読んでいるが『はじめての構造主義』がとてもわかりやすい.

    この本は数学や物理学と結びつけて「構造」を語っているのだが,客観的に存在する物体を見ている主観的な私(主体)との関係で世の中が見えていることを示していて,私(主体)の視点が異なれば客観的な世の中の見え方も変わること,その中で不変なのが構造であると言っている.ユークリッド幾何学で記述できる我々の世界と,脳に投影されている射影幾何学の空間は数学的な変換で関連付けることができる.変換によっても不変なのが「構造」である.こういう説明を読んでなるほどと思った.
    続きを読む

    投稿日:2024.01.13

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