【感想】AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~

田中ロミオ, mebae / ガガガ文庫
(79件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
30
25
11
1
1
  • 中二病もまた青春です

    青春小説ですね
    テーマは妄想と現実と情熱でしょうか?
    中二病が苦手な方はしょうがありませんが、未体験の方も読んでみたら意外とこの痛い青春病を楽しめると思います
    経験済の方は心で恥ずかしさを噛み締めながら普通に楽しめるでしょう
    元々面白い文章を書く人なので笑える場面が多々ありますが、読んでいて心が痛くなる場面や悲しくなる場面もしっかりあります
    そして嵌まった人はクライマックスがかなり気持ち良く読み進めて、気付けばカッコ悪いがカッコ良いになっているはずです
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    投稿日:2013.09.26

  • とある人種には劇薬

    悶絶しました。
    背筋が寒くなりました。
    文章を直視できないというなんとも珍しい経験をさせていただきました。
    それでも最後は綺麗に纏めやがって…!
    と、なんともロミオ作品が好きになる1冊。
    読もうと思った方は、油断して魂をお持ち帰りされかねないように気をつけてください。
    ある種の人間にとっては地平線のかなたまで走り去りたくなる危険性を含んでいます。
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    投稿日:2013.09.28

  • アニメを見て原作が読みたくなった


    周辺人物、クラスの貴族クラス高橋とか大島あたりの小説での描き方にも興味があった。
    貴族トップの高橋については原作もアニメも変りなしで、私的には肩透かしだった。
    もっと立ち回りの狡猾さなんか書いてくれてるかと思った。
    大島については主人公へのフラグがあったのではないかと推測したが、それは私がアニメ一般の見過ぎの偏見推測だったようで、小説では堅実なラスボスぶりでした。

    もちろん小説だからリアルままではなくてデフォルメも効いて、お話になっているのだろうけれど、昔昔の私達の頃の学生生活は男女が用事以外で話すことはそんなに多くなく、そんな中で会話能力の劣る私なんかも紛れるう事が出来たように思うが、今の様に男女の会話交流もクラスで珍しくなくなると、コミュ障気味の生徒たちは大変だと思うし、そんなことからもスクールカーストみたいな区分が浮かび上がってくるのかと、判らないまでも嘆息したりした。

    でも小説らしさはちゃんとあって、主人公のコミュ能力の相当な高さを不自然に感じさせない事とか、オタクがクラスに集結しているとかも役に立たなそうで最後に効果を発揮する仕掛けだろうし、また主人公の過去の痛みについては間接的に描いているので読者が読んでいて暗くなったり嫌にならない所は上手いもの。

    ヒロイン佐藤良子については、もう仕方が無いもので、あそこまでいくといじめる気持ちもわかるぐらいの、そんな小説のバランス感覚が適切なかんじ。
    それやこれやでヒロインが徐々に生身の苦悩を、微かに見せ始める終盤がこの小説の大きな見せ場。
    札束で寂しさと荒涼をみせるのも、やるせなくて良いです。

    屋上でのクライマックスはアニメではやり過ぎだと思っていたが、原作があれでは映像化もああなるのはやむなしか。
    しかし、やっとのことで佐藤良子が絶望を口にし始める場面は、雨ではないけれども主人公が濡れながら其の言葉を受け止めて返す場面に続いて、美しい。

    事件後のエンディングもアニメでは気恥しい感じだったが、原作小説では違和感なかった。
    あの可愛さをアニメでも出して欲しかったものだ。

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    投稿日:2013.11.16

  • ロミオ渾身の青春小説

    田中ロミオといえば、シニカルな文明批評コメディ「人類は衰退しました」です。そんな彼の恋愛小説です。一筋縄ではいきません。ヒロインは厨二病をこじらせた不思議ちゃんで、主人公は厨二病から生還して更正、高校デビューをもくろんでいたのですが、不思議ちゃんにつきまとわれて・・・・なんて話です

    実は今、少女向けラノベの黎明期の傑作(らしい)「なぎさボーイ」を読んでいますが、彼らはとても熱くてストレートなんです。昭和の熱さです。んで、最近のラブコメはそういうんじゃないんですね。ヒロインがストレートな性格でなくてちょっとひねくれてます。病んデレっていうんですか、入間人間の作品なんかが典型です。「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」とかね。

    本作もそういうシチュエーションで、厨二のズレた面白さがあります。入間人間と違うのは、主人公があちらとこちらの両方がわかるけど、こちら側からヒロインを救おうとするところです。後半は随分熱いです。自分の好きな「放課後のロケッティア」を思い出してしまいました。

    ラストシーンのお遊びは「人類は衰退しました」のロミオらしいです

    とても良い小説でした
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    投稿日:2014.09.21

ブクログレビュー

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  • のこ

    のこ

    全1巻。
    異端を陰湿に排除する者達の嫌らしさを書きつつ、普通を拒否して周りなどどうでもいい者達のイタさを描いた作品。登場人物皆んなが歪んでいる。聖人っぽい小鳩もどこか病んでいそうな…今の学校ってみんなこんなんなのかな?だったら嫌だな。
    佐藤良子を可愛いがる三年女子尊い。名前も無い別のクラスのまじないを教えてくれた女子がなんか良い感じ。
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    投稿日:2021.01.23

  • Lozzo

    Lozzo

    前半は、ひたすら苦痛というか、我慢

    クラス内の、いわゆる中ニな人たちに絡まれるけど、どうにか関わるまいとする主人公
    平凡、できたら、リア充目指して、無理して背伸びする主人公
    そのためか、文章が固い
    固いというか、砂を噛むような感じで、面白みがあまりない

    そして、起きるクラス内対立(というより迫害?)
    中二対リア充とそれに連なる面々

    そこからの急展開が面白い
    今まで面白みに欠けていたのに、急にスピーディーに、生き生きしたような、そんな文章に

    伏線の回収もキッチリされているし、終盤の熱さは、予想していてものまれた


    あと、主人公の年齢(ハマったものとか)が割と近く感じたのも、似たようなこと考えたことがあったのも、面白かった原因かも
    続きを読む

    投稿日:2020.09.20

  • 放浪者

    放浪者

    数々の国宝級18禁ゲームを世に送り出してきた伝説的シナリオライター・田中ロミオ氏が手がける学園コメディ。かつて誇大妄想癖を患っていた高校生・佐藤一郎はひょんなことから《リサーチャー》を自称するクラスメート良子によって《竜端子》捜索の協力者に任命されるが……という話。妄想戦士(いわゆる中二病)をテーマとした作品であり、作中で描かれるような痛々しい黒歴史を持たない読者には主人公の葛藤が伝わりにくいかもしれない。尚、本作は類似の主題を扱った『厨二病でも恋がしたい!』以前に出版されている。中二病コメディの先駆け的作品といって良いだろう。続きを読む

    投稿日:2019.09.12

  • タカツテム

    タカツテム

     よくあるラノベに対する強烈なアンチテーゼを作品全体から感じた。それでいてそれに固執する事無く軽妙なテンポで表現され、バランスの取れた作品になっていたと思う。
     ようやっとの事で高校デビューを果たした高校生が青い魔女と出会い、不条理にも様々な騒動に巻き込まれて行くといってしまえば簡単な物語。この作品の肝と呼ぶ部分は、その不条理さと青少年が抱いてしまう非日常への憧れが組み合わさってにっちもさっちもいかない内容になっている。読んでいる最中何度悶え苦しんでしまったことか……
     冷静に考えればこの作品で描かれていることはほとんど有り得ない事だろう。それども、『ありえない』という認識が、ある意味この作品を読む上で最も大切な意識になるのではないだろうか。
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    投稿日:2016.01.16

  • お茶と虎

    お茶と虎

    #「魔竜院光牙最後の闘い〜新たなる闘い〜」にむせるほど笑う。傑作注意。

    #フェルディナン・シュヴァルとヘンリー・ダーガーがもしクラスメイトだったら、やっぱり互いの設定を喰い合っただろうか? それとも互いの存在を識別することすらなかっただろうか? シュヴァルを含む「先輩」たちの姿をまとって提示されるいくつかの回答の中に、久米のおまじないが街限定のARGになる挿話が入っているのが優しい。『蓬莱学園の初恋!』(1991)のアップデート版なので、おしどり夫婦の前世が気になる人は、そちらも探して読むといいと思うよ。

    (2009/10/06)
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    投稿日:2015.08.22

  • aogaeru

    aogaeru

    このレビューはネタバレを含みます

    読みやすいし面白い。
    妄想戦士たちの言動には痛々しくてハラハラする。
    でも、そういうものに逃げる気持ちもわかる。
    ヒロインの救済は主人公の救済なんだよ、多分。

    中二恋に似てる気がするけど、
    こっちが先だったんだよなぁ。

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    投稿日:2015.06.27

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