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山本弘 / アドレナライズ (49件のレビュー)
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総合評価:
yakitori
3
SF好きにはオススメの山本弘の短編集
どちらかというともっと明るい作風の小説だと勝手に思っていたのですが、結構暗い話が多かった。特に「まだ見ぬ冬の悲しみも」は感動作かと思って読んでいたので・・・題名に騙された。 私的には以下の3作が良か…ったです。「奥歯のスイッチを入れろ」は、SFファン、特に石ノ森ファンにはかなりニヤリとする設定で加速された世界が、リアルに描かれており素直に楽しめた。「メデューサの呪文」は、言語兵器(神林長平ではよくある考えですが)、「シュレディンガーのチョコパフェ」は、亜夢界という考えが結構気に入りました。 だたどの作品もSFマニアには楽しめるアイデアが詰まっているのでマニアの方はどうぞ。続きを読む
投稿日:2014.03.28
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チョッピー
2
文句無く、面白い!
表題だけを見ると「ラノベ」的な気配も漂う感がありましたが、中身はバリバリの「SF」小説でした。短編集でしたが、どの短編も面白く、作者らしい「オタク」ネタや、擬似科学批判ネタも混じえながらの「ハードSF…系」に振った作品の数々に触れ、改めてこういう「SF」が好きな自分も再確認したような気がします。やっぱり「SF」小説は面白い!続きを読む
投稿日:2014.07.20
桃太楼
1
続きが読みたくなる一冊
よく言えば引き込まれる。悪く・・・言わなくてもいいんだけど、言うなら物足りない。 短編集なので、そういう部分が少なからずあるのはしょうがないと思うけども、SFとして成立できているだけに世界観をもっと読…みたい話が多い。 特に「奥歯のスイッチを入れろ」や「メデューサの呪文」はこの続きを読みたくなる作品。 表題作の「シュレディンガーのチョコパフェ」は、とてもSFらしい作品。SFを構成するためには新しいギミック(仕掛け)を考えるという基本に則った、読んでいて頭が混乱してくる(褒め言葉)話。登場人物のセリフや名前に注意して3回読むことをお勧めします。 あと、ところどころに作者の不満が隠れた悪口で書かれているので、それを見つけてニヤリとできるかどうかがSFファンの境界かなぁとも思う。続きを読む
投稿日:2014.03.17
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大吉堂
どれもこれも面白い短編集。 SFとは人間や世界を大きなホラ話で囲んでしまい、その外側から観察するような面白さがある。だから人間や世界の本質を描くことができるのだろう。 そんなSFの面白さを多方向からグ…イグイと示してくれるような一冊。続きを読む
投稿日:2024.05.03
マルノ
正直自分はSFというジャンルに詳しくないが、そんな自分をして本作はSF小説の入門としてちょうどいいのではないかと思った。まず短編集だから読みやすいうえに、世界崩壊やアンドロイド、宇宙人、タイムリープな…ど、各話とも違った方向性からSFを表現していて面白い。短編集は、短編の当たり外れがあるので良いイメージがなかったが、本作のように全部違って全部面白いと思ったのは初めてかもしれない。その中でも『七パーセントのテンムー』が一番好きだ。派手さはないが、日常の中の非日常のようでいて、哲学的なテーマも含まれているところが自分好みだ。 著者があとがきで書いてある通り、筋の通った荒唐無稽な物語というところがSFの魅力だと改めて思わされた。どんでん返しものの作品で騙されることに喜びを覚えるのと同じように、SF作品ではこんなことも現実にありえるかもしれないと考えさせられることに快感を得ている。続きを読む
投稿日:2020.11.21
kitarouchan
シュレディンガーのチョコパフェ 亜夢界 思い通りになる? 奥歯のスイッチを入れろ ニューロドロイド 400倍の加速。思考も動作も ーーヒュン バイオシップ・ハンター 生体宇宙船… 鯨に飲まれたピノキオ? 私が好きな異星人は、イ・ムロッフ メデューサの呪文 呪いの言葉 気付かないうちに触れている? まだ見ぬ冬の悲しみも パラレルワールド、拡散と収束、時の流れ、 過去へも拡散? 七パーセントのテンムー 脳のどこが好きを決めるのか、意思は?心は? 闇からの衝動 闇に在るものを呼び出してしまったら…… ハッピーエンドに近いものにも、よくわからないまま怖さが残る。 でも読むのを止められない続きを読む
投稿日:2020.04.08
キじばと。。
短編7本を収録しています。 第1話「シュレディンガーのチョコパフェ」は、孤独な友人が開発した夢時空を生み出す装置によって崩壊していく世界で、アキバ系カップルの男女がたいせつなものをたしかめる話。第2…話「奥歯のスイッチを入れろ」は、高速運動ができるニューロドロイドへと人体改造した男が、敵国のニューロドロイドから愛する女性を守る話。第3話「バイオシップ・ハンター」は、異星人イ・ムロッフがあやつる宇宙船「バイオシップ」に乗り込んだ人間が、普遍的な基準のない宇宙時代の善と悪の問題を突きつけられる話。第4話「メドゥーサの呪文」は、高次の言語文化を持つ異星人インチワームのもとを訪れた詩人の話。第5話「まだ見ぬ冬の悲しみも」は、世界初のタイム・トラベルをおこなうことになった主人公の話。第6話「七パーセントのテンムー」は、意識を司る脳の機能をもたない「天然無脳」(テンムー)の恋人を持つ女性作家が、愛について思い悩む話。第7話「闇からの衝動」は、家の地下室にひそんでいた異次元の触手生物に捕らわれた女性と、彼女の意識を引き継いだ触手生物の話。 個人的には「メドゥーサの呪文」と「七パーセントのテンムー」がおもしろく読めました。「闇からの衝動」は、もはやSFというよりB級ホラー小説といった雰囲気で、著者はこういう小説も書くのかと驚かされました。続きを読む
投稿日:2019.10.15
palebluedot
詩人をよこせというのだ。 詩人にだったら重大な秘密を打ち明けてもいいと言ってきた。 しかもそれは、星間文明滅亡の原因に深く関わるものであるらしい。 という、山本弘の短編集。 先進波発生装置で…世界の消滅をたくらむマッドサイエンティストの表題作「シュレディンガーのチョコパフェ」 時間圧縮装置を付けられたサイボーグの話「奥歯のスイッチを入れろ」 異星人とともに、謎の海賊船を追っていく話「バイオシップハンター」 文明消失の謎を解くため、超文明の末裔に出てこないかと話を聞きに行ったら詩人にしか話さないぞと言われた話「メデューサの呪文」 情報だけやりとりしてエントロピーが変わらないからタイムトラベル出来るよ、という「まだ見ぬ冬の悲しみも」 人類の7パーセントは哲学的ゾンビだった話「七パーセントのテンムー」 実在の人物をなぜかクトゥルフ的ホラー話の主人公にしてしまった「闇からの衝動」 以上7編。 好きなのは「メデューサの呪文」かな。 物質文明を捨てた種族というはなしは良くあるけど、その先が言語文明というのはなかなか面白い。 言語兵器というガジェットもいくらでも広げられそうで楽しい。 「呪法宇宙 カルシバの煉獄」というSFで、「感染」した敵の使う「呪文」を聞くとその人間も感染してしまう話がありました。 宇宙中に広がってしまうかも知れない、という怖さがよく似てます。 「象られた力」も通じるところがありますね。 あと「食前絶後」の言葉とか。 説教くさい、と解説でも言われているのはいつも通り。 説教というよりは愚痴っぽい。 このへんはやっぱりちょっと好きになれない山本弘っぽさです。 主人公たちのおっさんくさい性格も今ひとつ好きになれないし、 「天然無能」がスラング化して「テンムー」になるセンスも合わない感じ。 でもそれでも読んでしまうSFとしての面白さがあるんです…。 アンビバレンス。続きを読む
投稿日:2019.08.28
midnightwakeupper
文庫化に際し『シュレンディンガーのチョコパフェ』と改題したことで『まだ見ぬ冬の悲しみも』より10倍は売れることだろう。手をのばしたくなるタイトル。
投稿日:2019.02.16
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