【感想】六人目の少女

ドナート・カッリージ, 清水由貴子 / ハヤカワ・ミステリ
(27件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
6
8
8
2
0
  • ひたすら残忍で、沈黙させるほど不条理な物語

    はじめから著者は、リアリティなぞ目指してなどいない。
    特定の地名はいっさい出てこないし、捜査陣は犯罪学者をリーダーに瞑想室でミーティング。
    他者に共感できない主人公は、悲しみを分かち合うため自傷を繰り返し、瀕死の犯罪者からは霊能力者の手助けを借りて自供を得る。
    その犯行が可能かどうか、犯罪の動機が理解可能かどうかではなく、悪の根源、もしくは我々の身近に存在している黒い穴が作品のテーマだろう。

    平凡な人間であっても断ち切りがたい闇への誘惑。
    ひたすら残忍で、沈黙させるほど不条理な物語だが、読み終えても考えさせられる。
    続きを読む

    投稿日:2013.12.12

  • 失くした腕の痛み

    映画「羊たちの沈黙」の場面を彷彿とさせます。特に、主人公の女捜査官が、たった一人で、暗闇が蔓延る現場の建物の中に踏み込んで行くところなど…。この手のミステリーのご多分にもれず、登場人物たちは、それぞれトラウマを抱え、払拭できない懊悩と自省に駆られている様です。読後は、余りすっきりせず、もやもやしたものが残りますが、読み応えは十分にあります。ただ、切断された六人の少女の左腕という、余りにも阿鼻叫喚な事件の割には、解決までの行程が、期待外れだったように思います。続きを読む

    投稿日:2014.07.08

  • B級作品

    サイコホラーかと思って読んだら、結構すごいB級作品だった。
    しかも、狙ったB級ではなく、いたって真面目に書いたらB級になってしまった類の作品と思われる。
    なんだか、不穏ですっきりしないラストも好みに合っていて、自分としては好みの作品だったが、
    きっと合わない人は合わないと思う。特に霊媒師が出てきて結構重要な役割を割り振られているところとか。
    続きを読む

    投稿日:2013.10.01

ブクログレビュー

"powered by"

  • てんむす

    てんむす

    外国の作品もたまには読んでみようと思い、手に取ったのがこの本でした。
    結構リアルな描写も多く、楽しく読めました。
    ですが、最後の方は話がごちゃごちゃしていて何を言いたいのか理解できませんでした。

    投稿日:2024.04.08

  • bukurose

    bukurose

    森の中に埋められていた6人の少女の左腕。捜査が始まる中、遺体が次々に発見される。しかもそれは犯人からの何らかの信号ともいうべき指令があった。捜査をするのは、連邦警察行動科学部の部長、メンバー3人に、犯罪学者ゴラン、子供の失踪を専門とするミーラ。主人公はミーラなのだが、これが何やら過去にあった様子。自分の腿を傷つけて意気高揚をするのだ。その理由は最後の方で語られるが、この捜査とも無縁ではない。

    残虐な死体、性格破綻な犯人像、そして犯人周縁の人たちもまた破綻している。残虐な描写は読むのに堪えないが、少し過ぎたあたりからどんどん筋に引き込まれる。ちょっと犯人関係者が多くて焦点が拡散している気も。

    どこの町と特定しない書き方。

    ミーラがかつて受けていた精神分析医の言葉
    ミーラが他人に共感できないことに対して、
    「心の痛みなど存在しない。ほかのあらゆる感情とおなじように。すべては化学の問題だ。愛というのは、ただのエンドルフィンにすぎない。全身麻酔を注射すれば、どんな感情的な要求も取り除くことができる。われわれは所詮動く肉体にすぎない」・・この言葉を聞いてミーラは心が軽くなった。

    2009イタリア
    2013.1.15発行 図書館
    続きを読む

    投稿日:2023.08.22

  • hito

    hito

    このレビューはネタバレを含みます

    霊媒師は要らなかったのでは。。
    それがなくても盛り込みすぎ。
    面白い展開もあって読めたけど最後はなんだかな。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2021.01.23

  • まめ(図書館)

    まめ(図書館)

    序盤〜中盤は、面白くて続きが気になって仕方なかった。
    終盤〜ラストは…。勿体ないよ。
    捜査チーム、好きになれないキャラが多すぎる。
    主人公が一番よくわからない。

    投稿日:2019.02.09

  • usarino

    usarino

    このレビューはネタバレを含みます

    出だしの設定から引きこまれたが、
    後半は三文ミステリーとなってしまった。

    途中から捜査班に犯人や犯罪関係者が居るのがみえみえだ。
    読後感も悪い。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2015.07.17

  • ようちん

    ようちん

    久々に読み切った!
    最近、なんだか入り込めず挫折する本が多かったけど、
    この作品は一気にいけた。
    でも、なんだか、最後がもやもやもや・・・・
    話がてんこ盛り過ぎて、消化し切れない、もったいない。

    投稿日:2014.11.21

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。