【感想】地球から来た男

星新一 / 角川文庫
(92件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
20
34
27
3
0
  • 空いた時間で気軽に読めるショート・ショート

    文章は軽妙で読みやすく、とにかく文全体からからコミカルさが伝わってきます。よく考えたら怖いような話でも、文章やその中でのしゃべり口調のせいか全然深刻な感じにならず、気軽に読めてとても面白かったです。

    私は著者の作品を読むのは今回初めてです。私の中では何故か、星新一=日本SF作家の大御所=ハードSF作家というイメージが勝手に出来ており、本の表題にもなっている「地球から来た男」と扉絵を見てどんなSF的で壮大な、または新鮮なストーリーを見せてくれるのかを楽しみにしていましたが、「コントかよ!」と良い意味で強烈な肩透かしを喰らいつつ、ニヤニヤしながら読ませていただきました。

    読了後に少しだけ調べましたが、元々こういう作風でいくつも映像作品にもなっていて、原作者を認識していなかっただけで見たことがあるものもたくさんありました。

    本著に掲載されているショート・ショートはSF(サイエンスフィクション)とか、SF(スペキュレイティブ・フィクション)というより、藤子・F・不二雄が言うところのSF(少し不思議)というのがぴったりですね。
    続きを読む

    投稿日:2014.07.01

  • 傑作ショートショート

    どの作品も面白かったです。NHKで映像としてちょくちょく見てたがやっぱり本はステキ。

    投稿日:2013.10.07

  • 実は期待してなかったけど

    面白かったですね。60年代初頭の鮮烈な感じから、次第に星流を確立し、70年代には円熟したユーモラスな作風に落ち着き、80年代に入ってからはさすがにネタ切れ感が、、、と思っていました。
    いや、浅見でした。以前の作品がきっちりとした俳句としたら、自由律の作品のような奔放さを持っており、同時に枯れたシニカルさシリアスさも見せてくれます。その時代時代で違った魅力を見せてくれる星さんはまさにショートショートの巨人ですね。続きを読む

    投稿日:2013.10.26

  • さまざまな出会い

    子供の時読んだ星新一のショートショートと異なり、男女間の色恋沙汰も多少含まれている短編集。いつも読みやすいがなおのこと読書が進みます。
    内容はある男が、紳士や悪魔、女性や秘書、科学者などさまざまな人物と出会い話しが進むお決まりのパターン。大笑いはできないが、結末がいつも楽しみな作品が揃っています。続きを読む

    投稿日:2014.07.19

  • 星新一の世界。

    悪魔。魔法。超科学。オカルト。夢。社会機構。
    全てが詰め込まれたごった煮の短編の詰め合わせです。
    日本のショートショートの元祖とでも言うべき星新一の世界観。
    理不尽な落ちと超展開と皮肉めいた現実感の割合がちょうどよい比率で混ぜ合わさって絶妙な読後感を味あわせてもらえます。
    素晴らしい作品です。
    続きを読む

    投稿日:2015.07.11

  • 軽いノリなのに妙な後味

    短編それぞれがものすごく短いので,細切れ時間に読める。
    世にも奇妙な物語。

    投稿日:2014.10.29

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ブクログレビュー

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  • りくまる

    りくまる

    10代に読んだ時は ただただ面白い読みやすい
    でした。 最近 地下鉄の中で読むとちょうど
    ひとつのストーリーを読み終わることがわかり
    片手に文庫を持ち 星新一タイムを楽しみました。
    ただ 楽しいだけじゃない いやそれよりも
    こんなに毒があったり 哀しさみたいなものがあったんだ!と以前とは全く違った感想。再読して 星新一の魅力を知ることができたような気がしてます。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.17

  • Aya

    Aya

    このレビューはネタバレを含みます

    あらゆる男たちが主人公のショートショート集。
    「死」が絡むほんのりヒヤッとするようなストーリーや、皮肉が混じったオチが多めな印象です。私は好き!

    〈お気に入り〉
    向上・・・病気にさせるレーザーで悪人を排除していく話。権力の危険性。
    あと五十日・・・死ぬ恐怖と、死なない恐怖。
    もてなし・・・上手い話には裏がある。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.04.08

  • kemukemu

    kemukemu

    星新一氏が面白くないわけはない。
    初めて読んでから既に半世紀ほどたっているけど、全く古く感じない。

    ただ、改めて読んでみて、SFという衣をを被った「心理学 哲学」教本だったんだと思い立った。
    星新一特有の人を斜めから観察して、軽快に皮肉ってサラッと終わる。
    特別なことが起こってるとと思っているのは本人だけで、周りから見たら「よくあること」の一つと思うかも……。

    カバーイラストと挿入画は、片山若子氏。
    贅沢な文庫本でした。
    続きを読む

    投稿日:2023.09.20

  • 雨束

    雨束

    厭世的で夢想的。現実を捉えているがその輪郭はどこかあやふや。
    星新一さんの作品は初めてだったのだが、その世界観に引き込まれた。
    この人の作品が人気になるのは必然なのだと思わせる魅力がある。
    星新一さんには、この世界がどう見えているのか。
    とても気になった。
    続きを読む

    投稿日:2023.07.03

  • とうべえちゃん

    とうべえちゃん

    中学、高校生の頃に触れ、そのスマートな文章と世界に引き込まれた。当時はブラックユーモアと風刺に面白みを感じていたが、歳を取りあらためて読みなおし、別の面白さを知った。孤独感やさまざまな淋しさを読後体感した。内容も現在と違和感がない。時代を超えて通じる作品。続きを読む

    投稿日:2022.09.18

  • k

    k

    星新一は1926年に生まれて1949年に作家としてデビューした。年代でいうともう100年近くむかしの人である。にも関わらず、彼の作品は現代でも絶大なる人気を集めている。

    なぜかと理由を突き詰めれば、星新一の描く世界が普遍的であるからに違いないだろう。世界において最も変化しないものは人間の本質だからだ。
    星新一は人間の愚かさ、弱さ、儚さをとてもよく理解している。だからストーリーに納得感があるし、読んでいて痛快に感じるのだ。

    それでいてなお、星新一は人間を愛している。その弱さを受け止め、愛おしさをもって人間を描く。決して楽観的ではなく、どちらかという厭世的で暗い描写ではあるが、それを是とする懐の深さがある。

    星新一の作品を読むたびにそうしたことを感じる。





    「罪をにくんで人をにくまない社会には、まだなってない。」
    本文より
    続きを読む

    投稿日:2022.09.16

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