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山本弘 / PHP研究所 (45件のレビュー)
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総合評価:
まる
2
「過去を変える」という重いテーマを含みつつの私小説。
SF小説家・山本弘の私小説的SF小説です。 なにしろ、主人公・語り手が「山本弘」です。妻・娘をはじめ、実在の人物も多く登場します。 「SF小説で私小説なんて成立するのか」と思いますが、これは間違いなく…それです。 家族に対する彼の思いが痛いほど伝わってきます(…てか、ただののろけ?) そういう点で、特殊な作品ではありますが、彼の軽妙な文章やクライマックスへのスピード感など、作品としての魅力も充分です。 特に、「と学会」の面々が、(作中での)荒唐無稽な未来について「未来の唐沢さん、面白い嘘つくなぁ」と笑い飛ばすシーンなどは彼の面目躍如でしょう。 おもしろいだけではなく、真剣なテーマも含んでいます。それは、終盤で明らかになってきます。 なお、この作品、星雲賞を受賞していますが、作中、主人公・山本弘が「星雲賞を獲りたい」と発言しています。 …作中でおねだりして賞を取った珍しい作品かも。もちろん、それだけの名作なんですが。続きを読む
投稿日:2013.11.08
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桃太楼
現実に限りなく近くちょっとだけ違う世界
SFの1つの手法ではあるものの、山本弘と言う作家を良く知っている人はちょっと違和感を感じるかもしれません。 山本弘たる人が、そこに思い当たらないのはおかしいと思えるところが何箇所かあるんです。 特に、…過去の作品である「まだ見ぬ冬の悲しみも」を読んでいる人だと、その違和感が読み進む上での引っかかりになってしまうと思います。 個人的には、「山本弘」を取り巻く物語にする必要があったのだろうか、と言う点が一番の疑問。 それを除くとSF作品としても出来がよく、タイトルに書いたとおり「現実に限りなく近くちょっとだけ違う世界」を堪能することが出来ます。多重世界論を含む歴史改変ものとしてはちょっと異質ですが、山本弘らしい解釈がここに登場します。こういう考え方もあると言う感じで読んでいくと、新たなSF像が見て取れるかと。続きを読む
投稿日:2013.11.11
猫崎犬介
一部の文字の表記がおかしい
小説そのものは⭐四つ。でも、仕様は⭐一つである(ゼロでもいいくらい)。所謂「おま環」なのかもしれないが、縦書き表示であるにもかかわらず三点リーダー(「…」←こういうやつね)が横向きに表示されるのだ。な…ぜか試し読みができないので、事前に知ることができなかったけど。 読んでて違和感ありまくりなので返金してほしいくらい。 続きを読む
投稿日:2024.03.16
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大吉堂
24世紀から人類の不幸を取り除くため ロボットがやって来た。 主人公は山本弘本人。実在の人物や事件を踏まえて展開する歴史改変SF。 大きな災害を防ぐため、結果として多くの人が幸せになるなら、多少の犠牲…は仕方ない? 合理的ではない人間の幸せとは。続きを読む
投稿日:2024.02.24
凪野基
99:9・11テロを防ぐべく、24世紀からタイムスリップしてきた「ガーディアン」と名乗る美男美女のロボットたち。彼らはロボット工学の三原則の下に、テロや自然災害から人類を守るべく歴史の改変を行うが………というパラレルワールドもの。実在の作家さんたちが実名で登場するなどニヤリとする演出も交えながら、「多くを救うために少数を犠牲にする」ガーディアンのやり方に不気味さを感じたり、家族とカイラとの間で揺れる心、そしてさらなる歴史改変、とどんどん読み進めてしまいます。大きくくくればSFになるのでしょうが、タイトルの意味がわかった瞬間の「ああ!」というスカッとした感じがたまりません。内容はやや重いのですが、最後に希望が描かれてよかったと一安心。続きを読む
投稿日:2018.10.08
レキ
山本老师真是自己人!宅出境界的宅…有时候看他推特上发的各种宅向东西 都怀疑他还有时间写小说嘛…而且这书还全用的是实名…借钱那貌似也是实事…对人类的痛心疾首的失望在他推特timeline中也可见一斑。宅…向和sf领域干货太多…或许并不能受万人喜欢…老师的网站做的很有意思 没事可去逛逛続きを読む
投稿日:2017.08.30
のびんこ
山本弘、すごい! BISBB部の3巻目が今年最高のミステリーとしたら、これは今年最高のSF。タイムトラベラーパラレルワールド。大好き。
投稿日:2017.07.22
沙都
図書館より。 2001年、未来からガーディアンと名のるアンドロイド集団が襲来。人類のために尽くすことを本能づけられた彼らは、世界中の戦力をあっという間に無力化すると、貧困地域の支援や人命救助、テ…ロリストの確保、独立国家の解体などを次々と行う。そしてSF作家”山本弘”にもガーディアンが接触してきて… この本の著者である山本弘さんが主人公の一種の時空改変、タイムパラドックスもののSFです。そんなわけで2001年時点の山本さん自身のお話もたくさん作中では触れられています。山本さんがこれから(2001年以降に)書く小説の話であったり、自身が運営している同好会の話であったり、仕事の話や家族の話など。 そんなわけである程度山本弘という作家の作品や彼のSFのスタンスをある程度知っていないと、なかなか入り込みにくいかもしれないです。(特に『アイの物語』は先に読んでおくのを推奨します) ただそうした部分をあますことなく語ることによって、アンドロイドの襲来が世界的に見れば確かにいいことかもしれないですが、それが個人単位の話になるとどうなのだろうか、という問いに対し非常に具体的な回答が小説として書かれていると思います。私小説的な面白さに思考実験としての面白さがプラスされたような印象です。 日常描写が多めで、話の動きはあまり多くない印象でしたが、その分ラストの衝撃はなかなかのものでした。 個人的にこの話は山本さんが『アイの物語』でなぜそうした世界を作ったのか、という問いをより深く、そして尖らせて行きついた物語のように思います。 第42回星雲賞(日本長編部門)続きを読む
投稿日:2015.10.19
より
図書館で。この方の本はMM9とか言う本を読んだことがありますがその時もイマイチ、ピンと来なかった記憶が。この本もナンダカナって感じで終わってしまいました。取りあえずものすごい内輪受けって感じの本だなあ…と思いました。(まあ主人公が過去の自分にあてて書いてる本なので仕方ないのでしょうけれども) 取りあえずガーディアンが彼の元を訪れたのは良いとして何で彼は家族と一緒に会わなかったのでしょうか?お友達になったらその人としか話してはいけないとか言う規則があるわけでもないのに。娘だって奥さんだって一度か二度ガーディアンに会っていれば話は違ったんじゃないかな?そういう辺り男性の女性に対する気の利かなさが表れていてすごく不快。これ、女性がお友達に選ばれたらきっと家族に紹介すると思うんですよね。主人公が無意識に対外的な所から家族を離して考えているのが男性本位な考え方だなあって思いました。もともとSF好きで通じた奥さんならガーディアンに会せたら喜びこそすれ嫌がることもないと思うのにな。多分主人公は奥さんが娘連れて出て行った理由、自分が悪いとは言いつつ何が悪いのかわかってない気がする(笑) そしてSFオタク会みたいなのも個人的にあまり良い思い出が無いのでちょっと引き気味になりました。大分前にコミケにSF枠で出た時隣のスペにこういうマニアみたいな人たちが居たなあという事を思い出して…。この作品には関係ないのですが。その時は結構なお客さんではない人数が屯して、総勢10名ぐらいが入れ替わり立ち代わりスペ内、通路にウロウロして非常に邪魔だったのです。内輪で盛り上がってこちらにはみ出していることも通行の邪魔になっていることにも気づかないし挨拶も無し。当時学生だったのですが社会人の癖に子供っぽい人たちだなあと思った事を思い出しました。そして彼らは彼らだけのコミュニティを楽しんでいて知り合い以外の人間とは対話したりしない感じが物凄い閉鎖的でイヤだったなあとそんなことも思い出しました。なんかこう、好きが高じて集う仲間内って物凄い楽しいのはわかるんですが周囲は少し見た方が良いよねっていうか。まあその辺りは反面教師でもあるのですが。 そんな感じであまり楽しめなかったです。多分この作家さんとはあまり合わないんだろうなあ…きっと。続きを読む
投稿日:2015.03.19
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