【感想】町長選挙

奥田英朗 / 文春文庫
(605件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
86
238
212
21
2
  • お馴染み伊良部医師シリーズ第3弾

    お馴染み伊良部医師シリーズ第3弾
    注射ばかりでロクな診察もしないハチャメチャぶりはいつもの事
    今回は某大手新聞社の会長ナベマンや
    IT長者で有名なアンポンマンなど
    どこかで見た事のあるようなセレブ患者が登場

    普通の人の悩みからスケールアップしたぶん
    セレブ患者の高慢さに同情の念が浮ばず
    気楽に笑えて爽快さもアップ

    離れ小島に出向する話もありますが
    個人的に言わせてもらうと
    やっぱり伊良部は薄暗い地下室で「いらっしゃ~い♪」の方がしっくりくるかな
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    投稿日:2014.07.18

  • 伊良部シリーズ第三弾

    今回はピンとくる何名かの有名人が出てきて伊良部先生とのやり取りが妙にリアルで面白かったです。
    表題にもある「町長選挙」は目前に町長選挙をひかえた離島の島に伊良部先生が2ヶ月間やってきた。父は超有名な総合病院の医院長なので各陣営に翻弄される伊良部先生。圧倒されてさすがの伊良部先生も引きこもってしまってさあどうなるのかお楽しみです。続きを読む

    投稿日:2014.08.10

  • 天才

    前作、前前作と名医なのか迷医なのか悩みながら読み進めましたが、やっと判りました。意図せず患者にストレートな意見をぶつけ伊良部自身の生き方を見せることで、患者を快方に向かわせる。これはもう、天才としかいようがありません。
    つまらんことに囚われず、もっと簡単に考えて生きていこうと思える一作です。
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    投稿日:2014.08.30

ブクログレビュー

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  • じゅう

    じゅう

    奥田英朗の連作短篇集『町長選挙』を読みました。
    『イン・ザ・プール』、『空中ブランコ』に続き、奥田英朗の作品です。

    -----story-------------
    満を持して、伊良部シリーズ第3弾登場!

    町営の診療所しかない都下の離れ小島に赴任することになった、トンデモ精神科医の伊良部。
    そこは住民の勢力を二分する町長選挙の真っ最中で、なんとか伊良部を自陣営に取り込もうとする住民たちの攻勢に、さすがの伊良部も圧倒されて……なんと引きこもりに!?
    泣く子も黙る伊良部の暴走が止まらない、絶好調シリーズ第3弾!
    -----------------------

    2006年(平成18年)に刊行された精神科医・伊良部シリーズの第3作です。

     ■オーナー
     ■アンポンマン
     ■カリスマ稼業
     ■町長選挙

    都下の離れ小島に赴任した精神科医の伊良部は、島を二分して争われる町長選挙に巻き込まれてしまう……双方に利用され、嫌気がさした伊良部がなんと引き籠もりに!? 「物事、死人が出なきゃ成功なのだ」 直木賞受賞作『空中ブランコ』から2年、トンデモ精神科医の暴走ぶり健在。

    破天荒な精神科医・伊良部一郎が患者たちの問題を奇抜な発言や行動で解決に導くコメディタッチの物語の第3作……今回の患者は、死を怖がる新聞社の会長兼人気プロ野球球団のオーナー、平仮名を忘れてしまったIT企業の社長、アンチエイジングにとりつかれた40代で元・東京歌劇団員の女優、町長選挙に巻き込まれた離島の町に出向中に東京都庁職員 と、今回も一筋縄ではいかぬ人物ばかり、、、

    読売新聞の渡辺恒雄(ナベツネ)、ライブドア社長の堀江貴文(ホリエモン)、宝塚歌劇団出身で女優の黒木瞳と、第1話から第3話は相当わかりやすい実在の人物がモデルにされていましたねー 驚きました……でも、その分、リアルな人物を想像しながら愉しめましたね。

    これまでのシリーズ作品の中で、イチバン面白かったですねー 愉しめました……最新作『コメンテーター』が昨年刊行されたようなので、機会があれば読んでみたいですね。


    以下、主な登場人物です。

    伊良部 一郎(いらぶ いちろう)
     伊良部総合病院の神経科医師。
     「カリスマ稼業」の時点で37歳。
     伊良部総合病院は戦前から名門として知られており、病院の裏手で幼稚園も経営している。

    マユミ
     伊良部の助手の看護師。
     ミニの白衣を身にまとったスタイルの良い若い女。
     伊良部のことなら大抵知り尽くしている。

    田辺 満雄(たなべ みつお)
     「オーナー」主人公。
     78歳。あだ名はナベマン。
     「大日本新聞」の代表取締役会長で、プロ野球球団「東京グレート・パワーズ」のオーナー。
     死への不安を抱いており、棺桶を連想させる暗闇と狭い場所が怖く不眠症に悩まされる。
     神経科の専門医として伊良部を紹介され、受診する。医師会の理事である伊良部の父親とは知り合い。

    安保 貴明(あんぽ たかあき)
     「アンポンマン」主人公。
     小太りの体型から、あだ名はアンポンマン。
     東大在学中に、インターネットのホームページ作成サービスの会社「ライブファスト社」を立ち上げ、
     瞬く間に急成長し、IT長者に成り上がった。
     プロ野球チームの買収騒動で一躍有名になり、著書「稼いで悪いか!」がベストセラーとなった。
     文字を書く習慣がないので、平仮名がどんなだったか思い出せず、症状を心配した秘書により神経科を受診する。

    白木 カオル(しらき カオル)
     「カリスマ稼業」主人公。
     女優。44歳。元・東京歌劇団員。
     若さと美貌をいつまで維持できるか気に病んでいる。
     カロリーを抑えた食事を取っているが、周りに見栄を張ってつい脂っこいものを食べてしまった時など、一刻も早く消費しなければ落ち着かない。
     付き人の久美はマユミとバンド仲間。

    宮崎 良平(みやざき りょうへい)
     「町長選挙」主人公。
     東京都庁職員。
     9カ月前に、離島研修のため伊豆半島沖合の島・千寿島に出向してきた。任期は2年。
     役場の職員は全員二つの派閥にきっぱり分かれており、互いを罵り合う勢力争いに辟易する。
     熾烈な争いを繰り広げる町長選挙が繰り広げられ、両陣営から支持者になるよう迫られる。
     食欲不振と胃痛に悩まされ、島に来た伊良部に相談する。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.19

  • ねるねる (旧shaadi)

    ねるねる (旧shaadi)

    先生に対しては、みんな心を許して素直になれるんだなぁ…
    精神科医にとっては、一番必要なことなんじゃない?

    私も、はちゃめちゃしてみたい!
    ただし、人に迷惑ない範囲で…
    そこが一番難しいんだけどね

    投稿日:2024.04.17

  • koujisan941

    koujisan941

    伊良部シリーズ第3弾、読了。

    今作は特別すごい事をやっているかと言うと、今までの作品に比べると弱いかな。はちゃめちゃ感が足りない感じ。

    4話目の町長選挙は途中まで嫌な気持ちになる事この上なしだったけど、最後は綺麗に終わってくれてよかったな。汚いお金が動いたり、そのおかげで成り立つインフラ整備、島を愛するが故とわかるとホッとした。でもこう言う問題って実は色んなところにあるんじゃないかなぁ。沖縄の基地とかもその類かと…

    少し社会問題を考える時間になった。

    伊良部で笑

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    投稿日:2024.04.14

  • ゴン

    ゴン

    シリーズ第三弾だったから買った一冊。

    神経科に来る患者の話

    オーナーとアンポンマンは実在する人物に似ている話で、これまでと同じ様に精神の異常が出てきた話だったが、カリスマ稼業と町長選挙はなんとなく今までと違った話に感じた。

    どの話もスラスラ読めて楽しかった。

    でも実際にいる人物に似ている話はなんとなく好きになれない。

    町長選挙はどちらが勝つかちょっと気になった。

    やっぱり神経科の医者は変だ

    変だけど皆この人に寄ってくる。
    癒されるのか?
    気持ちが楽になるのか?

    でも名医ではないと思う。

    3冊続けて読んだが、気楽に読める話でよかった。
    まだ続きがある様なので買ってみようと思った小説でした。
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    投稿日:2024.03.26

  • kshystk

    kshystk

    安定の伊良部シリーズ。本当にサクサク読める。
    町長選挙の世界観は、なんか安心感あるなあ。実家の田舎の人間関係とか近所付き合いを思い出したよ。すごく閉鎖的でドロドロした状況なわけだけど、結局地元が好きっていう一点ではみんな同じでみんな繋がってるんだよね。
    伊良部の「物事、死人が出なきゃ成功なのだ」ってセリフはそのとおりだと思うよ。
    伊良部シリーズはかなりオススメです!短編で読みやすいしね!
    続きを読む

    投稿日:2024.03.17

  • つほん

    つほん

    このレビューはネタバレを含みます

    以前に読んだこの前のシリーズ『イン・ザ・プール』と『空中ブランコ』がかなり面白かったので、今回も期待して購入しました。
    全体的に、うーん、ちょっと路線を変えた感じが正直期待に沿うものでなかったなという感じでした。
    ・オーナー
    ・アンポンマン
    この2つは登場人物的に緩やかに関連していて、かつ、患者のモデルは明らかでナベツネとホリエモンをそのままトレースしたような人物像なのですが、そのようなモデルを戯画的に描くという面白さに振られていて、伊良部シリーズに期待していた、現代人誰しも持ってそうな心の病巣を、聖愚者(ちょっと言葉がちがいますが)的立場である伊良部が鏡的な役割を演じ、自信を見直す的なストーリーが醍醐味だったと思うのに、すこしその辺りが影が薄くなったなと思いました。

    ・カリスマ稼業
    こちらにしても、伊良部がどう治療を施したのかが明示的でなく、伊良部のちょっとした一言が、なんとなく主人公が己を見直すみたいなよく分からないストーリーでした。

    ・町長選挙
    この話だけ他の話とは違い、特に中心の患者がいるわけでなく、島全体の騒動に狂言回しである都の職員と、伊良部が巻き込まれるという形なので、伊良部シリーズとは別物、という形で読むことができました。
    なんとなく民主主義の限界というか、「東京の価値観をすべてに押し付けるのは無理がある」といったような文言もあり、作者の社会思想のようなものが垣間見えたような気がしますし、そうだよなぁと納得する部分もありました。
    ただ、話としてはそれほど驚きというか、グラインドする部分もないような気がして、オチもなんとなくよめてしまいました。

    内容的にはちょっと残念という感じですが、伊良部やマユミのキャラ造形やセリフ回しは楽しく、スラスラと気軽に読めてしまう筆致は健在でした。

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    投稿日:2024.02.21

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