しおりさんのレビュー
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152
このユーザーのレビュー
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NO.6〔ナンバーシックス〕 #1
あさのあつこ / 講談社文庫
これ本当に児童書?!
3
どこかで児童書の扱いにされていたのを見て読むのを躊躇していたのだけど、読んでみたらとんでもない!大人でも十分に楽しめるクオリティでした。さすが、あさのあつこさん。
環境も人間も完璧にコントロールされた…聖都市No.6に生きてきた紫苑と矯正施設に犯罪者として閉じ込められていたネズミがある台風の夜出会ってから運命が動き出す。近未来SFとして舞台設定もしっかりしているし、主人公の二人の少年が実に対照的でそれでいてお互い惹かれあっている様子、No.6と二人の少年の物語がこれからどう展開していくか楽しみです。 続きを読む投稿日:2013.11.25
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さよならソルシエ(2)
穂積 / 月刊flowers
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さらい屋五葉(1)
オノ・ナツメ / 月刊IKKI
隠れた(?)名作 江戸人情漫画
3
「さらい屋五葉」の「さらい屋」は「人をさらう(誘拐)」から来ていて、五葉(ごよう)というのはその犯罪集団名。五人で構成されているから五葉というわけで、一言で言ってしまえば「身代金目的・誘拐犯五人組」の…お話です。
でも、犯罪自体がメインの話なのではなくて、この五人衆、相当なワケあり者たちの集まりでその各々のワケが徐々に明らかになっていくところが読みどころです。
それぞれがそれぞれの過去や事情を抱えてゆるく結ばれている五葉。
はじめは金のために結成された五葉なのに、いつの間にか心の拠り所というか、その人の居場所みたいになっていく過程がとても丁寧に描かれていて、一人一人の過去が明かされていくたびにじーんとしてしまいます。
特に一番なぞに包まれていてつかみどころのない五葉のリーダー格・弥一は本当に魅力的な人物。気弱な浪人・政之助に出会ったことで重い過去に閉ざされていた心が徐々に開いていきます。そして政之助にとって弥一もまたなくてはならない存在に・・・。
作者のオノ・ナツメさんはイタリアものでも有名ですが、私は結構この江戸人情話も優れていると思います。序盤はほんわかしてますが、終盤ははらはら、全8巻、一気読み確実です。 続きを読む投稿日:2013.10.02
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BANANA FISH(1)
吉田秋生 / ベツコミ
どうして今まで読まなかったんだ!
3
アメリカのストリート・ギャングの抗争と裏でうごめくマフィアそして政府も巻き込んだ陰謀、それに少しSFっぽい要素の混じったアクション漫画・・・そう言ってみても全然この漫画を表現し切れていない。
この漫…画の魅力は主人公・アッシュ・リンクス、その人そのもの。そして彼の魂の片割れ・奥村英二、この二人の少年の友情を越えた絆。とにかくすばらしい。
私はずっとこの表紙の感じから少年漫画かと勘違いしていて敬遠していたのだけど大きな間違いでした。少女漫画のカテゴリーで作者も女性と知ったときはひっくり返るほどビックリしましたが、読んでさらに衝撃、「これはカテゴリー云々といってる場合ではない!」と思ったものでした。 続きを読む投稿日:2013.10.02
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海の稜線
黒川博行 / 創元推理文庫
大阪vs東京の刑事小説
3
黒川さんは疫病神シリーズで好きになりましたが、初期の作品も本当に質が高くて、古いのに今読んでもすごく面白いですね。
大阪弁での軽妙なやり取りが醍醐味。どの作品もそうなのにそれぞれに別の面白みがあってす…ごい。本作は大阪府警の刑事たちと東京から研修に来ているキャリアのぼんぼん新米警部補との口合戦。いいです!
ミステリの部分も海運業界を舞台としていますが本格的で「へ~、知らなかった」な発見が多いです。黒川さんの小説を読んでいるとそういう知識も増えるので大変お得な気分になります。
疫病神シリーズも電子化してくれないかな~。 続きを読む投稿日:2013.10.04
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宇宙兄弟(6)
小山宙哉 / モーニング
最初のクライマックス
2
いよいよヒビトが月へ!
抜けてる弟がヒビトのような人だったら自分も抜けてる弟が欲しいですわ。ここでもムッタとヒビトの強い絆を感じさせられます。お兄ちゃんも頑張れ!投稿日:2013.11.17